部活動 3-1.2
お読みいただいてありがとうございます。
なかなか進みません。気長にお付き合いいただけると幸いです。
ではでは~
鉄臣君、午後の授業は、船をこいでいた。
教壇の真ん前が彼の席だった。
教師たちから、彼の評判は良かった。
彼の制服は学園内唯一の黒い学ラン。
高い詰襟で丈も長いが、年長の教師たちには、懐かしい制服ということ。また、鉄臣君はきっちりと襟を留めるのが好きだったので、教師たちからの好感度が上がっていたのだった。
授業中の居眠り。本来なら、注意されて終わる程度のことだが、授業を終えた教師が職員室で相談していた。
「教頭先生、三石が居眠りをしてたんです。あいつ、体調がかなり悪いんじゃないでしょうか?」
「うーん、生徒会に入ってから、勉強と生活にかなり負担がかかっているのかも知れんね」
「どうしましょう?健康診断を受けさせましょうか?」
相談を受けた教頭、学年主任、担任が真剣に対処について考えていた。
「今のところは、生徒会から状況を上げさせるだけにしましょう」
「ですが、悪化するのは見過ごせませんよ」
「彼は、きちんと対処できるはずです。彼を信じましょう」
鉄臣君の居眠りは、職員室で要観察事項とされ、居眠りそのことは、生徒会に知られてしまった。
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鉄臣君、放課後生徒会室で久遠寺さんの前で正座していた。
「三石くん、授業中の居眠りは困ると言ったはずだけど?」
「ど、どうして知っているんですか?」
「そんなことは、あなたが知る必要はないわ。ところで、体調は大丈夫なの?」
「はぁー、特には。まあ、寝不足はずっとですし」
「やっぱり、バイト?」
「ええ、まあ。でも、おかげで食事に困りませんから」
鉄臣君、仕送りは学費だけ。そのため寮費や生活費は、バイトで賄っていた。
水平学園を志望したとき、実家から遠く離れることを反対されて、両親を説得するために約束した条件だった。
1年の時は、学校から紹介された短期バイトでやりくりしていたが、生徒会入りしてからは、金額より距離の点から、寮の清掃、食堂の手伝いなどのバイトに切り替えていた。
食堂のバイトは、普通は夜9時までだったが、収入が足りないことで、特別に11時まで許可を取っていた。
バイトの途中で、賄いが夕飯と夜食の2回あったので、食費を抑えることができた。
寝不足は、バイトの後に明け方近くまで勉強していることが主な理由だった。
= = = = =
「「「「しつれーしまーす」」」」
残りの生徒会役員たちが、入室してきた。
「あらあら、もう少し遅かった方がよかったみたいね。紫苑さん、ゴメンナサイ」
「か、要さん、あなたとは一度じっくりお話ししたほうがいいかもしれないわね」
「えー、それは困りますわ。わたし、正輝君との時間が大事ですから」
「むー」
会長の威圧も軽く受け流す会計長だった。
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生徒会の最初の活動は、堀田さんの合宿レポートの確認だった。
新聞部の記事とは違い語弊のない文章で構成されていた。
「正輝君、三石君の武勇伝が書かれていないわよ」
「え?ぶ、武勇伝って何ですか?なんか誤解を招きそうな言葉ですね」
鉄臣君、心当たりがあるだけに思わず弥刀さんに聞いてしまった。
「ウフフ。紫苑さんに襲い掛かる悪漢たちを一瞬でやっつけたんでしょ」
「ち、違いますよ。はったりで切り抜けただけですって」
「ほーん。それだけのことで、三石君に久遠寺会長閣下が柔肌を披露したの?」
「か、要さん!な、何を言い出すのよ。あ、あれは鉄臣に感謝の気持ちで」
「かーなーみーぃ?あらあら、ずいぶん親し気に名前をお呼びになるんですねぇー?」
鉄臣君、突然、両腕に刺すような痛みを感じた。
副会長ふたりがシャーペンで腕を突いていた。
「痛い、痛い。芯が制服を突き抜けてますって」
「エッチィこと思い出してるでしょぉ」
「思い出し笑いしてるー」
「べ、別にそんなこと・・・。すみません。・・・ふたりもめっちゃきれいでした。てか、生徒会って美人ばっかりだから、仕方ないでしょ!」
思わず本音を叫んでしまった。
「コホン、要。もうふざけるのは終わりよ」
「そ、そうですね。正輝君、武勇伝は、非公式にしましょうね」
「ああ、要。僕は嫉妬するよ。君まで虜になりそうだし」
「クフフ、しっかり抱きしめていてくれないと揺れちゃうかもよ」
「か、会長。ほら、今、不純宣言しましたよ!」
「三石くん、どうかしたの?」
「え、だって、ボクの時は、なんかセクハラとかで責められますから」
「で?あなたはカップルが羨ましいだけでしょ?」
「ぐむむ」
鉄臣君、ズバリ言い当てられて返す言葉がなかった。
(あーあ、美人に囲まれて、羨ましがられるけど、ボクも彼女が欲しいよ」
「三石君、心の声が聞こえてるよ」
「え゛」
鉄臣君、堀田さん言葉で固まった。
(また、やっちまったー!)
= = = = =
合宿の反省会(思い出雑談)は終わった。
「じゃあ、三石君。あっちの部屋で次の部活動について、相談に乗ってくれないか?」
「あのぉ、それって堀田さんとボクだけでいいんですか?」
「ああ、女子は女子で相談して、すり合わせをしてるんだよ」
「そうですか。解りました」
「じゃあ、僕達はあっちで打ち合わせをしてくるよ」
「ハーイ。こっちは任せてー」
堀田さんと鉄臣君が奥の部屋に入っていった。
生徒会室に残ったメンバーが会長の机の上に置かれたPC用スピーカーに耳を傾けた。
= = = = =
「さて、次の喪部活動は、何がいいと思う?」
「中間テストも近いから、何が良いですかねぇー?」
いかがでしたでしょう?
鉄臣君、身長170cm、体重54kg 痩せ気味です。
生活が厳しいので仕方ありません。
次話をお待ちください。




