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部活動 5-1.1

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


夏休み編とでも言いましょうか。

まだ、あらすじしか決まっていません。


ではでは~


期末試験の勉強会も佳境を迎えた生徒会室の奥の部屋。


「さあ、期末試験も目の前だね」

「そうですね。今回も頑張ったんで、少し結果に希望が出てきました」

「先輩、夏休みはどうするんですか?」

「橘さん、俺の夏休みはバイトだよ。稼いでおかないといつまでもカツカツだから」

「そうなんですか」

鉄臣君、かわいい後輩が心底落ち込んでいくのを見ると悪いことをした気になった。


「まあ、生徒会とかで遊びに行くんだったら、日帰りなら参加できるかもね」


ガタタッ


「お、生徒会室で大きな音がしませんでしたか?」

「ボク、見てきます」

「あ、橘さん」

「三石君、橘君に見て来てもらおう」

「はあ。そうですね」

「じゃあ、見てきまーす」


しばらくすると橘ひよりが戻ってきた。

「せんぱーい、会長の机を動かしたそうです」

鉄臣君、橘ひよりの報告で納得した。

「でも、動かすならボクに言ってくれたらいいのに。アレ結構、重いんじゃ」

「みんなで動かすとすぐ動くそうです」

「さ、さあ。じゃあ、三石君はバイト見つかったのかい?」

「試験が終わってからです。まだ、探していません」

「先輩、先輩。ボクんちで家庭教師はどうですか?」


ガッタタター


「お、おい、おい。・・・堀田さん、今の音は、絶対ヤバいですよね」

「そ、そうかな。何かあったら、要が呼びに来ると思うし。心配なら、橘君、また頼むよ」

「はーい」



橘ひよりが戻ってきた。

「先輩、窓から蜂が入ってきて、出て行ったそうです」

「そ、そうか。あっちの部屋も大変だね」

俯いて肩を震わせながら堀田さんが言った。



「じゃあ、三石君、喪部の夏の部活動は何がいいかな」

「そうですね。俺が参加できる程度の金額なら、一回は一泊で海。もう一つは花火を見るのってどうですか?」


「いいねぇ。海と花火か。・・・実に夏らしい。みんな喜ぶよ。じゃあ、戻って勉強会の続きをしようか?」

「「はーい」」


 = = = = =


期末試験が無事終わった。


鉄臣君、教室を出て生徒会室を目指す。


相変わらず英語が苦手。

映画なら、字幕なしで何となく言っていることがわかるが、話せない。

文章は単語がかろうじてわかるが、文法がダメだった。


「はあ、母国語にしてるなら、子供でも解るのに」

鉄臣君、情けない自分にため息をつく。


廊下を歩いていると後ろから元気な声がする。

「せんぱーい。バイト、バイト、ボクの家庭教師、家庭教師!」

ぎょっとして振り向くとそのまんまの橘ひより。

もうひとり美少女 丸美音奈が少し後ろを歩いていた。


おそらく、並んで歩いていて、橘さんが走り出してこうなったんだろう。

(また丸美さんに怒られるよ。彼女、何かあるとすぐに怒るから苦手なんだよなぁ)


鉄臣君、丸美音奈が追いつくまでその場で待っていた。

その間、駆け寄ってきていた橘ひよりがジャレつくのだった。


 = = = = =


丸美音奈の反応は予想外だった。

「先輩、・・・わたし、古・・・典苦手・・・だから、教えてください」

決死の覚悟で一言一言話しているように見える彼女。

鉄臣君、何かほほえましく思った。

かわいい後輩たちのお願いを聞くことにした。

「俺でよかったら。・・・初めてだね、丸美さんから頼まれるのって」


「ヒソヒソ」

「ヒソヒソ」

「ヒソヒソ」

「ヒソヒソ」


その場に居合わせた生徒たちが一斉にひそひそ話を始めたことは、3人は知らなかった。


 = = = = =


鉄臣君、後輩ふたりと生徒会室に入室した刹那。

「来たわね。三石被告の裁判を行います!」

「えろいし君、えろいし君、エロエロいし君」

「三石クン、わたしも混ざっていいかな?」

「「抜け駆けはナシ!」」

怒号に近い言葉が轟く。


「あのー、どうしたんですか?」


「まあ、白々しい。みなさん、お聞きになりました?」

「もう信じられませんわぁ」

「何人が毒牙にかかったか、想像すると寒気がしますわ」

小芝居を始める3人。


「先輩!嘘ですよね!」

「え、何?」

「今、水平ちゃんねるで大炎上です」

涙目の橘ひより。

「何が?」

「この期に及んでとぼけないでよ!」

睨みつける丸美音奈。

後輩たちからも急に責め立てられる。


「だから、何?」


「「「「「ついさっき、後輩ふたりに初めてを頼まれたって、相手は誰よ!」」」」」

「誰の話?」

鉄臣君、何のことやらわからずその場の全員から責められていた。


 = = = = =


「もう、さっきふたりともいたのにぃー」

「「ごめんなさい」」

「ボクたちの前に誰かに会ってたと思っちゃいました」

「わたしは、その・・・」

後輩との会話が誤解されたことが判り、誤解が解けた。


「でも、なんで、みんな怒ってたの?」

もし見えたら、かなり大きめの疑問符が鉄臣君の頭の上にあった。

いかがでしたか?


波乱の二ヶ月の予定です。


次話をお待ちください。

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