部活動 3-6.6
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
定期試験が終わりました。
ではでは~
「はいはい。みんな、ちゅーもーく」
生徒会メンバー+2に声をかける弥刀さん。
各々会話を止めて、注視すると
「じゃあ、この勝負は、三石君のカチ。紫苑さんは三石君の命令を一つ聞くこと」
その言葉に凍り付く面々。
「弥刀さん、弥刀さん。そんな大げさですよ。別に勝負とかじゃなかったし」
鉄臣君、いち早く再起動する。
「えー、せっかくのチャンスですよー。彼女に命令できちゃったりするのにぃ」
「だから、そんなのいりませんって!」
「いらないの?」
「え゛?」
鉄人君、いたずらっぽく、そして、嬉しそうに話す弥刀さんに即答を返すと
意外な答えが意外な人物から返されて再凍結する。
「ほらほら、シオンちゃんは、寂しそうですよー」
「今なら、ご褒美以上の何かもできそうですよー」
「「だめー」」
「えろいし君、えろいし君、えろえろいし君!」
「あ、あの、わたしたちも会長と同じ意見だったから、三等分って感じでいいかな?」
乱入する副会長ふたり。
「先輩!ボクも、ボクにも命令してください!」
「ちょ、橘。あなた、負けてないじゃない!お願いを聞くならわたしでしょ!」
混乱を上乗せする後輩。
「いやー、三石君ってほんと面白いね」
「この場合は、みんなの方だよ。で、正輝君、わたしへのご命令は何かな?」
「要、ご褒美と命令なのかい?」
「うん、最後だしね、ちょっと欲張ったかな?」
= = = = =
定期試験終了翌日、新聞部特報が貼りだされ、ネットに配信された。
<喪部勉強会 終了><一般生徒多数参加><恒例化の希望多数!>
<学園理事会、今後の全面協力を表明>[<命令プレイ事件発生か?生徒会敗者への仕打ち!>]
最後の記事だけ紙面に後から貼り付けてあった。
(・・・、おい)
鉄臣君、袖を引かれる感覚があった。
「三石・・・くん、おはよう。その、生徒会室でね」
声のする方向には、もじもじする久遠寺会長が立っていた。
学園内は、試験休みでクラブ活動の生徒だけだった。
「ヒソヒソ」
「ヒソヒソ」
「ヒソヒソ」
「ヒソヒソ」
「ヒソヒソ」
「ヒソヒソ」
(うー、この状況はつれー)
「じゃあ、俺、いきますね」
「う、うん。後でね」
鉄臣君、衆目に晒され、いたたまれなくなり速足で生徒会室に向かった。
その姿を見送る潤んだ眼があった。
ネットに新たな配信が追加されていた。
= = = = =
「しつれーしまーす」
「いらっしゃーい」
「おはよう、三石君」
「あれ?堀田さん、弥刀さん、試験休みなのに」
「お邪魔だったかい?」
「お姉さん、気分悪いかな」
「え?すみません」
鉄臣君、速攻で謝罪する。そして、言い訳を追加する。
「で、でも、別に仕事ってないですよね」
「まあね、でも、引退すると受験勉強とかで生徒会室に来ることもなくなるだろうからね」
「受験、大変ですもんね」
(堀田さん、テンション低い?)
「失礼します」
久遠寺さんが入ってきた。
「「「おはようございます」」」
「「しつれーしまーす」」
「「「「おはよう」」」」
後輩ふたり。
「「おはようございます」」
「「「「「「おはよう(ございます)」」」」」」
副会長ふたり。
結局、試験休みにかかわらず、生徒会は勢ぞろいとなった。
= = = = =
「ぷぷぷぷ」
「要?気分でも悪いのかい?」
「ううん。違うわ。みんな、三石君に命令されるのを楽しみにしてると思うとね」
「ああ、なるほどね」
ほかのメンバーをよそに言葉を交わすリア充カップル。
「な、み、弥刀さん?何を言っているのかしら?」
「何って、紫苑さんもあおいちゃんもほのかちゃんも音奈ちゃんまで嬉しそうに入ってきたじゃない?」
「にゃ、にゃににょ」
かみかみの久遠寺さん。
ほかの女子はうつむいて動かなかった。
「さあさあ、三石君。みんな<命令>を期待していますよー」
「変なことを言わないでくださいよ」
「あらあら、変なことを命令するの?」
弥刀さんの言葉で室温が1℃上がったように錯覚する。
= = = = =
「じゃあ」
(((((ゴクリ)))))
鉄臣君、おもむろに立ち上がると、生唾を嚥下する音が聞こえた。
「ボクへの罰ゲームキャンセル権1回分」
鉄臣君、あくまでヘタレだった。
いかがでしたか?
うやむやで終わりました。
次話をお待ちください。




