部活動 閑話 連休明け
ここまでお読みいただきありがとうござます。
喪部、連休も終わりました。
これを読み飛ばしていただいても構いません。
ではでは~
連休明けの朝。
鉄臣君、あっという間の連休だったが、登校するのは久しぶりな感じがした。
= = = = =
新聞部の掲示板の前に十数人の生徒が集まっていた。
新聞部特報が貼りだされていた。
<生徒会合宿><地元企業へ表敬訪問><生徒会主催で茶会、現地進学校生徒会会長を招待。両校の交友を図る>
[<またもセクハラ事件発生か?水着美女だけが知る真実!>]
またもや最後の記事だけ紙面に後から貼り付けてあった。
鉄臣君、記事を読むなり、恐ろしくなった。
(おいおい、新聞部って何でここまで知ってるの?迫田さんって生徒会長だったの?なんで山荘の中の話まで書かれてるの?)
記事に嘘はなかった。読み方次第で誤解しそうな文面ではあったが、事実が書かれていた。
(これは絶対確認しないと)
と思ったが、
「ああ、堀田さんあたりが新聞部にネタを流してるんだ」
(そうだ、会長が絡まれた事件が書いていないもんな)
ネット配信の記事には、ある記事が追加されていた。
<会長の水着選定にあたって、関係者が一人いる>
(あー!、こっちはみんな知ってたー)
= = = = =
連休明けの2年S組の教室は、さながら連休中の活動報告会の体をなしていた。
オリエントランドに行って人が多すぎたとか、家族と海外に行ったとか。
(今年は、ボクもイベントがあったんだよ)
鉄臣君、毎年羨むばかりの自分ではないことをかみしめていた。
「ねえねえ、三石さん。生徒会の合宿ってどんなのだったの?」
「え?」
「新聞部の記事に書いてあったじゃない」
鉄臣君、クラスメイトの女子にいきなり話しかけられてキョドってしまった。
彼は、喪部に入部し、生徒会入りをしてはいるが基本的パンピーだったので、女子から話しかけられることに慣れていない。
「えーと、規則正しく生活のリズムを整えていたかな」
「へー、どんなことするの?」
「部屋の掃除して、ベッドメイキングして、食事を作って、夜は数字の組み合わせで悩んだりとか?」
「じえいたいの体験入隊みたいな?この間テレビでやってたよね」
「あ、ああ、そんなに大げさじゃなくて、どっちかというとダラけてたくらい」
鉄臣君、話が大きくなりそうだったので、ごまかし始めた。
「うっそー、生徒会でしょう。ありえないわー」
女子の声は意外に通ったので、クラスの注目を浴びた。
「どうしたの?」
「生徒会の合宿って、軍隊並みだったらしいよ」
尾ひれがついた。
「いやいや、ホント大したことはないって」
「でも喪部で生徒会だしなー。それくらいおかしくねえわな」
「なんか企業を訪問したって書いてたな」
「ああ、アレは手作りで味噌を作っているお店を見学しただけだよ」
「テレビでやってる【実は世界で有名】だったりするやつだ」
「美味しいかったけど世界で有名かどうかまでは知らないから」
「そっちかぁ、世界的にどうとかじゃなくて、喪部基準で判断するんだなぁ」
「進学校の生徒会長ってどんな人だった?」
「迫田さんは、明るいかわいい人だったよ」
「「「「「「え?」」」」」
「?、どうしたん?」
「女子なのか?」
「うん、うちも女子だよね」
「で、お茶会だったのか?」
男子が食いつき始めた。
「いやいや、野点って言って、茶道みたいにお茶を飲むやつ」
「「「和服美人!」」」
今度は羽が付いた。
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昼休みまで記事が装飾され、
生徒会合宿の内容は
軍隊並のハードな訓練の傍ら、喪部にふさわしい食品メーカー発掘を行い、
進学校の和服の似合う美人生徒会長とお茶会をした。
宿舎では非公開で生徒会長同士が水着姿を披露しあい、その結果は生徒会記録に残ってる。
それが校内ネットに流れて広まった。
= = = = =
「三石君、これはどういうことかしら?」
「会長、それはですね。クラスのみんなが面白がって、勝手に話を広げちゃって」
「そう、で、水着対決はどっちが勝ったことになっているのかしら?」
「え、ボクは知りません。なんか非公開だったそうですし」
「そんなことは聞いていないの。あなたはどっちが勝ったことになってるかと思っているか聞きたいの・・・ょ』
最後の方は聞き取れないほど小さな声だった。
「ボクの中では、会長の勝ちですよ」
「(///)そう、じゃあ、いいわ。この件は不問にしておくわ」
「はあ?あー・・・、ありがとうございます」
久遠寺会長の座った会長席は、鉄臣君の前で、一回転した。
噂というのはこわいですね。
負のベクトルが無いのが救いです。
次話からほんとに新章スタート




