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部活動 5-2.2

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


ドジった分、連続更新です。

鉄臣君、新たな試練です。


ではでは~


お曾祖母様が嬉しそう。

絶対鉄臣さんのおかげ。


婚約が白紙になって、みんなが心配してくれたけどちょっと違うんだな。

堀田さんはいい人でかっこいいのは間違いないんだけど。


最初はお曾祖母様が言っていたみたいに惚れるより慣れろっていうのは実感はなかったけど今ははっきりとわかる。

まったく意識されないみたいだけど一緒にいるとそれが当たり前に思えるわたし。

このことなんだと思う。

こんな毎日の繰り返しが夫婦なのかな。

子供ができて、子育て難しいとかママ友と話したりして。


・・・わ、わたしどこまで考えてるの! ま、まだキスさえしてないのに。


 = = = = =


「大奥様、お呼びですか?」

「いきなりで悪いね。明日昼ごはん用に玉子をお願いさね」

「はい、玉子ですね。おいくつ入り用ですか?」

「かな坊、六つでいいんだね?」

「はい、3人分だと六個です」


「じゃあ、六つで、いや八つお願いさね」

「4人分作るんですか?」

「ダメかい?」

「お姐さんがそういう聞き方をしないでください。希望を言ってくれれば、頑張ります」


「だそうだ。で、明日はかおるも一緒に食べような」

「大奥様、それは・・・」

「いやなのかい?」

「そ、そのようなことはございません」

かおるさん、少し顔が赤い?


「かな坊、かおるはな、ウチがおむつを替えてやったころからの付き合いなのさね」

「そうなんですか。御堂さん、口に合わなかったらすみません」

「三石さん、そのようご心配は無用でございます」

「ボクに敬語はいりませんので」

鉄臣君、ずいぶん年上の敬語に恐縮してしまう。


「そうは参りません。ゆくゆくは「み、御堂さん!お仕事に戻ってくださいね」・・・はい、お嬢様。大奥様、よろしいでしょうか?」

「あ、ああ。すまなかったね。ところで、かおる、お前さんはどう思う」

「はい、大奥様の目に狂いはないかと」

慌てるように見える竹腰さん、意味の解らない会話を交えるアヤメさんと御堂さんだった。

鉄臣君、3人をよそにオムレツ4人分の段取りを考えていた。


 = = = = =


「ほら、かな坊、ちょっと狭いさね」

「ああ、すみません」

鉄臣君、3人掛けシートの真ん中で縮こまっていた。


しかし、事情が少々違う。

いつもよりクルマが小さい。


それなのに竹腰さんとアヤメさんが同乗している。

鉄臣君、助手席に座ろうとして怒られた。

アヤメさんがさっさと乗り込んで手招きをしていた。

仕方なく後部座席に潜り込むと後ろから竹腰さんが押し込んで出口を塞ぐように座ったのだった。


「ほら、鉄臣さん、普通に座っていいよ」

「え、いや、触っちゃうから」

「仕方ないよ。クルマが小さくてごめんね」

「それはいいんだけど。どうして今日もお二人が同乗しているんでしょうか?」


「かな坊、狭いよ」

「ああ、すみません」

「こっちに寄ってもいいよ」


「い、いやそれはまずいよ」

「えー、どうして」

「俺が近寄りすぎるって、まずいでしょ」

「何が?」

「竹腰さんは婚約前なんだし、俺がそれを白紙にした張本人なんだよ」

「い、いいじゃない。竹腰がそんなに器は小さいと思ってるの?」

「そんなことはないけど・・・」

「もう、だったら、こっち来なさい、よ!」

鉄臣君、不意に左腕をガッチリつかまれ竹腰さんにもたれかかるように倒れこんでしまった。

「まあ、いきなりなんて、大胆。ねえ、お曾祖母様」

「アハハ、かな坊、真綾が魅力的でもハメ外すんじゃないよ」

「そんなじゃ、ありませーん」

(やばい、竹腰さんのいい匂いがやばい)


 = = = = =


電車でここまで来ちゃったけど。

メール打ったら返事くれるかな。

も、もし誰かとデートとかだったら、立ち直れないかも。

うんうん、大丈夫、まだそんな素振りはないもんね。


あーん、でもでもメール読んですぐ返事くれないかもしれないし、電話の方がいいのかな。

電話! そ、そんな自分でハードルあげてどうするの!


 = = = = =


鉄臣君、また寮の前まで送ってきてもらってしまった。

憔悴したようにも見える。


先に降りた竹腰さんに短い会話の後でバシバシ背中を叩かれていた。


「クフフ。じゃあ、鉄臣さん、また明日ね」

「はい、よろしくお願いします」


「迎えに来ようか?」

「すみません、すみません。許してください」

「もう、他人行儀なんだから。お曾祖母様が怒っちゃうわよ」

「いえいえ、送り迎えは、ほんと、迷、恐れ多いので」


「まあ、今日のところはね。じゃあね」

「かな坊、明日4人だからね」

「はい、承知しました」


 = = = = =


鉄臣君、竹腰さんのクルマを見送る。

ふと視野の片隅、学園の方に人影が見えたような気がしたので、何気なく顔を向けた。

(あれって、桃園さん?夏休みになんだろう?)


鉄臣君の携帯がメールの着信音を奏でる。

「桃園さんだ」


鉄臣君、メールを確認する。

<竹腰さんのバイト楽しそうですね。クルマで送ってもらったりしているんですね>


鉄臣君、既視感に襲われた。

いかがでしたか。


これから少しばかり、いやなすれ違いが始まります。


次話をお待ちください。

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