部活動 5-7.5
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
またまた違う角度から書きました。
ではでは~
橘きゅんと丸美さんは、不機嫌だった。
自分たちは仲間外れにされた。
いや、何歩も遅れている。
= = = = =
身支度してふたりで朝食を食べに部屋を出たところで、ユートさんの部屋から生徒会の先輩たちが寝具を持って出てきたのを見てしまった。
先輩たちが呼んでくれなかったのは、ちょっと寂しく感じた。
それはいい。
学年が違うし、まだ引き継ぎ前だから、生徒会の役員ではない。
橘きゅんは、気を取り直して、当然のように鉄臣君の部屋に突撃する。
きっと今なら寝ぼけている鉄臣君を元気づけようと張り切った。
『せんぱーぃ、ぉきてぃますかぁ』
わざと小声で部屋に入ろうとする橘きゅん。
カギはかかっていなかった。
(クフフ、せんぱーい、ボクが起こしてあげますからねぇー)
≪じゅるっ≫
はしたない橘きゅん。
『もう、橘ぁー。何する気よぉー』
すでに共犯の丸美さんが後に続く。
朝の明るさの中でふたりが見たのは、無人の部屋。
見覚えのあるデイバックが部屋の隅に置かれていただけだった。
「「え?」」
= = = = =
「おかしいなぁ」
「そうよねぇ」
橘きゅんと丸美さん鉄臣君の部屋を出て通路で不思議がっていた。
ふたりの前に疑問立ちはだかっていた。
しかし、その疑問はある意味、ふたりが目の当たりにした情景で氷解してしまった。
さっき先輩たちが出てきたユートさんのスイートルーム。
何気なくに歩いていくとユートさんが出てきた。
すぐあと鉄臣君が出てきて、ふたりは固まった。
それだけなら、まだセーフ。
ついさっき、先輩たちが部屋から出てきところを見ている。
しかし、不安が後輩ふたりに絡まっていく。
気のせいだと思いたいくらいふたりが近い。
思わず右舷デッキに出る通路に隠れて覗き見てしまった。
「なにを話しているんだろう?」
「ここからじゃ、全然聞こえないわね」
ふたりからユートさんたちまで優に20mはあった。
会話が聞こえない。
先輩ふたりは、デッキ脇の階段を上がって行く。
見失わないように速足で追いかけた。
見てしまった。
階段を上がりきったところで、ユートさんが鉄臣君に近づきキスをした。
【と見えてしまった。実際が匂いを嗅ぐマネ】
知らないうちにふたりが親密な仲になっている!
「ヒィーーーーー」
「ユートさん、おはよぉー」
桃園先輩の朝の挨拶は、後輩ふたりにとって相当暢気な声に聞こえた。
= = = = =
「ねえ、食べないの?」
「ボクいらない」
「じゃあ、わたしも」
「え?丸美は食べてもいいじゃないか」
「いやよ。橘が食べないんじゃ、なんかおいしそうじゃないもん」
フロアのすみでふたり並んで立っていた。
「丸美」
「何?」
自然体で見つめ合うふたり。
「ボクの失恋を利用しようとしてもダメだからね」
≪ポクッ≫
橘きゅん、丸美さんの速攻を顎に受けて蹲っていた。
= = = = =
「チーフ、チーフ!こちらウイッチ3」
「ウイッチ3、オクレ」
「あ、あの」
「言葉が不明瞭、オクレ」
「ふたりがキスをしました!以上」
桃園のスタッフが一斉にユートさんに注目する。
クリスさんとサフランさんだけは、警戒を怠らなかった。
= = = = =
侍女隊の最年少メイドは、突然違和感に襲われた。
料理人とすれ違っただけだった。
気が付いたのは、男性用コロンだった。
料理人がコロンを着けている。
あまり経験したことがない。
かすかに現在最も注意しなければならない臭いが混じっていた。
(硝煙!!)
踵を返し、料理人の後に着く。
下手に仕掛けて自爆されても困る。
襲い掛かる準備をして機に備える。
護衛対象に近づいていく料理人。
このままでは非常にマズい。
しかし、このまま進めば、クリスに近づく。
挟み撃ちできると思った矢先。
こともあろうの護衛対象が人質に取られた。
位置が悪かった。彼が目の前に居た。
男が手りゅう弾を突き出した。
安全ピンが抜かれている。
チーフも届かない。
対処を考えていると鉄臣君の咄嗟の行動が見えた。
危ない!
少年が無茶をするのを見て、血が凍るという感覚が判った。
鉄臣君が男の手を包み込むように握っている。
男が銃口を少年の頭に押し付けた。
(回り込んでぶん殴ってやる)
考える前に身体が動いていた。
いかがでしたか?
後輩ふたりとサフラさんでした。
次話をお待ちください。




