部活動 3-1.3
次話投稿!
ここまでお読みいただいて感謝です。
学生の皆様、定期テストがあったかと思います。
テスト勉強から結果まで、全力で取り組めましたか?
ではでは~
「堀田さん、この時期って過去に何をしてたんですか?」
「そうだね。特にしていないよ。テストが近いもんな」
「テスト勉強ですよね、やっぱり。僕はバイトだしなぁ」
「きつそうだね」
「まあ、自分で選んだ道ですし、高校生で親に金を出してもらっても、返せるような仕事に就けるかどうかわかりませんから」
「三石君、僕は君と同じ生徒会であることが嬉しいよ」
「同じ・・・」
「どうかしたかい?」
「テスト勉強!そうですよ。堀田さん、勉強会をしましょうよ」
「しかし、僕達は学年が違うけど」
「いえいえ、喪部で勉強会をしましょう。先輩には、できるだけ負担をかけないようにしますけど、教えてもらったりするのって、なんか良くないですか?」
「ああ、いい考えだね。不得意科目は、一人でやってもなかなか頭に入らないからなぁ」
「でしょ」
鉄臣君、堀田さんの賛同を得て、ニマニマする。
「三石君、僕には、君が別の意図もあるように見えるんだけど」
「え゛?ソンナコトハナイデスヨ」
「言ってくれると協力できるかもしれないよ」
「ほんとですか?誰にも言わないでくださいよ」
「悪いことなのかい?」
「かっこ悪くて、恥ずかしいことです」
「そういうことなら、信用してくれると嬉しいけど」
「堀田さんは余裕があるから大丈夫でしょう」
「勉強会だったら、その、解らないところを解りそうな人に聞けるじゃないですか」
「そうだね」
「で、その、相手が女子だったり」
ガタタ!
「今、生徒会室で大きな音しましたね。だい「大丈夫だよ、何かあったら、要が言ってくるから」それもそうですね」
「で、続きは?」
「その、聞きやすいでしょ。で、教えてもらうとき、ノートとか一緒に見たりすると自然と近くなるんで、顔が近かったり、いい匂いがしたりしたら、その、親密になれないかなぁと」
「なるほど、交際のチャンスが生まれるかもしれないと」
「そうです。テスト勉強もできて一石二鳥ですよ」
「喪部部員にお目当ての人がいるのかな?」
ガタタ!
「あれ?また大きな音ですね、大丈夫かなあ。ちょっと見てきましょうか?」
「大丈夫だよ。で、狙っている人は誰だい?」
「あ、喪部部員だとボクが圏外扱いか」
「三石君、君が付き合いたいのは誰かな?」
「そうですねぇ。誰でしょうねぇ」
「ここには僕達しかいないんだから、具体的に頼むよ」
「ど、どうしたんですか?堀田さん、めちゃくちゃ知りたそうですけど?」
「これは確認しておかないと、卒業まできついんだよ」
「ええ、なんですかそれ?特定の誰かとかじゃないですよ。話をして、合いそうな人が居たらいいなぁってだけです」
「それって、誰でもいいってことなのかい?」
「そりゃ、憧れてる人はいますけど、それは対象外ですよ」
「どうしてだい?」
「意識しちゃった後から、誰かと付き合ってたとか、まったく相手にされないとかだと、後、うまくいきそうな雰囲気になってから、ふられるとかじゃ、立ち直れなくなりますよ。てか、それが現実ですから」
「そんなのは、やってみないとわからないんじゃないかな?」
「堀田さん。敗者に対しての思いやりを持ってください。とにかく、そこそこ可能性のあるチャンスが欲しいんです」
= = = = =
「僕達からの提案は、勉強会です。喪部主催で学園全体の自由参加で催したらどうでしょうか?」
「良いですね、テスト前ですし、学園側の許可はすぐとれるでしょう。ほのかさん、あおいさん、教室の使用許可を取っていただける?」
「「はい」」
「じゃあ、生徒への連絡は、僕と要で」
「俺は、勉強会の各教室を見回りますね」
「「「じー」」」
鉄臣君、会長と副会長から、疑念の視線を送られた。やばいぞ。
「なんですか?」
「勉強会で何か企んでいない?」
「た、企むって、勉強会で何ができるんですか!」
「ムキになったわね」
「怪しいですぅ」
「何か不純は気配がします」
「と、ところで、会長達の提案って何ですか?」
「え?あ、ああ。別に大したことではないわ。ねえ、あおいさん」
「ひっ、そ、そうですよ。お茶会とか、テスト前なのにのんきなことばっかりで」
「わたしたちだけだと、みついし君みたいな提案できないもん」
「あれ?俺の提案って言いましたっけ?」
「クフフ。紫苑さん、三石君は、また忘れていますよ」
「そ、そうよ。三石くん。もう、仕方がないんだからぁ」
「えー、そうですかぁ?」
「三石君、時間が惜しい。準備しようか」
「はあ。(おかしいなぁ)」
= = = = =
翌日、朝から学園内は騒がしかった。
勉強会の開催を全生徒に公示したが、教室に収まるか確認のため、参加者は事前申告してもらったところ、始業前の時点で150人を超えていた。
2教室は確保していたが、まったく足りない。急遽、場所を体育館に変更することになった。
喪部部員が体育館で一堂に会し、勉強会に参加する。学年、クラスの枠が外れ、ほぼ全生徒が参加する大イベントへと発展し、会場も講堂の追加され、
喪部部員の誰が体育館、誰が講堂にいるかも併せて連絡された。
「いやー、すごいことになったねぇ」
「喪部の影響力って、ぱねぇっすって感じです」
「三石君、悪いんだけど。放課後、体育館の机と椅子の準備をお願いできるかな。応援は頼んであるから」
「了解です。講堂の方は大丈夫ですか?」
「ああ、あっちは講義形式で行うことで頼んであるから」
「両方移動する人も出てきますね」
鉄臣君、生徒会室で弁当を食べながら、堀田さんから話を聞いていた。
「生徒の自主勉強会だから、基本自由だよ」
「部員の人気度が判っちゃいますね」
「三石君には、教室を一つ開けようか?」
「何のいじめですか!寮で勉強するのと変わんないじゃないですか。アハハ」
鉄臣君、放課後を楽しみにしているおかげで、笑う余裕さえ持っていた。
「楽しそうな会話のところ悪いんだけど、生徒会は、ここで勉強会をします」
生徒会長の冷ややかな言葉だった。
「え?」
「聞こえなかった?生徒会はここで勉強会よ」
「え、い、あの、え、えー!」
「どうかしましたかぁ」
「三石クン、わたしたちは2年生だから、大丈夫よ」
鉄臣君、桃園さんと楠木さんに逃げ道を塞がれた。
「ほ、堀田さん?」
「僕はここしばらくは要といっしょだよ」
堀田さんの言葉に無言で頷く弥刀さん。肩が震えていた。
「・・・放課後、机と椅子の準備をしておきます」
鉄臣君、がっくりと肩を落として、ボソボソと言った。
いかがでしたか?
喪部活動、テスト勉強会となりました。




