部活動 4-1.6
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
鉄臣君、まだ開放されません。
ではでは~
大波乱の婚約発表は、堀田、竹腰主催の懇親会で幕を閉じた。
よほど楽しかったのか、何回も復活した竹腰家のゴットマザー。
鉄臣君、そこから逃れることができず、数人分の料理を食べることになった。
「鉄臣、自分を磨け!」
ゴットマザーから、ようやく解放された。
= = = = =
「三石さん、今日は、ありがとうかな?」
「ボクは、お礼を言われることはしてませんよ」
「ククク、そんなこと言ってたら、またお曾祖母様に捕まっちゃうよ」
「え?なんで。マジで?うそでしょ」
「だって、お曾祖母様に誰も近寄れなかったでしょ。お母さんだけなの」
「どうして?」
「うーん、お曾祖父様とふたりで、途中からひとりで竹腰を支えてきたからね。みんな頭が上がらないの」
「それって、なんか寂しいかも」
「三石さんならそういうと思った。お曾祖母様に気に入られたしね」
「えー、情けない情けないって、ずっとお説教だったんだけど」
「ククク、お祖父ちゃんが今でも言われてるから大丈夫だよ。経団連の顧問なのにね」
(経団連!?)
鉄臣君、自分のやっちまったことを改めて思い知ることになった。
= = = = =
生徒会メンバーはロビーで帰りの足をどうするか相談していた。
「みんな、帰りはどうする?クルマを用意してもらうけど」
「正輝君、今日は、電車で帰る。おじ様たちに悪いことしちゃったから、さすがにね」
「ほのかちゃんは、お迎えが来るのよね?」
「うん、みんなこっちのクルマ使ってくれていいよぉ」
「じゃあ、俺はここで。また明日」
「え?みついし君どうして?」
「そのクルマ、6人乗り?」
「もう、仕方ないわね。鉄臣はこういう時の判断が早いんだから」
「紫苑さん?」
「ほのかさん、わたしと鉄臣くんは、学園寮だから一緒に帰るわ」
「だったら、わたしもどっちかというと寮に近いし」
「あーん、じゃあ、お迎えは弥刀さんが使ってください」
「ほのかちゃん、さすがにわたしでも、それは無理よ」
「えーん、わたしだけのけ者ですぅ」
「えーっと、みんなで電車で帰りしょうか?」
苦し紛れに言った弥刀さんだったが、迷いまくり。
= = = = =
「とは言ったものの」
副会長ふたりはウエディングドレスのようなデザインだったので、電車に乗るのは痛かった。
「冷静になるとさすがに恥ずかしいわね」
スーツ姿の久遠寺さん思案していた。
「行きは、ほのかちゃんに送ってもらってたものね」
「だから、みんな桃園さんのクルマで送ってもらうといいとおも「それ以上言ったら、反省会よ」」
鉄臣君、提案をかき消される。頑張れ!今に始まったことじゃないぞ。
「じゃあ、タクシー2「全員乗れませんねぇ」台で・・・」
鉄臣君、桃園さんの瞳(ハイライト無し)に睨まれる。
「だから、みんなは、ほのかさんのクルマで送ってもらえばいいのよ。わたしは電車で帰るから」
「「紫苑さん、ずるい」」
「にゃ、わたひは、合理的な答えを「「嘘」」」
「クフフ、紫苑さん、逃げ場はないですよ」
「あのー、久遠寺さんがどうして悪者みたいな扱いなんですか?」
「「「それは!・・・」」」
「クフフ、三石君は知らないことよ」
「鉄臣君の気のせいです」
「紫苑さんが悪者なわけないですよ」
「「「やっぱり、要さんが堀田さんのクルマで送ってもらってください」」」
= = = = =
「かな坊、どうしたさね?」
「みんな、どうしたの?」
竹腰のゴッドマザー再び。
= = = = =
「かな坊、メアド交換さね」
「え゛」
「ほらほら、スマホ出しな」
「え、え?俺ガラケーなんで」
「へぇー、珍しいね。まあ、いいさね。ほら交換交換」
鉄臣君、電話帳にゴッドマザーの番号とメアドが追加された。
しばらくして、メールの着信音が鳴る。携帯の画面に見知らぬアドレスの下には<真綾です>の表示があった。
「ふぬ、竹腰さん?」
バンの後部座席に振り向くとスマホを見せる竹腰さんがいた。
鉄臣君、竹腰さんの後ろ、三列目の3人から睨まれてHPが削られ、すぐ後に3件のメール着信があった。
「ううう、どうしてこうなったの」
頭を抱えていた。
= = = = =
「クルマに分乗したくないわけだ。眼鏡のお嬢ちゃんも今日だけは、堀田さんちのクルマに乗りづらい」
何やら悪だくみをしているように見えるゴッドマザー。その気になれば、法律も曲げてしまえる人。
「誰か!今日、うちのクルマでバスみたいなのがあったろう?まだ、帰ってないかい?」
その声に竹腰家の関係者が右往左往する。
「大奥様、従業員用のバンがございますが?」
「何人乗れる?」
「運転手含めて9人でございます」
「ひぃふぅみぃ。よし、それをよこしとくれ。ウチとお嬢さん方で相乗りさね」
「お、大奥様、あれは従業員用でして。おクルマでしたら、ご用意いたします」
「いいさね。回しとくれ。うちらのクルマでみんな乗って帰りな」
「ひゑ。そんな」
「ウチだって、日ごろから労いたいと思っているんさね。これ以上待たさんでおくれよ」
いかがでしたか?
生徒会メンバーはなぜか一緒に帰りたいみたいです。
なぜですかね。
次話をお待ちください。




