部活動 2-5.12
合宿3日目が終わろうとしています。
祭りの後は寂しくもあります。
ここまでお読みいただいて感謝いたします。
ではでは~
「あ゛ー、疲れたー」
「ごめんなさい」
「誤解が解ければいいですよー」
鉄臣君、小さくなってる迫田さんに答える。
「正輝君、堀田家がこんな風に思われてたんだね」
「要ぇ。笑わないでくれよー」
「堀田さん、本当にごめんなさい。お金持ちで美少女を引き連れての宿泊だと聞いたので、てっきり」
「その【てっきり】は僕の人格が誤解を受けてる証拠なんだよね。はぁー」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「で、和田さんもそんな風に思ってるの?」
「いえいえ、おじさんは全然思ってません。わたしの思い込みです」
「はぁー、よかったー」
「そう言えば、泊まるって言ったとき、リビングで寝なさいって、言われたんだっけ」
「ああ、空き部屋、もう、ないもんな」
「ですよねー、お相手するんだったら、リビングじゃないですもんねぇ。もうバーベキューに誘われた時からパニックで、えへへ」
「じゃあ、若葉ちゃん、あのインナーそ「あーあーあー、ほのかちゃん、お願い、内緒にしてて」」
「あれ?それって、見せブラじゃなかったの?」
「あおいちゃん、何言っ・・・。ひぃーーー」
さっき鉄臣君の手を胸に押し付けたときからパーカーの前が大きく開いてレース柄のブラジャーがその存在感を主張していた。
楠木さんの指摘でようやくそのことに気が付いた。
「見ましたね、見てましたね。もう、恥かしいぃーー」
「なんか、ごめん。堂々としてたから、そういうモノかと思ってた。三石君はどうだい?」
「堀田さん、こっちに振らないでください」
「三石さんも見てましたよね!」
「ミテマセン」
「あーー。恥ずかしぃー」
悶絶寸前で床を転がる迫田さん。
「正輝君、部屋割りどうする?」
「そうだね、順当なところで僕と彼が同室ってことでいいんじゃない?」
「うーん、それで、迫田さんが三石君の部屋で寝るの?」
「何かおかしい?」
「いーえ。フフッ」
悶え転がる迫田さんは放置され、なぜか一部重苦しい空気が漂う。
その状況を楠木さんが変えた。
「はい!若葉ちゃんはわたしの使っている部屋にしてください。代わりにわたしが鉄臣君の部屋を借ります!」
ふんすふんすと鼻息が荒い楠木さん。
「ちょっと待って、あおいさん。どうして、あなたが鉄臣、くんの部屋に替わるのかしら?」
「あおいちゃん、わたしが替わってもいいよねぇ」
「ううん、わたしじゃないとダメなんだよ」
「「どうして!」」
「堀田さんと要さん、紫苑さんは朝ジョギングするよ。鉄臣君はそれくらいに起きてるし」
「それで?あおいさんじゃなくてもよくて?」
「鉄臣君の部屋だと両隣で早く起きてしまいますからね」
「じゃあさぁ、わたしの部屋だと端だから大丈夫よね」
「ほのかちゃんの部屋は廊下の音がそのまま聞こえるじゃない」
「あっ」
「だから、わたしの部屋!若葉ちゃんは安眠できるよね!」
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「若葉さん、あなたバーべキューに誘われただけなのに夜のことまで考えたの?」
「あー、それは薬で眠らされて、そのままかなって」
迫田さんの答えが腑に落ちない久遠寺さん。
「それなのによく食べたわね?」
「えーと、眠ってる間にされるんだったら、怖くないかなって。あ、でも画像をネットに流すとか脅されるといやだなぁって思ってました」
「そこまで考えて、よく参加したわね」
「はい、せめて見られて恥ずかしくない下着に着替えてましたか・・・ら。キャー!なしなし、今のウソー!」
疲れるまで悶え転がった迫田さんは楠木さんの部屋ですぐに爆睡した。
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「えーと、楠木さん。それ、俺の布団」
「いいの、いいの。運んだりするのって重いしね」
「いや、重くないけど」
「いーの!鉄臣君!」
鉄臣君、すごい迫力で威圧してくる楠木さんを前に引き下がるを得なくなってしまった。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさーい」
いつもと違う甘い声の楠木さんのおやすみの挨拶だった。
鉄臣君、弥刀さんから予備の毛布をもらってリビングのソファで寝始めた。
いろいろ有って、精神的に疲れたせいか、すぐに眠ってしまった。
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くーくーと寝息を立てる鉄臣君の傍らに人影。
「もう、こんなところで寝ちゃって、いつ入ってきても良かったのに」
頬に優しく手が当たる。
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リビングにまた人影。
「・・・、チュッ。はわわ、しちゃった、しちゃった」
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リビングにまたまた人影。
「気になって、仕方がないのわかってる?」
頬が摘ままれる。
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ある部屋では。
「すー、はー、すー、はー。眠れないかも。キャー」
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「朝になったら、何するか決めないとな。午後には出発しないといけないし、ふぁあ」
ベッドの中で思いを巡らせていた。
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翌朝、全員鉄臣君に起こされるまで、ぐっすり寝ていた。
鉄臣君、気がついたことがいくつかあった。
楠木さんはなぜか目が赤かったが、達成感のようなオーラを纏って、元気はつらつ、お肌つやつやだった。
桃園さんは寝ぼけることなく、びしっと身支度を整えてリビングに乗り込んできた。
迫田さんはパーカーのフードをかぶって、顔が真っ赤だった。
合宿四日目最終日の朝。
夜、いろいろあったみたいですが、
それぞれは、某小学生探偵の犯人のように黒づくめで誰なのかわかりません。
次話より合宿最終日。帰るまでが合宿。
迫田さんはどうなるのでしょう?
筆者にもわかりません。
次話をお待ちください。




