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部活動 2-6.10

鉄臣君、帰ってきました。


ただではすみません。


ここまでお読みいただき感謝いたします。


ではでは~


電車に乗り、バスに乗り継ぎ、学園まで帰ってきた。


ギリギリ最終バスに間に合った。


鉄臣君、時間を理由に

「じゃあ。「さあ、反省会よ」、はい」


 = = = = =


「いい、今日は4人だから、部屋の中で、できるわね」

「あのー、今日はもう遅いので・・・」

「じゃあ、なおさら時間を無駄にできないわ」

「はい、そうですねぇ」

「行きましょう」

「あ、ちょっと・・・」


鉄臣君の部屋では、反省会が始まらず捜索が行われていた。

ベッド周辺、引き出しの奥、本棚のいろいろなところ。


鉄臣君のHPがどんどん削られていく。


 = = = = =


三人がベッドの上に集合し、鉄臣君の方をチラチラと見ながら、意見交換をしていた。

何やら結論が出たらしく、話し合いが終わった。


「じゃあ、やっぱり今日はもう遅いので、反省会は休み明けにしましょう」

「「ハーイ」」

「え?」

「何かしら?」

「あの、反省会は?」

「休み明けにしましょう。それともこんな深夜に自分の部屋に女の子を集めて何かしようというの?」

「だって、会長が、無理矢理反省会するって、乗り込んできたんじゃないですか?」

「もう深夜なのよ。判って?」

「うー」

鉄臣君、珍しく久遠寺さんに反抗の目を向ける。

「いいわ、反省会をしましょう」

そういいながら、久遠寺さんは本棚の方に歩いていき、奥に手を伸ばす。

「ちょ、ちょっと!何してるんですか?」

「何って、反省する資料を準備するんだけど、何か?」

「え、え、反省会って合宿の反省会じゃないですか!?」

「ほのかさん、あおいさん。鉄臣を押さえておいて」

「「ハーイ」」

鉄臣君、ふたりが両腕にしがみつき、動けなくなった。

(うわ、動けない、動けない。近い近い、柔らかい、いいにおい)


「フフ、鉄臣、嬉しそうね」

「しょ、しょんなこと!」

「いいわ、ふたりはキレイよね。わたし、敵わないもの」

「紫苑さん、そんなことないですよ」

「そうです。紫苑さんみたいになれたらって思っていますから」

「ううん。わたしはきっとふたりに敵わない」

意味ありげな言葉と表情にふたりは続ける言葉が見つからなかった。


「じゃあ、反省会は休み明けってことで」

鉄臣君、この場を切り抜けようと試みた。

「そうね。【合宿の反省会】は休み明けね。でもね、コレの反省会は今からよ」

「え、え、なんですか?」

久遠寺さんは一冊のエッチ本をポンと投げてよこした。

「アー、それはクラスメイトが預かってほしいと持ってきたもので」

「そうね、そういうこともあるわね」

「そうですよ。アハハ。痛ててて」

鉄臣君、両腕をほぼ同時に抓られた。


 = = = = =


鉄臣君、小一時間ほど本の一ページごとに感想を述べさせられ燃え尽きた。


「もう、男ってこんなの見て、エッチなこと考えてるんですねぇ」

「うーん、こんな恥ずかしいこと、よくできますね」

「そういう需要があるからよ。鉄臣みたいな人が買うんだもの」


「いや、だから、それは預かっているだけで」

「そうね、感想を聞いているだけで、こっちが恥ずかしくなってくるくらいよね」

「じゃあ、聞かなかったらよかったじゃないですかぁ」

「そうはいかないわ。生徒会内の秩序を正していかないといけないもの」

「秩序って、カップルがいるじゃないですか!?」

「それが?」

「秩序が乱れませんか?」

「なぜ?」

「え?それは、その、・・・そ、そう不純異性交遊です!」

「あのふたりにそれが当てはまるの?」

「え、いえ。羨ましいくらい仲良しで。・・・です」

鉄臣君、久遠寺さんに悉くやり込められる。


「鉄臣君、もしもわたしが裸だったらドキドキするぅ?」

「ほ、ほのかちゃん、何言ってるの!」

「なんかぁ、知りたいなーと思ったの。どう」

「ど、どうって。それはドキドキしますよ。水着でもドキドキしたくらいだし」

「ふーん。そうなんだぁ」

平静を装っているつもりの桃園さんだが、顔が真っ赤になり、口角が上がりそうになっていた。

それを見た楠木さん。思わず言葉が出た。

「鉄臣くん!わたしのことキレイって言ってくれたよね!」

「あ、はい。言いました。その、間近だったし」

「あー、あおいちゃんズルイー。鉄臣君、こんど近くで見て感想を言ってねぇ」

「あら、不純異性交遊の芽を摘んでおかないと、大変なことになりそうね」

「あはは、そんなことないですよ」

『『えっ』』

ふたりが小さく驚いた。

「なぜかしら?」

「前にも誰かに聞かれたような気がしますけど、ボクが交際相手になるわけないからですよ」

「ど、どうして?」

「えー、それを本人に聞くんですかぁ?」

「「「・・・」」」

「見た目が冴えない。頭も普通。金も無い。可能性はゼロでないと信じたいですけど、何もないボクじゃぁ、付き合ってもつまらないでしょうしね」


「「「・・・」」」


「えーと、その、憐れむのは止めてください、ね」


「ひとつ言っておきたいわ」

久遠寺さんはほかのふたりに目で合図を送る。

「「「あなたは、自分を知るべきよ」」」

いかがでしたか?

理不尽ですね。


次話をお待ちください。

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