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部活動 3-4.1

リアルでは、お花見のそろそろ終わりになりそうです。


さて、後輩ふたりが加わり、鉄臣君はどうなるでしょう?


ここまでお読みいただいてありがとうございます。

受験で忙しい方々、気分転換になればと思います。


ではでは~

あくる日の放課後。


「先輩方、こんにちわー」

「やあ、橘君、丸美君。お揃いだね」

「ひよりちゃん、音奈ちゃん、こんにちわ」

「どうだい?勉強の方は」

「ボクも丸美も苦手教科がいまいちです」

「会計長を引き継ぐのに理系教科が苦手ってダメじゃない」

「それだったら、丸美だって古典が壊滅的じゃないか」

「いいのよ、大昔のことなんて」


「仲がいいわね」

「弥刀先輩!そんなんじゃ、ありませんから」

「そう?お似合いだと思うんだけど」


丸美音奈は、真っ赤な顔を隠すように俯いた。


「丸美、熱あるんじゃ?」

橘ひよりは、丸美音奈のおでこに手を当てる。


「にゃ!」

「熱はないみたいだね。テストまで頑張ろうね。ね」

橘ひよりのにっこりに丸美音奈は耳まで赤くなっていた。


 = = = = =


「堀田先輩、ほかの先輩は?」

橘ひよりが問いかける。

「ああ、みんなは三石君を捕まえに行ってるよ」

「捕まえる?」

「そうよ。三石君、わたしたちが無理やり喪部と生徒会に引き込んだから、時々渋るのよ」

「え?こ、三石先輩って渋っているんですか?」

丸美音奈は、意外そうに言った。実際、噂や自分の推測と真逆だったから。


「そうだね、僕達は彼を仲間だと思っているんだけど」

「三石君にとっては、わたしたちは異世界の住人なのよ」

「それって、すっごく失礼じゃないですか!どうして怒らないんですか?」

丸美音奈が脹れてこぼす。

「怒るなんてありえないよ。だって、三石君は僕達から見た異世界にいると言ってもおかしくないんだから」

「異世界?」

「そうよ、三石君は働いて勉強して一人暮らしなのよ。まだ親に頼っているわたしたちより自立しているのよ」

「ですけど、それは経済的な理由じゃないんですか?」

「そうね、経済的な理由よね。でも、わたしたちと同じ学校に通っているのよ」

「・・・」

「僕は、彼が後輩で生徒会で喪部でいてくれることが本当にうれしいんだよ。

万が一、将来、彼が僕を頼ってくれることがあったら、きっと無条件で最大の援助をするだろうね」

堀田さんの言葉に丸美音奈は冷や水をかける。

「堀田先輩、それって三石先輩の手じゃないんですか?」

「手かぁ。なら見事な手だね。僕は小さい時から大人に混じって堀田家を守ってきたんだ。多少見る目があると自負しているよ」

「すみません。余計なことを言いました」

「いいよ。先入観を持ったままでもいいから、彼を見てくれたら、僕の言葉の意味がわかってもらえると思う」

丸美音奈は納得はできなくても、収まるしかなかった。

三石鉄臣を知らない丸美音奈にそれ以上何かを語る経験は無かった。


 = = = = =


鉄臣君、体育館に連行されて、暗黙の指定席に座らされている。

「もう、三石くん。手間をかけさせないでよ」

「そうですぅ。往生際がわるいですぅ」

「三石クン、わたしたちを嫌い?」

「き、嫌いなわけないですよ。ボクなんかを仲間扱いってだけで恐れ多いのに」

「別に嫌いでもいいのよ。無理しないでも」

「そうですぅ。みついし君が嫌いでも気にしませんから」

「・・・、だった「却下!却下よ却下」「そうですぅ」」

「ほのかちゃんも言ったけど、どうして?そんなに嫌?」

鉄臣君、楠木さんの質問に間をおいて答える。

「正直、視線が刺さって耐えられないんです」


「視線て?」

鉄臣君、楠木さんの答えにやっぱりと返す。

「今、見回すと結構な人数と目が合うから」

鉄臣君の言葉で生徒会の面々が見渡すとほとんどの学生がこちらに注目しているのに気が付いた。

「これにボクは慣れていないので、結構きついんです」

「気がつかなかったけど予想以上にキツイものね」

「どうしてみんなこっちを見てるんでしょうぅ?」

「それは、ほのかちゃんが、かわいいからよ」

「もう、要さんいじわるぅ」


 = = = = =


「先輩、ボク、ここが解らないんです」

橘ひよりは鉄臣君に教わろうとしていた。

「橘、わたしが教えてあげるから、先輩邪魔をしてはダメよ」

(今、俺が邪魔って聞こえたような)

「丸美の教え方じゃ、ボクわかんないから」

「な、何よ!わたしより三石先輩がいいの?」

鉄臣君、丸美音奈に睨まれる。

(え、え?俺が悪いの?)

後輩に気圧されるヘタレな先輩だった。

「橘さん、友達を紹介してもらえないかな」

「あ、はい。彼女は丸美音奈です」

「僕の引継ぎをしてくれるんだ」

「喪部の会長ですか?」

「書記長の方だよ。部長は橘君かな」

「ええー、ボクなんかダメですよー。だったら、先輩の方が適任だと思います!」

「ちょ、橘さん。無理なことを言うのは無しだから。ああっと、問題、解かないとな。橘さんが丸美さんに教えてもらって、俺が補足したらいいんじゃないかと思うよ」

(俺の方が解けなさそうだしね)

「先輩!さすがです」

鉄臣君、後輩の無垢な尊敬のまなざしにも拘らず居心地が悪い。視野の隅に誰かの殺気が漂っているような気がしたからだ。


「三石【先輩】は後輩に挟まれて、いいわね。ねぇ、桃園副会長、楠木副会長?」

「はいぃ、久遠寺会長のおっしゃる通りですわぁ」

「何やら不純な感じがしませんこと?」

「三石君ってば、モテモテね」

「僕の目に狂いはなかったよ、アハハ」

「ヒィーーー」


先輩たちのやり取りを後輩ふたりは見ていた。

((この人たちと生徒会をやっていけるかな?))


「じゃあ、問題の解らないところは?」

「うーん、全部です」

「何言ってるのよ。習ったところじゃない!」

「まあまあ、丸美さん、怒らない。せっかくのかわいい顔が台無しだよ」


鉄臣君、自爆した。

セクハラ容疑で体育館で公開尋問となった。


のち、生徒会が運営する匿名掲示板に一部の学生達(文章がなぜか堅い)の鉄臣君擁護や一部の学生(性別不明)十数人から羨む書き込みがあり、鉄臣君含め生徒会側で対応を苦慮する事態に陥った。

いかがでしたか?


校内ネット掲示板が炎上する予感ですw


次話をお待ちください。

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