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部活動 1-1.4

バスで移動です。


私用でチャーターするとアットホームな盛り上がりで楽しいものです。

鉄臣君、口から何やら出していた。

魂か昭和のエクトプラズムかもしれない。


(なぜ、この席。 いじめ?)

鉄臣君、お茶くみ役ということでボックスシートの中央に座る。

しかーし、くむようなお茶は、なぁーい。

結局両サイドに副会長二人が座る。時計まわりに久遠寺、楠木、三石、桃園、弥刀の順。

堀田さんは、ほかの部員たちと会話しに車内をあちこち移動していた。

頭上にシャンデリア、座り心地はフカフカだった。

ホテルの応接間が走っているような錯覚をする。


(弥刀さん、堀田さんが浮気しないか見てるんだろうか?前の方見て動かない)

鉄臣君、動かない弥刀さんに注目する。違うぞ、よく見るんだ。

(あっ、寝てる?)

弥刀さんの首が背もたれの方にくたっと曲がった。


(あー、この席は落ち着かないよー、隣に引っ付きそうだし、引っ付いて柔らかかったらどうしよう、いい匂いするし」

鉄臣君、視線を感じた。気のせいかなっと目を向けると久遠寺さんを目が合った。

だが、それはいつもの澄んだ視線ではなく、闇がまとわりついたような凍りそうなそんな感じ。

「あのー、会長ぉ、どうしました?」

「・・・いい匂い」

「!!!//////」

鉄臣君、慌てて両側を見る。

副会長が二人とも俯いて固まっていた。

「あ、あのー」

「セクハラだと許せないわね」

「いえ、その、声に出てました?」

「とぼけるようだと、怒るわよ」

「変な意味じゃありません。素直な感想が口から出て・・しまった・・・かと・・・思います。すみません、不愉快にして」

鉄臣君俯いて涙をこらえた。

(ヤバイ、変態だと思われた。変な噂になったら、退学?いやいや、このまま虐められて、服着たまま泳がされたりするんじゃ)

「鉄臣君、あなた狡いわ」

「・・・」

鉄臣君、なぜか罵られた割にあまり気にならなかった。


「わたしは二人ほどいい匂いじゃないけど気にしていないわ」

「ヴぇ?」

鉄臣君、意外な言葉に思わず変な声で顔を上げた。そこにはさっきと違って、むくれた会長が外の景色を見ている姿があった。

「いえいえいえいえ、会長もいい匂いです。さっき、そのいい匂いで得した気分でしたから!・・・・・・・・!!!!!」

とっさに大声で叫んでしまったフォローの言葉。

しかし、その内容は状況を泥沼化させた。

運転手以外が生徒会雑用係に注目し、その視線にそれぞれの感想を乗せて送っていていた。

概ね「何?、生徒会長を口説いてるの?副会長を侍らせるような席に居て?」てな感じ。


鉄臣君、それから堀田さんが戻ってくるまでの数分間、嫌な汗が噴き出しながら息をしていなかったかもしれない。


 = = = = =


「三石君、あんまり大きな声で会長を口説いたらダメだよ、ほら、会長だって女の子なんだし」

「堀田さん、セクハラで要さんに訴えるわよ」

「正輝君、紫音さんに謝りなさい」

「すみません、ふざけすぎました」


喪部部長も当然のように女子の敵ではなかった。生徒会の女子は多方面で高スペックだ。

鉄臣君、さっきまで嫌な汗と酸素不足から解放されて、次は数ミリも動けなくなっていた。

堀田さんが戻ってくるちょっと前、望まない注目から解放されてホッとして深くもたれかかった。

両側の副会長たちがいつの間にか眠っていたのに気が付いた。

(朝、早いしね。ボクも少し寝ようかな)

鉄臣君、目を閉じるとソファーが少し動いたように感じた。ほぼ同時に両肩に何かが置かれたような感覚。

(え?なになに)

目を開けながら、左に首をひねるとピントの合わないくらい近くに何かが有るった。

あわてて右を見ると同じような黒っぽい何かが有った。

(なにこれ?考えろー考えろー。桃園さんと楠木さんが何かを置いたのか?何?え?え?何?変なものじゃないよな?)

ひとしきり考えて結論が出た瞬間固まった。

(もしかして、二人の頭!!鼻がこそばゆいのは髪の毛だから?寝てるの?寝てるよね)

鉄臣君、うっかり動いて起こしてはかわいそうだと固まった。なかなかの小心者で優しいな。


そこへ、にこにこしながらやってきた堀田さんが小芝居で謝罪をしていると、両側の二人が目を覚ました。

鉄臣君、二人が目を覚ましたとホッとしたのも束の間、二人とも相変わらず肩に頭をのせたままだった。

(え?寝てるの?)

そうして会場に着くまで生徒会人間枕として任務をはたす雑用係だった。


 = = = = =


鉄臣君、ふと窓の外を見ると郊外の幹線道路を走っていることに気が付いた。

(JRと並んで走ってる道路だよなぁ。ウチに帰る時に見てる田んぼの看板とか城みたいなラブホだな。だったら結構遠くに来てないか?)


途中で右折し、交通量が一気に減った道路をバスは走る。

前の方では、バスガイドと部員たちがカラオケで盛り上がっていた。

よく見ると生徒会カップルと会長の姿もあった。

(いつの間に?てかボクも寝てた?)

記憶が抜けてることを認識して固まった。いつカラオケが始まったか覚えていなかったから。

寝たんだね。

三人で。

一つのソファーで。

みんなが見てるのに。

(ヒーィ、誰も写真撮ってないよな。って、だいじょぶか、ボクは空気みたいなもんだからね)

鉄臣君、ひとりで慌てて、ひとりで納得していた。


不意にバスが停車する。


ドアが開くと堀田さんが外に出て行った。

すぐに戻ってきてバスは発車する。

鉄臣君、外に何があったのか気になって、いい匂いの二人を起こさないように後ろを見る。

2台の大型の黒いバンが道を封鎖していた。

(迷惑な停め方してるな、あれでバスが停まったのか)

外の様子から、どんどん郊外に移動してようだった。右は眺めが良いが左は斜面は間近にあった。

バスが減速したので前を見ると黒い高級車やネットでしか見たことの無いスポーツカー、リムジンが所狭しと並んでいるのが見えた。

そう駐車場、もうもうと砂煙が上がっているのでおそらく地面は砂利。

そこでバスは停車した。

(何ここ?)

「あれー、ねむちゃったんですねぇ、ふぁー」

「うーん、よく寝ていたみたい」

あくびを隠す桃園さんと伸びをする楠木さん。


「さあ、みんな着いたよ。喪部主催の花見会会≪バタバタバタバタバタバタバタ≫」

鉄臣君、堀田さんの声も間近に轟くヘリコプターの爆音で最後まで聞き取れなかった。

いかがでしたでしょうか?


ぼっちが得意な筆者はだいたい寝てました。


学生時代、リア充達がどうだったか全く記憶がありません。orz

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