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部活動 2-6.5

合宿も食後のイベントになります。


親知らずが痛くて、仕方がない。


ここまで、お読みいただいて感謝いたします。


鉄臣君、ペットボトルからケトルに水を注ぎ、カセットコンロに置く。

「鉄臣君、ごめんね。こんな荷物になるってわかってたら、準備しなかったのに」

「あー、いい、いい。気にしないで」

「ありがとう。・・・いつも」

「?」


 = = = = =


楠木さんがシートを敷いて、巾着から茶道具出して、野点の用意を整える。


「今日のしつらえは、この晴天、春の風かな」


ケトルのお湯が沸く。ちょうど杓を置くのにいい高さだった。


手製のキルティングの袋の中から、天目茶碗を出して手ぬぐいの上に置く。

抹茶を椀に入れ、湯を差し、お茶を点てる。

椀が置かれると久遠寺さんがシートに正座をして、お茶を嗜む。

「結構なお点前、ありがとうございます」

楠木さんがお辞儀で返す。


(わー、本格的なんだろうな。お椀くるくるするのリアルで初めて見た)


鉄臣君と迫田さんは珍しそうにちょっと離れて見ている。


久遠寺さんがお椀を持って、ベンチの堀田さんに渡す。

「この姿勢だと緊張するね」

「ごめんなさい。割っても大丈夫ですよ」

堀田さんがお椀の柄を回して見て

「これ、楠木さんの思い出のお椀じゃないの?」

「判りました?今日は思い出になる日だと思ったので」

「なるほどね」

お椀を弥刀さんに渡す。

「あおいさん、いい思い出になりそう?」

「はい、とっても」

桃園さんの番になる。

「あおいちゃん、お茶菓子欲しいぃ」

「もう、ほのかちゃんてば」


鉄臣君と迫田さんも見よう見まねでお茶をいただいた。


 = = = = =


鉄臣君、コンロとケトルが冷えたので、バッグに入れる。

「楠木さん、そのお茶碗って、高いんでしょ?堀田さんが緊張していたくらいだし」

「うーん、それほど高くはないと思うんだけど」

「え、え、どのくらい?」

「これくらいなら買えるかも」を楠木さんはパーを前に出した。

「もしかして500万?」

「ふふふ、まさか。50万くらいだよ」

「えー!!持ち歩ていいの?割れたらどうするの?」

「形あるものは、いつか壊れる。割れても直してもらうし」

「でも」

「だから、直しがあってもそれも思い出の一部になると思ってるんだ」

「楠木さんって、大人っぽいですね」

「えー、鉄臣君、同い年だよね?ひどくない?」

「ボ俺が、子供っぽいんだと思う」


「そうね。大人の鉄臣君って想像しにくいもんね」

「わー、未来永劫子供扱いされた」

「ふふふ」

楠木さんも茶道具を巾着に収めて、野点はお開き。


 = = = = =


「あおいちゃん、お茶ありがとう。わたし、のだてって初めて」

緊張が解けて、興奮気味の迫田さんが楠木さんにお礼いう。

「よかった。楽しんでもらって。機会があったら、本格的におもてなしするからね」

「えー、それはちょっと」

「え、どうして?」

「作法とか、厳しんでしょ?」

「そんなことないよ。友達どうしで気を使ってたら、おもてなしにならないもん。ほのかちゃんはおかしが一番の楽しみだし」

「あー、あおいちゃん、ひどーぃ!」

三人は、見合って笑みがこぼれる。


「じゃあ、そろそろ戻ろうか?」

「「「「「「ハーイ」」」」」」


 = = = = =


鉄臣君、久遠寺さんと並んで歩いていた。

迫田さんが楠木さんと桃園さんと並んで前を歩いている。

後ろからは、恋人つなぎののリア充ふたり。

あえて見ないように前を歩いていたのだった。


鉄臣君、久遠寺さんの手が何かをためらって宙を掴む様子には気が付かなかった。

楠木さんの巾着が心配でそちらに気が集中していて、久遠寺さんのぷくっと膨れた頬も視野に入らなかった。


それに引き換え楠木さんは、行きと同じように歩きながらガールズトーク。

行きと違うのは、後ろの鉄臣君の視線を感じていたことだった。

昨日はお風呂で綺麗だと言われて、今日は熱い視線で見られている。

彼女は悪い気がしなかった。むしろ、はしゃいでしまいそうな気持ちを抑えるのに必死だった。


足元がおろそかになった一瞬、楠木さんが躓いた。


鉄臣君、思わず楠木さんの前に飛び出した。

並んで歩いていた桃園さんの隣をすり抜けるとき、背中に回していたスポーツバッグが引っかかった。

結果的にふたりが前のめりに倒れ掛かるのを両手で抱きかかえる体勢になってしまった。


鉄臣君、美少女ふたりを抱え上げて固まった。

(女の子って軽くて柔らかい」


鉄臣君、視線を感じる先に、いつものクールな久遠寺さんはおらず、

「鉄臣君、ふたりをお持ち帰りかしら?」

「ヒィーーー」

理不尽に不機嫌な久遠寺ちゃんがいた。

鉄臣君、ふたりを下ろすとそのままへたり込み言い訳を考えていた。


後ろのカップルは、それを生暖かく見守っていた。


「鉄臣君って、力強いんだ」

迫田さんは、感心していたが、それ以上は考えないようにした。

いかがでしたでしょうか?


ラッキースケベ的イベントはありません。

つまらないですね。

すみません。わたしの学生生活がこんな感じでしたので、想像力が足りません。


次話をお待ちください。

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