表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/168

部活動 5-3.7

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


いよいよ大人の階段を登るのでしょうか?


ではでは~


楠木さんは風呂上がりの鉄臣君を唸って威嚇していた。

「むーーーー」

「・・・」

「むーーーー」

「・・・、なんか、すみません」

「むーーーー」

「お風呂上がったから、怒っているんじゃないですよね?」



「あのー、ボクのシャツは・・・」

「洗ってるよ。着替えのTシャツがあるから、着てね」

「え?女物のシャツじゃ着れないよ」

鉄臣君、女装趣味があれば、喜べたのかも入れない。


「大丈夫、ちゃんと男物だから」

「何であるの?・・・あ、ごめん。でも、彼氏のTシャツを着るのは、忍びないなぁ」

鉄臣君、ごく当たり前の推論を確信していた。


「か、彼氏って、いきなりなんてこと言うの!」

声が裏返ってしまった楠木さん。


「え?だって、男物のTシャツが、楠木さんに部屋にあるんだから、彼氏さんのでしょ?」

「・・・」

楠木さんは返事に困ってしまった。

<あるときから持ったまま>が、説明ができない。


「女の子は進んでるなぁ。ボクなんか、お子ちゃまだよ」

「鉄臣クン、勘違いしないでね。わたし、まだ(・・)誰とも付き合ってないから」

「大丈夫、言わないから。でも、今日ボクが泊まったりしたら、彼氏さんは誤解しない?」

「だーかーらー、彼氏なんていません!なって欲しい人はいるけど』

「ごめん、いませんの後が聞こえなかった」

「もう、いーです」

「なんか、ごめん」


 = = = = =


「じ、じゃあ。わたし、お風呂に入ってくるから」

「はい、行ってらっしゃい」

「み、水着も着ないで入るから、の、覗かないでよ」

「うん、惜しい気はするけど、覗きませんから、ごゆっくり」

「髪とか洗ってると周りが見えなかったりするんだけど・・・」

「?」


「寝室は、カギが掛かっていないから、勝手に入っちゃ、・・・ダメ・だからね」

「わかった。リビングから出ないよ」


『ちょっとくらい、興味が有ってくれてもいいのに』

「なに?」


「もーーーーぉ! すぐに出てくるから!待ってて」

「?、はい」


 = = = = =


≪ガチャン、バタン≫

≪シャーーーーーー≫

≪バシャバシャバシャバシャ≫

(?)

≪シャーーーーーーーー≫

(??)

≪ガチャッ≫

≪ブオーーーーーーン≫


「はあ、はあ、お、お待たせ」

「早っやっ。そんなに急がなくても。少しは信用してくれてもいいのに」

「え?そ、・・・信用してるよ。ま、待たせたら悪いかなって」

「何か急ぐことあったっけ?」

「!・・・、そうよね。急ぐことは無かったわね」

(わたしったらーーーー)


鉄臣君、もう眠るだけ。

楠木さんは何も急ぐ必要はなかったし、鉄臣君も用事はなかった。


楠木さんは、何を待たせると悪いと思ったのか、待ち遠しいと思ったのか。


 = = = = =


「明日、朝から、ほのかちゃんが来てくれるって」

スマホの画面を見ながら、教える楠木さん。


「一安心だね。よかったよ」

鉄臣君、麦茶の炭酸割りを飲みながら一安心。


「・・・」

「何?」

「怒ってない?」

「何を?」

「その、急に泊まってもらったのにお礼とかしてないから」


「アハハ、何それ?」

「どうして、笑うの!」

「いや、だって、旅館とかに泊まったら、ボクが宿泊料を払うほうだよ」

「あっ」


「じゃあ、もう寝ようか」

「う、うん・・・」

「怖い?」

「う、うん。不気味なのは初めてだから」


「ニュースとかのストーカーって、怖いもんなぁ」

「あんまり怖がってない」

「うーん、そうかな?」

「だって、普通に眠そうだもん」


「まあ、なるようにしかならないし、生徒会(みんな)だから安心してる」

「ひとりの時だと怖いよ」

「そういう相談は、桃園さんがいいと思うよ。警備員さん、そういうの得意そうだし」

「・・・、わかるの?」

「わからないけど、そんな気がする」


「鉄臣クンは護ってくれないの?」

「それは準備するよ。まだ未成年だしね」

「未成年?」

「まあ、不幸なことがあっても未成年だからね」

「意味が解らない」

「とにかく、明日も来るけど。彼氏に来てもらった方がいいんじゃない?」

「だから、お付き合いしている人なんかいません!」


「・・・」

「わかった?」

「あー、ごめん」

「よかった」

鉄臣君、気が付いた。

その表情は得心の深さを物語っていた。


「バレちゃうと困るもんね」

「もーーーー。鉄臣クン、わざとでしょ」

「え?何が?」

楠木さんの受難は続くようだ。

いかがでしたか?


まだまだ先は長そうです。


次話をお待ちください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ