部活動 4-1.4
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
鉄臣君、目的は達成しましたが、丸く収まるわけがありません。
ではでは~
「ほらほら、両家とも婚約は白紙に戻すよ」
「え、ちょ、お祖母ちゃん」
「竹腰さん、いきなりなんですか?」
「決めたんだよ。婚約は白紙。なんか文句あるかい?」
「そんな、お祖母ちゃん、みなさんの前でいきなり」
「お前、男がその程度の見栄でどうすんだい?」
「竹腰の大奥様、正輝の交際ならご心配いりませんから」
「堀田さん、ウチがそんな小物に思えるんなら、金輪際、口はきかねえよ」
= = = = =
「ちょ、ちょっと、鉄臣。あなた、何をしたの?」
「な、何って・・・なんでしょうね? すみません」
「もう。しようのない人ね」
呆れる久遠寺さんはどこかホッとして嬉しそうにも見えた。
= = = = =
「おば様、婚約は白紙って聞こえましたけど」
「そ、そうね。要ちゃん、正輝のところに行ってくれる?」
「は、はい」
= = = = =
「えーと、竹腰さん」
「はい。鉄臣さん・・・でしたよね?」
「はい、三石でいいです。あのー、おばあさんが婚約、延期したんで、いろいろ予定が狂ったらすみません」
「え?三石さん、謝ることないですよ」
「で、でも、堀田さんみたいな人との婚約をなくしちゃったし」
「ぷ、アハハハ。初対面のわたしに気を使わなくていいのに」
「そうは、いかないですよ。もしかしたら、堀田さんの未来の奥さんかもしれないのに」
「・・・、もしかしたら・・・」
「もしか?」
「何でもない」
= = = = =
「正輝君」
「要」
「残念だったね。真綾さんと婚約できなくて」
「うん、残念、残念」
「あー、そこはもっと考えて言ってよ」
「ごめん、なんて言えばいいかわからないよ」
「おじ様、複雑な表情だものね」
= = = = =
「堀田さん、これからも竹腰と付き合い頼むよ」
「それは、こちらからお願いしたいことです」
「堀田さんの息子は、いい友達に恵まれていいさね。まさか、ウチにお説教なんてね」
「私も意外でして」
「いいさね」
「お祖母ちゃん、このままだと堀田さんと竹腰の不和の噂が立ちかねません」
「お前は、堀田さんとは心で通じ合えるようにすることを考えな。この場は、ウチに任せなよ。あの若造に負けていられないからね」
= = = = =
「改めて。堀田さんの元婚約予定者の竹腰真綾です」
「竹腰さん、許してくださいよ」
「えー、わたしは何も気にしていませんよ」
「三石くん、ずいぶん仲が良さそうね」
「久遠寺さん、そんなこと言わないでくださいよ」
「ふふ、三石さん、かわいい人達に囲まれていいですね」
「ぅわふ。竹腰さん、囲まれてませんよ。みんなに失礼ですから」
「真綾さんが堀田さんの婚約者だったのね」
「元だし、婚約前ですけどね」
「真綾ちゃん、お花見に来なかったねぇ」
「うん、婚約ことがあったし、要さんと会い辛かったから」
「そのころから決まっていたんだ」
「えーと、みんな知り合いなの?」
「ええ、そうよ。彼女も喪部部員だもの」
そういえば、今日が初対面だったのよねと久遠寺さんが言葉をつづけた。
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「あー、今日は、曾孫の婚約発表に集まっておくれでありがとう。でも、悪いね。婚約は延期だ」
ざわざわ
「真綾がいい女になるまでの間だけ延期さね。なんなら、誰ぞ立候補してもいいさね」
ざわざわ
「そうだ。三石鉄臣とか名乗った若造はいるかい?」
= = = = =
「そうだ。三石鉄臣とか名乗った若造はいるかい?」
「三石さん、お曾祖母様が呼んでる」
「え、なんだろ?なんか危険な気がする。出ていっちゃいけないような」
「ぷ、そんなことないよ。お曾祖母様は、さっぱりした性格だから」
「そう? じゃあ」
鉄臣君、竹腰さんの言葉で彼女の曾祖母の呼びかけに応える。
「あのー、なんでしょうか?」
「そこにいたねぇ。ちょうど真綾もいるね」
(うわ、へんな汗が出てくるような雰囲気)
「すー、三石鉄臣、うちの真綾の婚約者に立候補しな!」
「え、ええーーーー!!!」
= = = = =
「すみません。すみません。すみません」
「何、謝ってんだい。男がみっともない」
「はい!ボクはみっともない男ですから、婚約者に立候補はできません。てか、資格がありません」
「ほほー。お前さん、真綾に恥かかせて、ただで済むと思ってるのかい?」
「済むとは思ってませんけど、それがどうして婚約者に立候補になるんでしょうか?」
「ふん。衆目に晒され、真綾を前にして立候補するとするだろ」
「はい」
「そこで拒否られたらどうだい?」
「あー、ボクはみじめに恥を晒して、社会的に抹殺されるんですね」
「よくわかってるじゃないか」
「お曾祖母様、ひっどーい」
「何言ってんだい。お前が恥かいたんだよ。これくらい余興があっても構わないさね」
「うん」
なぜか楽しそうな曾孫娘と曾祖母だった。
いかがでしたか?
なるようになりそうです。 で、話は続きます。
次話をお待ちください。




