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骨がぼっちで考察するだけ

超☆説明会(キラッ☆)

んー。

んーぅう?

なんか体がかっるいなー?

生まれてからこんな軽かった事無いんですけど?

それに頭痛も吐き気もしないし・・

夢でもこんなに楽だったこと無いわー。

なにこれ最高かよ。

えっと、この軽い体で早急にヒャッホイしたいけど・・。私、どうしたんだっけ?いつも通りベッドで寝ていて・・。

・・・・・いきなり森にいて、三つ目狼に襲われて、男に襲われて、屠畜して、こねこねして、飛び込みからの足もげーの、セルフ生き埋めで最期に自分の足の骨で首切断。

ハイ?

私何やってんの?

私なんで生きてるの?

おクスリでもキメてたの?

・・まあ、それはそれとして、ここ、何か狭いし暗いし頭がネチョネチョするなぁ、気持ち悪い。

その頭もギチギチに詰められてやっと入ってる感じだ。

んぁ?そういやなんか頭以外の感覚が無いな?

あ、なんかよくわかんない事だらけだけどとりあえず頭以外動かせないみたい。首下植物人間?それともデュラハン?

うん、取りあえず現状確認は後にしよう。狭いのは嫌いなんで。せっかく体が軽いんだから、この機会に大嫌いな狭い場所から一瞬でも脱出したい。後先は考えない。

それの前には今が何なのかなんて埃カスレベルの些事だ。

私はどうやらネチョネチョした穴の中、その一番奥にいるみたいなので、頭だけで這いずって穴を進む。

頭だけで這いずって進めるとか本当に体かっるいな?

もしかしたら私の後ろのネチョネチョがこの穴の入り口で、私は奥に進んでいるのかも知れないけど、あのネチョネチョを貫くのはモヤシの私じゃ無理臭いしねぇ。まあダメだったら引き返そう。

なんていう私の心配は杞憂だったようで、ぼんやりと進行方向に明りが見えてきた。

外から明かりが入る小さな小さな穴を広げると、なにやら紫のゼリーのようなサムシング的なサムシングが穴に流れこんできた。キモッ。

ええい、キモいけど、こんな狭い所にいられるか、私はお外にでるぞ!なんか水中っぽいけど!

私は紫ゼリーに飛び込み、

「カタカタカタ、カタカタ、カタカタカタタ(・・え?・・・なに、ここ?)」

呆然として、思わず、声が、出なかった。

えっ。

えっ?


声を出そうとして声が出ない。それはよくある事だし、ああ、また喉が逝ってるんだろうな。で済む。だがカタカタカタってなんだよオイ。嫌な予感しかしないぞ。

頭を下に向けて自分の体のあるはずの場所を見る。

紫ゼリーを固めたような地面がゼロ距離で見えた。

頭以外の感覚が無かったのは、そもそも頭以外の体が無かったからかーソッカーナルホドー。

加えて、体(頭)の所々に大小の穴が空いている。穴の場所は、目、鼻、顎裏とかで、心なしか水の当たる場所や流れもおかしい。

んでもって、舌がない、喉が無い、というか、たぶん肉がまったく無い。

トドメに、水()の中なのに苦しく無い。

むしろ息してない。

それらを踏まえて、私の今の姿は、


頭蓋骨だ。



これだけで十分お腹いっぱいな超絶吃驚人間だが、続いて周りの景色もだ。これも色々おかしい。

ベッドで寝て起きたら崖下で死んでて、その後動く頭蓋骨になってて、いきなり全く別の、それもかなりやばそうな、控えめに言って人類が絶対に関わっちゃいけなさそうな場所に移動してた。

何を言ってるのかポルナレフですねはい。

紫色で、ドロドロとゼリーみたいで濁った水。壁から生えていてうねうね動く黒紫の太くて長い触手。地面や壁面はこの湖の水・・このドロドロを真っ当なH2Oとは認めたく無いな、やっぱヘドロと呼ぼう、ヘドロが凝り固まったような黒いねとねとで出来ており、色んな場所からガス?の様なものが吹き出して、ボコボコと泡となり水面へ上って行く。・・正直気持ち悪いと言うか、もうなんかグロい。・・・ちなみに、今私の真後ろのヘドロ塊からもボコッとガスが出てきました。そして私はこの中で寝ていたと言う訳で。今の気分をオブラートに包んで言うと「吐きそうな気分」やね、ははは。

はぁ。

まとめると、目が覚めたら、魚どころか緑虫すらいない汚染?されたような紫色のヘドロ溜まりの底にいた。動く頭蓋骨になって。

って所かな。

元は崖だったよね?ここ。寝てる間に何があったのよ。あ、私が白骨化してるし、50年は経ってるだろうから、何があってもおかしくないのね。


取りあえずいつまでもポルナレフポルナレフしてないで、順を追って何があったのか確認して行こう。

まず、私の記憶が有るのが唐突に森にtsして湧いた所からだ。そしてその後特にそれを疑問に思わず行動する。

でもって最期には奇行に短距離走者ばりの全力で走る、と。

どうみてもガンギマリですねわかりかねます。

・・んで、思ったんだけど。

たぶん私、森に出る前とベッドの記憶との間の記憶が欠落してるよね。私の記憶の不自然を埋めていたはずの何かが。

だってさ、私の行動、ツッコミ所大杉でしょ!

何故いきなり森に放り出されて平然と道を見つけて歩きだすのか。あと女になってたのも。なんでこの機会に女体の信憑を解明しなかったのさ。

だってさ?男子中学生だよ?猿の親戚かつハイパーピンキリワールドだよ?クラスの友達がみんな彼女持ち彼氏持ちになっていって焦りつつ憧れるエロ真面目だよ?

この状況でなにもしないとか不自然すぎるわ。

他にもいろいろ知らない筈の事を知ってるかんじの行動をしていたと思う。その最たる物の結果が今の私でもあるわけだし。まあ、今はその「知らない事」については記憶に無いので、もしかするとそん時の私がとち狂ってただけで全部ただの偶然って事もあるかもね。あんま考えたくないけど。


続いて、その欠落についての仮説を立てた。

立てたかった。

もうね、情報が少な過ぎて仮説にもならなかったよ。

まあさくっと言っちゃおう。思うに、私は異世界転生、とか?したんだと思う。

だってあんな狼擬きを地球の生物とは思いたくないよ、控えめな表現をしてもバケモノだよ。

我ながら随分頭悪い仮説だよなぁとは思うけどさ。

小説とかでそんなのあったな。


さて、この仮説が正しいなら、きっと森に出たときの私にとって、その出来事は「唐突」ではなかったんだろう。だって、事前に教えられていたんだから。今は覚えてないけど。

つまり、前世でベッドで寝てから森に出るまでの間に何らかの原因で、ここに私はやってきた。誰かにこの世界の説明を受けてから。

こっちで死ぬ前?の私の自殺?は、なにやら確信を持って、自分の体が損傷しないように、死体を隠そうとしていたように思える。普通に考えても、無理に生き残ろうとしても魔物的な何かに食われるか、男にレイプされるかするだけだし、生きてて楽しい事が無いなら自殺するのもいい選択だと思う。

けど今回の場合はそれだけじゃない。それを今の私の体が、存在が、証明している。

どうやら多分、この異世界(仮)では、死んだ者が、不完全にではあるみたいだけど蘇る事もあるみたいだ。私の場合は記憶と肉と首から下が無い事だね。不完全と言うかもう殆ど残ってないと言うか。

ん?でも死んでから復活までの間に体は喰われて白骨化してたんだろうし、実質復活で失ったのは一部の記憶だけ?

やだすっごいリーズナブル。

で、今の私はいわゆる、アンデットって奴なのかしら?

まあでも人体が白骨化するほどの時間も掛かったみたいだし、異世界とはいえそうホイホイ人が生き返るって事はなさそうかな。

ある意味かかった時間も復活の代償に含まれてた説?


・・あくまで、どこか人事な、こんな出来事があった。

という記憶しか無いからそん時の感情まではわからないけど、大切な物と大切な物をてんびんにかけて、即座に最適と思える行動を躊躇わなかったのはよくやったと言えるよね。ぐっじょぶ死ぬ前の私。

体を生き埋めにし、首を切り落としてたのは、動物に見つかりづらく、かつ体を引きずり出されても頭だけは残るようにだろう。実際私頭しか残って無いし。体は掘り返されて食われたのかねぇ、狼とかに。


うん、生前の私を見てると、死人の復活には体が残っていることが重要っぽかったな。

・・ghostとかはいないって事かね?


まとめると、私は多分この世界の知識を空白となっている記憶の時点で学んでおり、その中にこの生き返る方法、アンデット化(仮)もあって、死ぬ前にそれを死力を尽くして行った。そして不完全な復活により、恐らくこの世界の知識の記憶(+もしかすると人体が白骨化するほどの長い時間)が失われた、と。

突飛すぎて何がなんだか。

ま、わからない事は華麗にスルーして、今この最高に軽い体で楽しむ事を優先しよう。そうしよう。

体軽いし吐き気もしないし頭痛もない。

もしかすると、死んで蘇るのも一時的な事かもしれないからね。情報がなさすぎて何がおこるかわからない。けど、もしロスタイムだったなら無駄には出来ない。

だから、深く考えず、今を楽しむ事を考えよう。

んじゃ、遊びまくろうかね。

楽しく骨ライフを満喫してもらいたい所ですが

紫色の大地からスタートなんだよなあ

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