部活動 4-1.1
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
生徒会に激震が走ります。
ではでは~
「「「「「お見合いーーーー!!!!」」」」」
「ほ、堀田さん。その、弥刀さんが、その」
「みついし君。踏み込んじゃダメなのよ」
「桃園さん、何か知っているんですか?」
「う、うん」
「桃園君、説明は僕がするよ」
= = = = =
堀田さんが説明してくれた。
堀田家の男は、昔、元服すると同時に結婚した。
跡継ぎを早く作って、家が途絶えないようにした。
それが時代が変わって、男は18歳になると婚約者が決まって社会人となると結婚するようになった。
「で、僕も婚約者と見合いするんだよ」
「ちょ、弥刀さんはどうなるんですか?」
「わたしは、何にもならないよ。正輝君に婚約者ができたら、それでお終い」
「何なんですか?それ」
「それが、最初から決まってたことなのよ」
「えーーー」
鉄臣君、弥刀さんがまるで気にしていないかのように話す姿が嘘だとすぐにわかったが、それ以上何もできなかった。
= = = = =
その夜。
桃園さんのスマホにメールが届く
<桃園さん、ちょっと話があります。時間取れませんか?>
「え、え、え。鉄臣君、何?堀田さんのお見合い話でわたしに話って?」
= = = = =
平日の昼下がり、カフェテラスで口から何かが抜け出てる美少女が放心状態だった。
「えーと、桃園さん?」
「ほのかちゃん、大丈夫?」
「桃園さん、今日は三石くんのおごりよ、じゃんじゃん注文していいわ」
「あの、持ち合わせは、あんまりないんでじゃんじゃんは無理なんです。すみません」
4人掛けの丸テーブルにどことなく気合の入った美少女が3人。
そして冴えない男子がひとり。
「試験休みにすみません」
「いいわよ。あなたのことだから、堀田さんのことでしょ」
「はい」
『なによ。期待したじゃない。【命令】だって有効なのよ』
「久遠寺さん?」
「ひ、ひとりごとよ。で?」
「堀田さんが、このまま見合いするのは、俺として放っておけません」
「桃園さん、お見合いなんだけど」
「え、え、?」
「お見合いの場所と時間」
「っふぇ?しょんな、お見合いなんてしなくてもいつでも・・・はっ!」
「桃園さん?」
「「じとー」」
ネットでは、OLやJDたちのつぶやきで同じような状況が配信されていた。
<昼下がりのカフェテラス、お見合いをきっかけに三又の清算をしようとした高校生は修羅場中>
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堀田さんのお見合いは、その週の日曜日だった。
「良い日柄ですね」
「これから、親戚ですから、今まで以上にお願いいます」
「いえいえ、こちらこそ」
「ところで、経産省のあのプロジェクト、そちらでスクリーニングされたとか」
「はい、ウチにもこなせるドメインを持っているもので」
なんとも腹の探りのような会話が交わされる。
「正輝さんは、無口なんですね」
「あ、いや、ちょっと緊張しているかな」
「そうなんですか?時々お会いしていましたけど?」
「ああ、でもこうして婚約前提だと改めて緊張するよ」
「そう、ですか。わたしは、実感なくて」
「うん、そうだね。実感はないよ」
竹腰真綾は、再会したイケメン眼鏡と並んでお茶を飲んでいた。
= = = = =
「場所がホテルで良かったー」
「みついし君、大丈夫ですかぁ」
「ごめん、桃園さん、もう後戻りできないよ」
「そんなぁ、まだ心の準備がぁ」
「後は、俺に任せて」
「鉄臣、君。優しくして・・・」
「ほのかちゃん!」
「あ、あおいちゃん、居たんだ」
「あの、桃園さん。わたしもいるんだけど?」
「えーと、みんながいるとすごく目立つんだけど」
= = = = =
「正輝君、もう会えないのかぁ」
スマホを眺めてつぶやく眼鏡美少女がひとり。
「あれ?メール、誰から?」
= = = = =
「桃園さん、今日ってお見合いだったよね?」
「うん」
「なんで結婚式みたいになってるの?」
「うーん、堀田さんの相手が決まるから、お披露目なんだと思う」
「婚約の話は、喪部メールでOGOB会に流れてるわ」
鉄臣君、久遠寺さんの一言にぎょっとする。
「やばいやばいやばい」
「鉄臣?」
いかがでしたか?
堀田さんはどうなるでしょうか?
鉄臣君、ヘタレにできるのは何でしょう。
次話をお待ちください。




