表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/168

部活動 2-3.1

さあ、近所にお出かけです。


高校生なので移動手段が徒歩。


まあ、くるまの通らない道をのんびり歩くのはいい感じです。


で、はじまり、はじまり。


ここまでお読みいただいた皆様方に感謝です。

まことにありがとうございます。


「三石君、君はもう少し自分を知ったほうがいいと思うよ」

「堀田さん、むしろみんなが勘違いしているんじゃないですか? 喪部はモブキャラ枠での入部ですし、生徒会は雑用係ですよ」

「君はそう思っていても花見会は大成功で君の功績なんだよ」

「あれって先輩方のおかげでしょう。庭園を貸してくださるような方とか」

鉄臣君、チラリチラリと後ろを確認しながら、歩く速度を調整している。

「フフフ。ほんと、君は」

「なんですか?」



「紫苑さん、敵はなかなか手ごわいですね」

「なぜかしら?」

「フェーズがぜんぜん合っていませんよ」

「それは最初からわかっていました。今朝のことも想定内だったわ」

「へー、そうですかー?そのわりに考えていることがチグハグでしたけどぉ」

「・・・、いっそ、生徒会も喪部も辞めようかしら」

「そんなことしたら、大変なことになりますよ」

「どうして?」

「例えば、辞めた後、うまく事が進んだとします。学園中に知れ渡りますよ」

「いいわ、公認よ」

「時々、あなたは立場を忘れるよね」

「立場って、フリーになるだけよ?」

「誰もがあなたに憧れていて、生徒会や喪部のバリヤーがなくなるのよ」

「本人の気持ちが優先されるものじゃない?」

「そこらへんの小金持ちあたりがちょっかい掛けたりしたら?」

「お金で買えないモノよ」

「紫苑さんじゃないほうには絶大な影響力があるんじゃない?」

「大丈夫よ、お金なんかじゃ動かないから」

「つり合いとか格の違いとか将来的にとか大丈夫?それを聞かされたりしたら、どちらを優先すると思うの?」

「私が頑張るわ」

「それなら、辞めないほうがいいでしょうね。喪部ましてや生徒会のコネクションは絶大よ。紫苑さんなら出資してくれる先輩も多いでしょう。わたしは期待してたりするんですよ」

「リア充の感?」

「ええ、フリーの方には備わっていない【リア充の勘】です」


 = = = = =


「あおいちゃん、大丈夫?」

「ありがとう。あとで鉄臣君にきちんと謝らないと」

桃園さんが楠さんを気遣う。

「心配しちゃったよ。あんな悲しそうな顔、はじめて見たから」

「ほのかちゃんだってぇ、紫苑さんの後ろでひどい顔だったよ」

お互い心的ショックが大きかったことが判ってしまった。


「まさか鉄臣君があおいちゃんにひどいこと言うなんて想像できなかったから混乱しちゃって」

「彼、わたしのことはなんとも思っていなくて。気づかなかった。みんなで一緒にご飯食べて、トランプして、もう友達だと思ってたら、名前を呼ばないでって。同類って思われたくないって。気が付いたら涙が止まらなくなって」


「もう大丈夫だよ。鉄臣君がわたしたちは特別とか誤解してたからなんだし。だけど、わかんないなぁ、あおいちゃんみたいな美人に親密なのが嫌とかいうなんて」

「もう。だったら、ほのかちゃんの方が彼の好きなタイプじゃない。もう胃袋つかんでるし」

落ち着くと不思議がる桃園さんに想像で答える楠木さんだった。


「あおいちゃんだって、おうちでお料理教わるって約束してましたー」

「・・・ほのかちゃん、もしかして・・・」

「はい?何?」

「ううん。何でもない」


「わたしも教わろうかなぁ」

「ほのかちゃんはもう大丈夫だよ」

「だし巻きは美味しくできません」

「鉄臣君に作ってもらえるんだし、もういいじゃない」


「じゃあ、あおいちゃんもそうすればいいじゃないぃ?」

「それじゃあ、彼に迷惑だし」

「じゃあ、わたしが教えてあげますぅ」

「えっ、あ、まあ、そうかもしれないけど」

「(はっ!)ま、まあ、わたしたちふたりで教えてあげるなら一石二鳥だよねぇ」

「そうだね、わたしもふたりから教わったほうがレパートリーが増えそうだね」

桃園さんは鉄臣君と楠木さんと一緒に料理を作ることを提案し、楠木さんは賛成した。

微妙に間ができたこと以外は不自然なところはなかった。


「楽しそうね」

「「弥刀さん」」

「せっかくだから、生徒会みんなでしましょう、そうですよね、ね、会長?」

「(!)そ、そうね。有意義だから、私も参加していいかしら?ご提案ありがとう、か、な、め、さ、ん!」

久遠寺さんがジロリと睨むと悪びれずコロコロと笑う弥刀さんだった。


 = = = = =


生徒会の面々、予定通り郷土資料館を見学している。

古民家が保存されていた。

「囲炉裏だ。いいなあ」

「三石君、似合いそうね」

「なんですか、ソレ」

「僕も同意見だな」

「リア充の貴重なご意見ありがとうございます」


「時代劇みたいだね」

「ほんと、やっぱりお茶室とかと違う」

「ほのかさんのところは、ご実家にありそうだけど」

「父の小さい時の写真で見たことはありますけどぉ、ここまで古くはなかったです」

「正輝君の離れって、信州から移築したんだよね」

「アレは、資料館を兼ねて保存展示のためだから、あんまり使っていないよ」

「あおいちゃんちのお茶室の方が昔からあったと思いますぅ」

「ウチの茶室は江戸時代に作られたって聞いていますけど」


さらりとすごい会話が飛び交う生徒会役員たちだった。

生徒会役員の家柄をちょこっとだけ出しました。


ストーリーの伏線でもありますが、たいしたことではないので

気になさらないでください。



お読みいただいて、感謝です。ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ