部活動 部費戦争 勃発
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
本編から少し離れます。
部費の増額を申請してサバゲ部が挑戦してきます。
ではでは~
「会長、今年もやりますか?」
「堀田さんはどう思いますか?」
「わたしは、してもいいと思うよ」
「だけど、要。余計な仕事じゃないか?」
「そうだけど、楽しいじゃない」
「三石君はどう思う?」
「そうね、三石くんの意見が聞きたいわ」
「い、いきなり、堀田さんも久遠寺さんも何の話ですか?」
「この時期になると部費の追加が陳情されてくるのよ」
「へー、そんなのがあるんですね」
鉄臣君、部活をしていないから知らないのだと思った。
「わたし、知らなかったですぅ」
「わたしも」
桃園さんと楠木さんも知らなかった。
「で、三石くんはどう思う?」
「一度決まったのなら、それで頑張ってもらうしかないと思います」
「そうよね。でも、引き下がらないのよ」
「まあ、そういう気持ちは、わかります」
「あら、手のひらを返した」
「いえいえ、立場の違いですよ」
鉄臣君、久遠寺さんの突っ込みに反応する。
「いつもどうしているんですか?」
「どうしてると思う?
「何かで勝負とか?」
「あら、どうしてわかったの?」
「喪部の執行部。生徒会ですから、推測しました」
「今回は、サバゲ部の申請ですが、サバイバルゲームで勝負します」
久遠寺さんが拳を天に突き上げ宣言した。
= = = = =
水平学園の裏にある雑木林の中。
『何、この状況?』
サバゲ部員が戦死者ゾーンでつぶやいた
生徒会側が6人。
サバゲ部は12人。
ルールは殲滅戦だった。
弾は両チーム同数、銃のレギュレーションはお互い同意した市販品を使用する。
サバゲ部は喜んだ。
生徒会だとしても実戦はしないだろうから、装備が充実しているこっちが断然有利。
追いつめて各個撃破で勝負がつくと考えた。
作戦通り無線で連絡を取りながら、ターゲットを追いつめていたつもりだったが、違っていた。
追いつめたと思ったら、後ろから撃たれる。
装備に当たって、乾いた音が鳴る。
気のせいじゃなく着弾している。
後ろを見ると誰もいないかった。
生き残りが後ろを警戒すると追いつめていた側から連射され、全滅した。
こんなことが2回あり、戦死者はサバゲ部の8人、生徒会は楠木さん。
楠木さんは、目の前に蜘蛛がいて、思わず立ち上がった時に撃たれたのだった。
『ふにゃー、悔しいよー』
生徒会では、絶対見せない姿があった。
サバゲ部残り4人、生徒会5人。
弾は同数だが、配分は決めていない。
単純計算で生徒会はサバゲ部の2倍の弾を保有している可能性がある。
おまけに銃撃戦がほとんど発生していないので、残弾数はサバゲ部が圧倒的に不利になっている。
「後ろを警戒しつつ、追いつめる」
「「「了解」」」
無線でお互いの位置を確かめながら、ターゲットを追いつめる。
パラララララ。
軽い発射音とともにBB弾が撒かれてきた。
「1時の方向。木の向こう」
サバゲ部の一人が、木の隠れている敵を発見した。
「伏せろ」
サバゲ部が草むらに伏せると発射音は止まった。
「ゆっくり匍匐前進」
「「「了解」」」
時々発射音が鳴り、茂った雑草に当たる音がする。
天然の防弾草、サバイバルゲームならではの重装甲だ。
時間をかけて追いつめる。
一斉に十字砲火を浴びせれば、≪勝てる≫。
そう思った瞬間、誰かが立ち上がった。
(バ、バカ!撃たれるぞ)
誰が立ち上がった?
確認できたときには、生き残っていたサバゲ部員が匍匐前進のまま縫われるように撃たれていた。
ほぼ真横に立っていたのは、焦げ茶のカーゴパンツにベージュの作業着を着た大男に見えた。
(こいつは、生徒会の雑用係)
鉄臣君、M16A1アサルトライフル2丁を拳銃のように持ち、仁王立ちでマガジンの全弾を撃ち尽くしていた。
生徒会の勝利。
いかがでしたか?
ちょっとチートっぽいかもしれませんが、
理由があります。
あと2話ほどに続きます。
次話をお待ちください。




