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部活動 4-2.2

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


堀田家動乱編(仮)ももうすぐ終了です。


ではでは~

「こんにちわー。鉄臣さん、いるー?」


鉄臣君、聞き覚えのある声に反応はしたが、誰だったか思いつかない。


人間という生き物は想定外の状況では、記憶の収まった場所から呼び起こす作業が停止することが多々ある。

例えば、ちょくちょく利用するファーストフードの店員さんを本屋で私服姿で見かけたとき、顔を見て知ってる人だと認識できても、どこの人だったかが、なかなかわからなかったりするような。


鉄臣君、声のする入り口を見ると見紛うことなき美少女がいた。

「あれ?会長。・・・お疲れさまです」

「わたしじゃ、がっかりだったかしら?」

「いえいえ、そんなんじゃないです。なんか聞いたような声に呼ばれた気がして」

「ふーん。その声は、どんな声だったの?」

「えーっと、聞き覚えはあるんですが、誰だったか思い出せなくて」


「ひっどーい。鉄臣さん、わたしの人生を弄そんでいながら、思い出せないなんてぇ」

久遠寺さんの後ろから、勢いよく生徒会室に入ってきた少女。

床に倒れこみヨヨヨと泣く真似をして見せる。


「え、え、え?誰?」

鉄臣君、顔が見えなかったこともあり、誰なのかわからない。


「三石くん、あなた、ちょっとひどいんじゃない?」

「そうですぅ。忘れるなんて信じられないですぅ」

「三石クン、わたしも今の言葉は、ちょっと引く」

鋭く責める会長副会長。


「先輩、昔の彼女さんですか?モテて男らしいです」

「ちょ、橘、女の子の人生を弄ぶなんて最低よ!」

「先輩は、何か事情があって別れたに決まってるから。今、ここではっきりしてくれるから」

「た、橘、そ、そんなの、わからないじゃない。ちょっとモテるから、いろんなところに彼女がいるかもしれないじゃない」

「先輩は優しいから。ボクは信じてるもん」

「あ、あたしだって、信じていない、わけじゃない、ゎ、ょ』

なぜか、先輩を信じて収まる後輩ふたり。


「あらあら、三石君も隅に置けないわね」

「要、今は良くないよ」

「そ、そうね。つい、元通りみたいに思えちゃった」

バツの悪そうなリア充カップル(保留)


「ぷ、ぷ、アハハハ。おもしろーい。鉄臣さんってば、わたしよ、わたし。真綾です。竹腰真綾」

「竹腰さん。どうして、ここに?」

「えー、転校してきたんですけどぉ。結構、教室の外がにぎやかだったから、知ってるかと思ったのにぃ」

「いや、ゴメン。全然、知らなかった。てか、噂の美人転校生って、竹腰さんだったの?」

「・・・わたしじゃ、意外なの?」

鉄臣君、竹腰さんが落ち込むのがわかったので慌ててフォローする。

「意外じゃないよ。美人って点では、納得だから。会った時からそう思ってるから」

「「「「「じー」」」」」

「はっ!」

鉄臣君、視線のただならぬ【圧力】を実感した。


「・・・お曾祖母様に報告する」

「えー、ちょ、ちょっと待って。ボク、スマホじゃないから、メール貰えないとわかんないんだよ」

「みんな、見に来てたけど?」

「それは、その。あー、もう、縁がないと思ってるから! 美人が転校してきたって噂でも、その興味があんまり、・・・竹腰さん?」

「興味、ないんだ」

「そりゃ、見たい気持ちはあるよ。でも、それってなんていうか「グラビア」そー、それって、見るだけで・・・」

鉄臣君、竹腰さんに人格を気にしていないような話に誘導されていった。

「ふーん、うわべだけで女を見るような人が、わたしから未来の旦那様を奪ったのね」

「ヒィーーーーーーーー」

鉄臣君、思わぬ口撃にHPをゴリゴリされる。


「正輝君、真綾ちゃん本気かな?」

「うー、僕には、アヤメさんの真意がまだわからないよ」

「でも、なんか楽しそうね」

「ああ、気まずさがなくなったからじゃないかな」



「だから、ボクはうわべだけで見ないように頑張って」

「じゃあ、この中で一番の子は誰だと思うのよ」

鉄臣君、竹腰さんの説得中に久遠寺さんから指摘が入る。

「会長ー、なんで会長まで」

「生徒会のことだからよ」

「うー、うー。 あっ、・・・ふっ」

鉄臣君、少し唸った後で閃いた。最近、慣らされたおかげで危機脱出が早くなってきたかも。


「何よ。悪い顔をして」

「悪い顔は生まれつきです」

『嘘つき』

「何か言いました?」

「別に。で、一番は誰なのよ」

「それは、安定して竹腰さんです」


「「「「「「え゛!」」」」」」


「ちょ、ちょっと、鉄臣さん、ど、どうしてわたしなの?まだお互い(・・・)よく知らないのに」

「そ、そうよ。真綾さん()困るじゃない」

「えろいし君、えろいし君、えろいし君」

『鉄臣クン、これ以上、増やさないで』

「先輩、ボクじゃダメなんですか?」

「そ、そうよ。後輩だからって、気持ちじゃ負けてないわよ」


「丸美さん。何の勝ち負け?」

「プシュー」

鉄臣君、丸美音奈の負けてない発言だけに反応した。

その反応に後輩は、沸騰することになった。


 = =  = = =


「鉄臣さん、はい、お弁当」

「え、何?」

鉄臣君、竹腰さんから小さい弁当箱が差し出され戸惑う。


「ほらぁ、わたしは正輝さんに惚れさせないとダメだから」

「で、なんで俺に弁当なの?」

「だって、まだお料理に自信ないから、味見役がいるのよ」

「え、そういうものなの?堀田さん?」

鉄臣君、素朴な疑問を堀田さんに投げる。


「家それぞれかな」

堀田さんの返事に切れがない。


「じゃあ、味見役を。・・・」

鉄臣君、やっぱり箸が動かない。

「もう、仕方ないなぁ。はい、あーん」

彼女なしの夢、伝説の【あーん】が炸裂、爆誕の瞬間だった。


鉄臣君、ビクともしない超合金の防壁。

まったく動かない。

「どうしたの?」

「毒とか入ってない?」

「ぷ、アハハハ。鉄臣さん、サイコー。ヒィー、ヒィー、おなか痛いー」


 = = = = =


この日、昼休み残り15分の時点で3人分相当+弁当(小)を食べることが決定した生徒がいた。

いかがでしたか?


竹腰さんレギュラー入りです。

曾祖母様のアヤメさんも絡んでいきますのでお楽しみに。


次話をお待ちください。

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