部活動 5-7.9
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
ビンゴ大会です。
ではでは~
「ビンゴーーー!!」
≪おおー≫
ビンゴ大会は盛り上がる。
賞品については、進行役の堀田さんが壇上から説明してくれる。
その隣で、アシスタント役で弥刀さんが番号を読み上げる。
本当にお似合いのカップルだった。
鉄臣君、竹腰さんの方を見るとおねえさんたちと盛り上がっていた。
(なんか、堀田さんのこと忘れているような気がするのって、気のせい?)
≪28番≫
鉄臣君、ゲームに引き戻される。
仕方がない。
目の前の賞品の数々が普通じゃない。
中古のノートパソコンが15台。
OBの会社で使っていたのを提供してくれたそうだ。
中古といってもSE関係の社員がこだわった機種・仕様なので買うとなると20万円近くする。
中古のタブレットが20台。
OGの会社のショールームで使っていたのを提供してくれた。
鉄臣君、ほとんど新品で勿体ないと思った。
堀田さんが言うには、ショールームの模様替えで、タブレットの色がミスマッチなのが理由だそうだ。
ビジネスというのは、苦学生が理解するには時間が掛かりそうだと感じた。
これだけでは終わらなかった。
65インチ液晶テレビ。
付き合いで買ったが、邪魔になったそうだ。
業務用冷蔵庫。
(なぜ、ビンゴゲームに出す?)
マッサージチェア<ふくらはぎ付き>
(あ、いいな。部屋に置けないけど)
ティーセット<マイセン社製>5セット
(うわ、高そう」
「あれは、ポット付きのセットだから20万くらいですぅ」
いつの間にか近くに来ていた桃園さんが教えてくれた。
「また、声に出てた?」
「うん、聞いちゃったよ。かなみ君は、うっかりさんだよね」
「うう、すみません」
鉄臣君、また失敗したと思った。
桃園さんは、ニコニコしながら、そのまま横に立っていた。
つまようじ<材質:純プラチナ99.99> 50本
(何、魔道具か何かなの?)
ビニール傘<某園遊会仕様> 100本
鉄臣君、お腹一杯になった。
賞品の量からするとほぼ全員に行き渡りそうだった。
= = = = =
鉄臣君。困った。
勝ち抜けた人が10人目くらいでリーチになった。
そして、15人目の勝ち抜け。
鉄臣君の感覚的には【OGOBを差し置いて】感が半端じゃないかった。
早々に勝ち抜けるような経験が、記憶になかった。
こんな時に限って【こんなこともあろうかと】の想定外だ。
何を選ぶか悩んだ。
早く選ばないといけない。
鉄臣君、焦れば焦るほど考えがまとまらない。
ここで【ビニール傘】だと嫌味にならないか?
そこでやってしまった。
まさかのマッサージチェアを選んでしまっていた。
途中から記憶がなかった。
気が付いたらマッサージチェアに座っている。
いや、座らされたのだろう。
鉄臣君、衆目の中、放置プレイ。
どんな顔をすればいいのか思いつかない。
困り果てた時、壇上の弥刀さんが助け舟を出してくれた。
チェアをコンセントにつないでくれたので、コースを選んで堪能することにした。
次に気が付いたら、ホールは後片付けの最中だった。
(眠った?)
「三石君、みんな羨ましがっていたよ」
堀田さんが気が付いて、声を掛けてきた。
「え、そうなんですか?」
「そりゃ、気持ちよさそうに眠ってしまったからね」
鉄臣君、堀田さんの言葉に恥ずかしさが溢れてきた。
「運び出すまで使わせてほしいって」
弥刀さんが先輩たちに頼まれたと告げる。
「え、あ、はい。皆さんで使ってください」
鉄臣君、二つ返事で了承する。
鉄臣君、堀田さんが何か合図を出したみたいに見えた。
≪ご乗船の皆様にお知らせします。三石様のご厚意により、最上階下ホールにてマッサージチェアをお使いいただけます。お役立てください≫
「ヒィーーーーーー」
鉄臣君、この後、行く先々でOGOBの大先輩たちから、控えめなお願いの言葉に恐縮してしまう。
= = = = =
お昼ちょっと前、屋台村で現役部員は、混む前に座って、ご飯を食べていた。
「堀田さーん、勘弁してくださいよぉ」
「何のことだい?」
堀田さん、肩が小刻みに震えている。
「あの放送、嫌味じゃないですか。自由に使ってもらっていいのに」
「そうはいかないさ。君の私物を使うんだから、先輩といえども、けじめは大事だよ。それにあの後だからね、皆さん一目置いてるよ」
鉄臣君、堀田さんの切り返しに顔が熱くなっていく。
(公衆の面前でおしっこ漏らしたんですよ)
「カナミは、悪く考えすぎだよ。僕は二度も助けてもらって一目置いてるさ」
そういうと顔をピンクにするユートさん。
「ボクも先輩には一目置いています」
ハイハイとばかりに挙手して発言する橘きゅん。
「ほらぁ、君は、自分を知るべきだよ」
爽やかに笑って見せる堀田さん、イケメンである。
「正輝君の笑顔って、いいね」
弥刀さんのフォローは完璧だった。
いかがでしたか?
マッサージチェア、あえてここで出しました。
学園生活の小道具になります。
次話をお待ちください。




