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部活動 2-5.1

合宿3日目


この日が一番長くなってしまいたした。


読み続けていただいている方々に感謝いたします。

くつくつと鍋の中で具が煮える。

鉄臣君、頃合いを見て味噌を溶く。

湯気に混ざって周りに味噌のいい匂い拡がる。日本人でよかったな。


「おはようござましゅ」

桃園さんが寝ぼけてダイニングにやってきた。

「おはよう、桃園さん」

「おはー、え、え、鉄臣君?どうして・・・。あーーーー」

タパタパと部屋に戻っていく。

「あー、ほのかちゃん、寝ぼけてたな」

桃園さんを後姿を見送る楠木さんだった。


「そうだね、桃園さんが髪くしゃくしゃだったもんな」

「鉄臣君はよく眠れた?」

「うーん、実は堀田さんと今日のことで打ち合わせをしてて、いつもくらいかな」

「いつもって、どのくらい寝てるの?」

「ああ、バイトが終わってご飯作って勉強してからだから4時間くらいかな」

「・・・、大事にしなきゃダメだよ」

「うん?何?」

「ううん。何でもない」

楠木さんは、心配そうに鉄臣君の目の下の隈を見ていた。


「「「ただいまー」」」

「「おかえりなさーい」」

ジョギング姿の会長とカップルが帰ってきた。

「堀田さん、朝の『両手に華ジョギング』お疲れさまです」

「三石くーん、ひどくないか」

「え?何がですか?華2輪ですよね?」

「君は自分を知るべきだよ」

「また、それですか」


クスクスと微笑む弥刀さんとムッとしている久遠寺さん、微妙な表情の楠木さん。


3人がシャワーを浴びに行くのと入れ替わりに桃園さんが戻ってきた。

「あおいちゃん、鉄臣君、ぉはよぉ」

「「おはよう」」

「あの、鉄臣君、さっき見た?」

「えっ、何?」

「ううん、いいの、いいの」

鉄臣君、うまく空気を読んだぞ、ナイスだ。

「ほのかちゃん、もうすぐ朝ごはんできるよ、ささ、座って座って」

「えー!わたしーぃ、ごめーん」

「大丈夫、大丈夫。今朝は簡単だから、気にしなくていいよ、ね、鉄臣君!」

「うー」

嬉しそうな楠木さんを見て桃園さんは唸っていた。

鉄臣君、適当に相槌を打ってはいたが、状況がいまいちわからなかった。

(桃園さんがなぜ唸ってるの?)


堀田さんがシャワーから戻ってきた。

「いい匂いだ、お腹が一気に減ってくるね」

「具は昨日の残りですけど、味噌がいいですからね。美味しいと思いますよ」

「僕は今年の連休が楽しくて仕方がないよ」

「なんですか?それ。ははは」

鉄臣君が笑っているところに久遠寺さんと弥刀さんが戻ってきた。

二人とも髪が乾かしきれていないのでタオルを巻いていた。

「面白いことでもあったのかしら?」

「わたし、もうお腹ペコペコ」

「お疲れさまです。堀田さんが今年の連休が楽しいって」

「わたしも「「「そう思います」」」」

「うおっ!ハモった?」

鉄臣君、驚いていると間髪置かずに堀田さんが

「ほら、みんな僕と同意見だよ」

「そうですね。楽しいですね」

鉄臣君、特に反発する必要もないので話を合わせる。

(毎晩トランプで惨敗して罰ゲームが無いだけマシって感じなんだけどなぁ)

「みなさん、ご飯食べましょうよ、座って座って。ご飯つぎますから」

鉄臣君に促され、食卓に着く面々。

「はい、揃いました、会長」

「じゃあ「「「「「いただきまーす」」」」」」


食事をしながら買い物の話が始まった。

「買い物どうします?バーキューの道具がありましたけど燃料無いですよ」

「薪があるはずだけど?」

「薪だと自信ないなぁ。大量に熾きが有ったら大丈夫ですけど」

「どうな風に難しい?」

「バーベキュー用のコンロが小さいんで、薪をつぎ足すと燃えるときに匂いが出るでしょう?」

「ああぁー、木の燃える匂いか」

「あれ、食べ物に付くかもしれませんよ。服にも付くし」

「それは困ったね」

「だから、できれば炭が有ればいいですけど」

「じゃあ、炭も買おうか。今日行くモールにあったはずだから」

鉄臣君、じゃあ、大丈夫ですと返事を返す。

「ところで三石君、水着も買わないか?」

「へ?泳げるんですか?この辺だと寒いでしょ」

「お風呂だよ」

「?」

「水着を着ればみんな一緒にお風呂に入れるよってこと」

「はあ、・・・?・・・・!・・・・・・もしかして、それって混浴の話とかしてますぅ?」

みんなでお風呂といえばほかに何がある?とさらっと言い放つイケメンメガネがそこにいた。



怒涛(?)の合宿三日目がもう始まっていた。

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