部活動 2-6.9
ここまで、読んでいただき、誠にありがとうございます。
駅まで帰ってきました。
ちょっと寄り道します。
ではでは~
生徒会メンバーは駅に着いた。
Uターンラッシュもピークで、駅はごった返していた。
= = = = =
「すごい人だな」
「帰りの電車、指定席でよかったね」
「ああ、人ごみはしんどいー」
「鉄臣君、大丈夫?」
「うん、まあ行列に並ぶとかじゃないから大丈夫」
「行列ですかぁ?」
「待つのが好きじゃないから」
「え!鉄臣って、辛抱強そうなのに、行列はダメなのかしら?」
「それだけの価値が無かったらダメですよ」
「「「ふーん」」」
= = = = =
「みんな、これからの予定はあるのかしら?」
「良かったら、夕食、いや、カラオケとかどうかな?」
「そうね、合宿の締めくくりに生徒会の親睦を一層深めましょう」
「わたし、家に電話しますぅ」
「あ、わたしも」
「・・・」
「三石君、ちょうど一人無料のクーポンがあるから、強制参加だよ」
「はい」
= = = = =
カラオケは、ほぼ久遠寺さんのライブになった。
去年の文化祭には、とある事情から、喪部代表でトリを務め、その実力は動画にアップされて、時々海外含めてスカウトコメントが動画サイトに書き込まれているほどだった。
ほかのメンバーも洋楽を中心に歌詞を見ずに歌えるほどだった。
「みなさん、上手ですねぇ」
鉄臣君、感心するばかり。
「三石君、歌わないの?」
「あー、ボク、歌は苦手で、ほとんど知らないし」
「残念ねー、わたし聞きたかったのに」
「そんな上目遣いでもダメですよ。出し惜しみしているんじゃなくて、すかすかで出ないだけですから」
「鉄臣、ダメよ。何か一曲歌いなさい」
「えー、ほんとダメですって」
「あなた、これから、それが通用しなくなった時にどうやって逃げるつもり?」
「うー」
「何か一曲持つべきよ」
「はい。じゃあ【地上の星】をお願いいします」
= = = = =
「う、う、うっぐ」
「ひ、ひん」
「う、う、う」
「グスッ」
「えーん」
鉄臣君、歌い終わると彼以外は泣いていた。
「あ、あの、え?え?どうしたんですか?」
「ぐす、ご、ごめんなさい。はぁー、鉄臣、わたしが間違いだったわ。あなたが歌うのは、極力逃げた方がいいわね」
落ち着き始めた久遠寺さんが鉄臣君に答えた。
「え、え、泣くほど下手でしたか?音痴って言われたことはないんですけど」
「いえ違うわ。わたし、今はもう歌えなくなったのよ」
「?」
「いいのよ。わたしの歌がどれほど浅いものだったか、反省しているだけだから」
鉄臣君、これ以降、生徒会に関係のある行事での歌は、会長の許可制となった。
= = = = =
あまり遅くならない時間で解散になった。
「楽しかったねぇ」
「うん、また来ようね」
「正輝君、時々誘ってくれる?
「・・・ああ、たぶん、それくらいなら」
「鉄臣、わたしも女子寮に帰るから、送ってくれる」
「了解です」
「え?紫苑さん、女子寮なんですか?」
「そうよ。どうかしたの?」
「わたし、お泊りしたい!」
「わ、わたしもお泊りさせてください、お願いします」
「ど、どうしたの?ふたりとも」
「それは、あのですね」
そういうと楠木さんが久遠寺さんの耳元で何かを囁く。
桃園さんもそれに加わり、何か打ち合わせを始めた。
= = = = =
「じゃあ、堀田さんのお迎えも来たし、解散ね」
「「「「「お疲れさまでしたー」」」」」
堀田さんの迎えのクルマに弥刀さんも乗り込む。
窓が開き、ふたりが手を振っていたので、4人も手を振る。
「ああ、リア充って・・・」
鉄臣君、しみじみとつぶやく。
「じゃあ、帰りましょう」
「あ、はい。久遠寺さん。送りますね」
「いいえ、これから鉄臣君の部屋で反省会を行います」
「え?・・・ヒィーーーーー!」
読み返すと面白くありませんね。
すみません。
次話をお待ちください。




