部活動 1-3.1
<喪部花見会>も事故もなく終わりました。
帰ってからは「反省会」ですが、
いったい何が起きるのか?
鉄臣君は生き残れるか。
始まりです。
「じゃあ、ここで解散です。みなさん、気を付けて帰ってください」
「「「「お疲れさまでしたー」」」」
「楽しかったねー」
「久々に先輩と会えたよー」
「俺、今日から頑張るわ」
エリートたちが帰っていく。
それを見送る生徒会
生徒会の6人を残して誰もいなくなった。
「じゃあ、お部屋に行きましょうか」
「さあ、三石君行こうか」
「ちょっと、待ってくださいよ、なんでボ俺の部屋なんですか!」
「バスの中で説明しただろう。学校にバスが着く。そこから一番近いのが君の部屋だ」
「だからって、狭い俺の部屋に6人は無理ですって」
「寮の間取りは知っているわ。1年生の時に入っていたから。6人は許容できるはずよ」
「えっ?・・・・・・いやいやいや、入れるだけでボクが玄関に座ることになりますよ」
「玄関には僕が座るから大丈夫だよ、ハハハ」
「そういう問題じゃなくて、わざわざ狭いところじゃなくていいでしょ」
「三石君、何かやましいことでもあるのかしら?」
「・・・!ありますよ、大ありです」
「ふーん、何かしら?」
「言えないことです!」
「仕方ないわね」
「ですよねー」
「家宅捜査を先に行います」
「ええええええええええーーーーーーーーーーーー!!!」
鉄臣君、人生最高の危機を迎えた。
部屋に4人のも美女がいる。
呆然とたちつくす前で床に座った書記長がスマホをいじっていた。
喪部花見会の部活動記録をまとめているようだった。
その横に寄り添うように会計長がいる。
鉄臣君、目の前のカップルは手を重ねて座っているよ。
ほほえましいね。
後の3人は部屋を物色していた。
勉強机の下にもぐりこみ、ベッド周りを探り、クローゼットを確認する。
鉄臣君、HPをゴリゴリ削られてます。
一通り捜索されたが何も出てこなかったことに。
「ヒソヒソ」
「ヒソヒソ」
「ヒソヒソ」
3人がチラリと鉄臣君を見る。
「ヒソヒソ」
「ヒソヒソ」
「じゃあ、これでいいわね」
(何々?何がいいの?)
ヒソヒソ話の端々に「ショート」「テール」「ボブ」と聞こえていた。
(うー、この状況はつれー。見られてるよ、絶対)
「はーー」鉄臣君、魂の出そうなため息を吐いた。
結局、反省会は学園内の食堂に場所を移した。
久遠寺さんの一声「鉄臣君が床に座ると【ロング】の私が椅子に座ることになるから」
と訳の分からない理由だった。
「わたし玄関側でもよかったのに・・・」と桃園さんはぽしょぽしょとつぶやいた。
家宅捜査仲間の結束はすでに無かった。
反省会は書記長の議事録の内容確認で3分で終わった。
喪部部長を兼任できるほど有能キャラでリア充だ。
そのまま6人で夕食を取ることにした。
学園の食堂は、職員も利用するためか6時~26時まで利用できる。
5人は看板メニューのウイークエンドサパーを頼んだ。
鉄臣君、自前の炊き込みご飯と日替わりおかずの鶏のてんぷらにした。
ここでまた悲劇が彼を襲った。みるみるうちに炊き込みご飯は減っていく。
美味しい美味しいの声を聴いた食堂のおばちゃんたちまでが鉄臣君の炊き込みご飯の味見をする。
「ボクのご飯」
鉄臣君、力なくつぶやいた。
人の目を気にする小心者かもしれない。
彼が炊き込みご飯を口にできたのは、朝の味見の一口だけだった。
鉄臣君、がっくりを落ち込む。がんばれ、まだまだ苦難は続くぞ!
テーブルにウイークエンドサパーは5食とスペシャルサパー大盛が運ばれてきた。
「炊き込みご飯ありがとね、コレ、わたしらからのおごり」
「おば、おねえさん、ありがとうございます」
「やだよー、この子。また作って来てくれたらおごったげるからね」
炊き込みご飯は好評だったみたいだ。
鉄臣君、料理を褒められてうれしかった。
食事を終えるとそのまま解散になった。
堀田さんと桃園さんは迎えのクルマが来た。
弥刀さんは遠慮しながらも堀田さんのクルマに乗った。
久遠寺さんは学園職員の女子寮に宿泊用の部屋を確保していた。
鉄臣君と久遠寺さんは、バスで一停留所離れたところのマンションまで楠木さんを送っていくことにした。
いかがでしたか?
炊き込みご飯、うまくできたら美味しいですよね。
鉄臣君、とうとう食べることができませんでした。
こんな具合に喪部活動は続きます。
こういう学生生活ってどうなんでしょうかね?
かいてるお前がいうなって、ツッコミは真正面から受け止めます。
感想などをいただけましたら幸いです。
またちょっとしたら、更新です。