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部活動 3-2.1

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


さあ、いよいよテスト勉強会が始まりました。

イベントではありませんが、鉄臣君、身の丈に合った女の子に

近づけるチャンスが生まれるでしょうか?


ではでは~




放課後、体育館では、シートを敷き、折り畳み机とパイプ椅子を並べる作業が行われた。


「机は向かい合わせで引っ付けて!椅子は適当に!勉強会が始まったら、自由に動かしてもらいますから。とりあえず、全部並べてください!」

鉄臣君の指示で机と椅子が並ぶ。

体育館の入り口あたりに生徒たちが集まりだした。

(ああ、急がないと)

鉄臣君、両手に机を持って、端から端まで机を運んでいた。

気が付くと後ろをトコトコと椅子を持って付いてくる女の子に気が付いた。

「僕、先輩を手伝いますから指示してください」

「あ、ありがとう」

「いえ、そんな」

「俺は「三石さんですよね。花見会で」、ああ、喪部部員なんですね」

「はい。優先的に何をすればいいですか?」

「机の配置を急ぎたいと思います」

「はい」

返事をするとその女の子は、入り口の方に走っていき、知り合いらしい生徒に声をかけていた。

20人ほど体育会系の生徒が応援に来てくれた。

「先輩、どこに運びましょうか?」

「運ぶ通路を塞がないように。だいたい等間隔でお願いします。俺が運んだ机が、まだ脚を立ててないのでそれもお願いします」

鉄臣君、女の子にそういうと一番遠い位置に机を配置していった。


ほどなく、机は並び終えて、椅子は生徒それぞれに持っていってもらった。

勉強会の始まる時間になると堀田さんの指示があったらしく喪部部員がそれぞれ分かれて机に着いていた。


「ふー、間に合ったかな」

「せんぱーい」

鉄臣君、振り返るとさっきの女子喪部部員がトコトコとやってきた。

「ありがとうございます。助かりました。さすが喪部ですね」

「えー、先輩だって、喪部部員ですよ。生徒会ですし」

「俺は、何かの間違いだよ」

「そんなことないですよ。先輩の発案でこんなに盛り上がってます」

「え、なんで知ってるの?」

「あ、しまったー。堀田先輩に口止めされてたんだ」

「堀田さんか。いいよ、別に。困ることじゃないし。手伝ってくれてありがとうございました。えーと?」

「ひより。たちばなひよりです」

上目遣いで自己紹介してきた仕草は抱きしめたくなるようなかわいいものだった。

(うーん、なんで服装は男子学生なんだろう?喪部部員だし何か理由があるんだろうけど)

鉄臣君、かわいい後輩に謎を感じつつ、生徒会室に戻ることにした。

「じゃあ、また」

先輩らしく挨拶を投げて体育館を後にする鉄臣君の後ろ姿を見送る橘ひより。

「僕も学ラン着ようかな」


 = = = = =


「体育館の準備、終わりましたー」

「お疲れさまー。大盛況みたいだね」

「流石喪部です。ところで堀田さん」

「なんだい?」

「橘さんにボ俺の発案だって言ってんですよね」

「あー、それは、まあ生徒会に入るから引き継ぎってところかな」

「え?」

「僕と要も3年生だから、そろそろ生徒会は引継ぎしないとね」

鉄臣君、残念そうな顔をした。

「三石君、君と生徒会の仕事ができて、嬉しいよ。それに喪部部長は卒業するまで続けるしね」

「堀田さん、引退はいつなんですか?」

「文化祭くらいかな?」


 = = = = =


「三石君、ひよりちゃんと会ったんだ」

「はい。体育館の作業を手伝ってくれました」

「あの子、かわいいわよね」

「はい。文字通りかわいい後輩です」

「三石君、あの子のメイド姿みたい?」

「やっぱり、そういう写真あるんですね」

「まーねー」

弥刀さんの差し出したスマホには、メイドが写っていた。


「あれ?となりって」

「要さん!何見せてるの!勉強中よ!もう早く消しなさい!鉄臣くんも忘れなさい!」

「フフフー、プリティメイド シオンちゃん」

「なんですかぁ」

「わたしにも見せてください」

「ダメダメ!もう要さん!」


「似合ってて、いいじゃないですか。集客多かったでしょ?」

「え?三石君知らないの?」

「すみません。知りません」

「去年の文化祭よ」

「はい、だと思いますが、バイトでしたから。見たのは会長のライブくらいですよ」

「そうなのねぇ。惜しかったわねぇ」

「紫苑ちゃんのハート注入はチャリティーオークションで高額落札だったのよ。その時の写真」

「もう反則ですね、アハハ」


「三石君、頼んでみたら?」

「ぜひお願いします」

「な、な」

久遠寺さんがどんどん赤くなる

「お金が貯まったらですけどね。でも、落札できるような金額は、卒業しても無理かな。残念です」

『三石君・・・』

弥刀さんは、鉄臣君ではなく久遠寺さんを見てつぶやいた。


「みついし君、今年の文化祭、メイド服見たい?着るだけだったら着るよ」

「み、三石クン、ま、間違いを起こすといけないから、わたしも着てみようかな」

「あらあら、じゃあ、今年はみんなでメイド服、執事服が良いかもね?ね、シオンちゃん」

「わ、わたしは別に。き、着るだけなら構わないわよ」

「そーーなーのー?これで大騒ぎしていたのにー」

悪い顔をしてスマホを掲げる弥刀さんだった。

「そ、それは、一人で着たからです」

「あれれー、ひよりちゃんも着ーてーまーしーたー」

弥刀さんの猛攻は容赦なかった。

久遠寺さんのHPがどんどん減っていった。


(会長って、自分でかわいげがないって言うのに、こんなにかわいいメイド姿は反則ですよって、声に出てた!」

「鉄臣・・・」

「あー、今のはセクハラじゃないですよね。その、褒めただけで、いやらしい意味は含んでませんから。その」

「ぷっ、いいわ。三石くん、許してあげるわ」


久遠寺さんのHPが回復した。

「さあ、勉強再開よ」

ふんすと鼻息が荒い久遠寺さんだった。


彼女の口元は口角が上がりそうなのを必死で抑えていた。

いかがでしたでしょうか?


新キャラ登場です。

橘ひよりの立ち位置はどうなるか?


次話をお待ちください。

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