部活動 3-6.4
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
リアルタイムが追いつきそうで、ちょっと焦っています。
ではでは~
「先輩!ボクにご褒美ください!」
「えー!橘さん、それはちょっと」
「ダメなんですかー?」
「俺じゃ、ご褒美とかじゃないからさあ。罰ゲーム扱いでもおかしくないんじゃない?」
「やっぱり、先輩、怒ってるんですね」
「ちょ、俺はそこまで、器の小さい男じゃねえよ」
「じゃあ、ご褒美で証明してください」
「うーん、橘さん、それは違うよ」
「違わないです!先輩のかっこいいところ、お願いします!」
「じゃあ、俺の部屋見学でいい?」
「わーい!。先輩、泊まってもいいですよね?」
「いい、って、違う違う!なんだよ、泊まるって!ダメだよ。狭いよ」
「橘、ダメ、ダメ、ダメ、ダメ、ダメーーーーー!!」
「丸美ー、関係ないよー。これは、ボクと先輩の話なんだから」
「ぜーーーーったい、ダメ」
「なぜなのさぁ?」
『しょ、しょれは・・・』
「じゃあ、いいよね?」
「わかった。わたしも一緒に泊まる!」
「え、えー。ちょ、丸美さん?そこは、泊まるのを止めさせるところだよね?」
「いいです。橘は強情だから、一度言い出したら聞かないもん」
「聞かないもんじゃないよ」
「あらあら、音奈ちゃんまで」
「三石君は、ほんとすごいね」
「三石くん!あなた、なんて約束したのよ!」
「ちょ、会長。ボク、約束なんてしてませんよ」
「えろいし君!今度ばかりは許せません」
「桃園さん、今の会話聞いてたでしょ?」
「三石クン、わたしも泊まっていいよね?」
「楠木さーん」
鉄臣君、なし崩し的に「橘ひよりご褒美お泊り会」に合意させられた。
(お、名案。俺が部屋を出てしまえばいいんだよ。フフフ、もう捜索されようが、その場に居なけりゃどうとでもなる!)
「先輩!部屋からいなくなるのは、なしですからね」
鉄臣君、ニコニコ微笑む橘ひよりの言葉に凍り付いた。おそろしい子!
= = = = =
(クフフ、先輩と何しようかな)
(勢いで言っちゃったー。どうしよう、やっぱり新しい下着買った方がいいかな)
(もう、甘いんだから、あたしのご褒美が先なのよ)
(あおいちゃんが一歩リード。あーん、自信ないよー)
(抱っこしてくれたら、うれしいな)
「要、君まで参加しないでくれよ」
「あら、正輝君。わたしにご褒美がないのはどうしてなの?」
「判ったよ、最後の僕の気持ちを受け取ってくれるかい?」
「うふふ、楽しかったわ。最初で最後ね」
リア充カップルは、静かに微笑みを交わしていた。
= = = = =
(なんだろ?腰がガクガクして、指が震える。ヤバイ)
鉄臣君、言いしれぬ恐怖に取り込まれていた。なかなか勘が良いぞ(笑
= = = = =
定期テストが始まった。
勉強会は、そのまま続ける許可が出されていた。
学園側も学生の自主的な勉強を歓迎していた。
職員室では、教師たちが生徒たちの勉学へのさらなる意欲向上を期待し、それがある生徒の発案でもたらされたことで、その生徒の評価をさらに高めた。
ぎりぎりまで生徒たちの追い込み勉強は続いた。
そして、明日はテスト最終日。
長いようで短かかった喪部主催勉強会が終わろうとしていた。
体育の授業は、内容が変更され、講堂ではホワイトボードが置かれたまま講義が行われていた。
定期テストが終わると同時に体育館、講堂は片づけられる。
= = = = =
「あー、明日でテストも終わるー。一回、ゆっくり寝るぞー、クソー」
「先輩、じゃあ、明日泊まっていいですか?」
鉄臣君、橘ひよりの肩に手を置いて言い聞かせるように言った。
「橘さん、結果が出るまで、何もないからね」
「先輩のいじわる」
「いじわるでも何でもない」
「むー」
「今回のテスト、先生方以外に理事会も注目されているの?」
「それね、OGOB会でも話題になっているそうだよ」
生徒会長の問いに答える書記長。
「わたし、いつもよりいい点取れそうですぅ」
「わたしも」
副会長のふたりにとって、今回のテストは手ごたえ充分のようだ。
「先輩、感謝を込めて、明日お泊りしていいですよね?」
「橘、そんな急に決めないでよ。私、準備がまだ・・・」
「ちょ、丸美さん、準備じゃなくて反対してくれよ」
= = = = =
「はい、答案用紙を後ろから前に渡してください」
定期試験最終日最終科目の答案用紙が回収されていく。
これから教師たちの採点作業が本格化する。
『終わったー』
鉄臣君、拳を握りしめ、長い戦いが終わったことをかみしめていた。
そして、おもむろに立ち上がる。
「じゃあ、体育館を片付けに行きますか」
= = = = =
「あれ?みなさん、どうしたんですか?」
「あなた、ひどい言い方するのね」
腰に手を当て、不快感を表明する生徒会長。
「え?だって、ほら、片付けですよ」
「三石君、君は何か誤解してるよ。部活動だから、後片付けもするさ」
「堀田さんまで。みなさんは単純な作業じゃなくてですね」
「三石くん。もう後片付けで終わりなのよ」
久遠寺さんは呆れるようにごちた。
いかがでしたか?
定期試験は終了です。
次話をお待ちください。




