表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/168

部活動 4-1.2

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


鉄臣君、行動に出ます。


ではでは~


「ドレスコードはクリアしてる。会場でどうする?」

いつもの制服(ガクラン)ではなく、ブリティッシュ スーツを着ていた。

父親のお下がりだが、オーダーメイドなので場に溶け込みやすそうだった。


「鉄臣、どうするつもり?」

「鉄臣クン、ほのかちゃんなら会場に入れると思う」

「えー、あおいちゃん、わたし自信ないよ」


「ちょっと待って。予想と違うから考える」


「え、鉄臣?」

対処に悩む鉄臣君の反応に戸惑う久遠寺さん。



「ちょ、ちょっとトイレ」


「あ、鉄臣くん」

「あー、いっちゃたぁ」

「鉄臣クン、どうするのかな?」


 = = = = =


竹腰真綾は、婚約予定者と離れて会場の中を挨拶して回っていた。

近い将来自分が嫁入りする先の親戚たち。

早々に好印象で溶け込むのが、母や叔母、祖母に教えられた術。


待っているのは、自分の中に何もない結婚。

結婚は惚れるより慣れろ。どこかで聞いた言葉を自分に言い聞かせ、周りの大人に愛想を振りまく。


何気なく眺めていると視野に同世代の男子を見つける。

何となくスーツを着慣れていない様子の彼。

オーダーした服のように見えるスーツは、彼の身体では違和感を感じた。

少しだけ興味が湧いた。


もう、これといって面白いこともなさそうなので、暇つぶしに違和感の彼に声をかけることにした。

婚約予定者は、嫉妬するだろうか?そんなどうでもいいことを考えながら竹腰真綾は歩み寄っていった。


 = = = = =


「意外と紛れ込めるもんだな」

鉄臣君、会場の隅を歩いて、目標の堀田さんを目指す。


不自然にならないように周りを見回すと美少女が視野に入ってきた。

気づかないふりで視線を外すして、意識され無いように歩き続ける。


ところが、そのささやかな努力は、瞬く間に水泡に帰す。


「本日は、お越しいただき、ありがとうございます。どちら様ですか?」


 = = = = =


(ぷくくく、この人悪い人じゃない、ぷ。狼狽っぷりがちょっと来ちゃう)

「わたしが<たけのこしまや>です。堀田さんの婚約者です。これから、よろしくお願いしますね」

鉄臣君、竹腰真綾の自己紹介に押され気味だった。


「お、俺は<みついしかなみ>、です。堀田さ「三石!」お、おう」

「嘘、君が三石さんなの?こんな冴えない普通の人がぁ?喪部OGOB会、注目のひとー!?」


「ご、ごめんなさい。わたしも喪部部員なの」

「あ、そうなんだ、ですか。って、君が婚約者!」

「そ、そうよ」


「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「あ、あのー、どうしたのかな?」


「堀田さん、ずるい。どうして、こんな美人ばっかり集めてるんだよ」

「・・・」

「あー、なんか、腹立ってきた」

「お、おーい」

「竹腰さん、婚約うれしい?」

「え?え、そ、その、わたしは、みんなが考えてくれたから」

「ちょ、えー、そんなんで結婚決まっちゃうの?」

「そ、そうよ。何か悪い?」

「うーん、俺は、そんなご立派な家系じゃないからなぁ」

「いいなぁ。わたしも恋とかしたかった」

「え?それダメでしょ。そんなんで結婚するなんて」

「そ、そんなこと言ったって、もう決まったことだし。それに結婚は惚れるより慣れろだよ」

「それは、相手がフリーの時だけだよ」

「え?堀田さん、フリーになったって」

「あー、こんなん、あかんやろー!!!」


 = = = = =


婚約披露会場は騒然となった。


「堀田さん!俺は、この婚約!大、大、大反対です!」

「君は誰なんだ!」

堀田さん側らしい強面の大人に叱責された。


「俺は、三石鉄臣。堀田さんの後輩です。この婚約には反対です」

「なんだね、いきなり、失礼だね、君は!」

「まあまあ、堀田さん。正輝君の後輩というなら、先輩想いのいい後輩じゃないですか。これも正輝君の人徳というものですよ」


「堀田さん、俺、こんな婚約は認めません」

「三石君、君は僕を想ってのことだろうけど、必要ないよ」

「こんな結婚でお互い幸せになれませんよ」


「君には、わからないよ」

「そうなんだ。大人の世界は君の理想じゃ、片付かないんだよ」

「おかしいですよ。好きでもない相手と結婚したって、幸せになれませんよ」

「家の繋がりが大事なこともあるんだよ。まだ、わからないかもな」

鉄臣君、二人の大人、おそらくは堀田さんと竹腰さんの父親達の話に反発する。


「三石君、ありがとう。でも、これは、堀田家の問題だから」

「じゃあ、弥刀さんはどうなるんですか!」

「要、弥刀さんはわかってくれているよ」

「そんなことあるわけないじゃないですか」

「ふたりで、決めていたことなんだよ」

「あー、そんなんで、納得できるわけないでしょ」

「いや、「嘘は聞きたくないんです!」」

「堀田さんと弥刀さんはお似合いでしたよ。もう、爆発してほしいくらいでした」

「おい、お・・・、・・・い」


「正輝・・・君、ごめん」

堀田さんの視線の先に弥刀さんが立っていた。

いかがでしたか?


弥刀さん乱入で、波乱確定です。


次話をお待ちください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ