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部活動 5-7.3

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


いよいよ危機的状況です。


ではでは~


料理人の姿をした男が、左腕でユートさんの後ろから、抱え込んでいた。

その手には、ズングリとした銃のようなものが握られていた。


男は、右手を突き出し叫ぶ。

「モモゾノハ、デテコイ!」

鉄臣君、目の前に突き出された右手のあるものに見覚えがあった。

昨日の手りゅう弾と同じ型だった。


侍女隊のメイドたちは、腰の剣に手を掛けた。


「ウゴクナ! モモゾノ、デテコイ!」

男が叫ぶ。


鉄臣君、視線を男の左手に移す。

やはり拳銃だった。

ネット動画で見たことがあった。


その発射音は小さい。

桃園さんを狙撃する予定もあったと思えた。

クリスさんの横に居る桃園さんが判らないのは幸いだった。


(手りゅう弾だけ爆発させなかったら、どうにかなる)


鉄臣君、クリスさんに視線を移す。

クリスさんの位置は、男の左側。


(クリスさん、お願いします!)

鉄臣君、目の前の手りゅう弾を握り込む。

奪い取ろうとせず、男の手ごと両手で握り込んだ。


「フイ!」

男は、自分の手を掴んできた少年に躊躇なく銃を向ける。


鉄臣君、眉間に向けられた銃を見て、怖くなって目をつぶる。

(あの銃は両手が使えないと2発目が撃てない。クリスさんお願い)


≪ピュン≫


鉄臣君が目をつぶったちょうどその瞬間、クリスさんの日本刀が男の人差し指を斬り刎ねた。

一瞬遅れていたら、鉄臣君は死んでいただろう。


鉄臣君、なぜか死ぬ覚悟ができていた。

目の前の手りゅう弾が爆発したら死ぬ。

男が自分に向かって腕を突き出してくれたおかげで、手が届く。

手りゅう弾はレバーが外れないうちは安全だから、手を離さなければ、みんな大丈夫。

運悪く撃たれてもクリスさんたちなら、何とかしてくれるだろうと思った。


鉄臣君、うめき声が聞こえてから目を開けた。

ちょうどサフラさんが男の顔面に拳を見舞った直後が見えた。

足元にへたり込んだユートさん。

ユートさんの服には、鮮血がタラタラと降りかかっている。


クリスさんが男の左手を捻りあげ、拳銃を取り上げる。


鉄臣君、ようやく安全になったことを自覚できたと同時に腰から力が抜けるような感覚。

内腿にジンワリと生暖かい感覚が広がった。

高校2度目の失禁、頭を撃たれると思った瞬間の恐怖が時間差で襲ってきた。


サフラさんが、手りゅう弾の安全ピンを見つけ、手りゅう弾に差し込んで爆発しなくなった。

鉄臣君、恐怖で硬直した手が自分で動かせない。


ユートさんはクリスさんに抱きつき泣いている。


サフラさんが、硬直した手をほぐしてくれる。

「三石さん、シャワーを浴びましょう」

「はい、すみません」

サフラさんに手を引かれ、割り当てられた部屋に向かう。


後ろの方で、おそらくは生徒会の女子たちが泣いているようだった。

(怖かったんだ。無事でよかった)

鉄臣君、少しだけ誇らしかった。


 = = = = =


「チーフ、うまくいきましたね」

急きょ合流したメイドが安堵した表情でクリスさんに話しかける。


「まだ油断するな。これ以上、あの子を危険な目に合わせたら、死んで詫びても足りなくなるぞ」

「はい。しかし、彼、何者なんですか?とても一般人とは思えません」

「お嬢様は教えてくれない。それは大した問題ではない。持ち場に戻れ」

「イエッス、マム!」

「マリン」

このメイドさんはマリンと呼ばれた。

振り向くとクリスさんは屋台村から目を離していなかった。

「いい子だろ?」

その言葉をマリンさんは、温もりを感じた。


 = = = = =


時系列と場所は、1週間前の某国某所。


「こいつが【モモゾノ】の娘だ。みせしめだ、殺せ」

「どんな方法がいいですか」

「できるだけ(むご)たらしくな。モモゾノの野郎がのたうち回るくらいな。」

「はい」

男は、写真を見て、かわいらしい娘を殺せと言われてうれしかった。

日本に出張、娘を殺して報酬が貰える。

何より娘を惨たらしく殺せという指令が男の嗜好と重なった。

男は、写真の娘が顔だけ残して肉片になった死骸を想像しただけで勃起した。


 = = = = =


ここにひそかに悔しがる男がいた。


喪部のイベントは、目立つ。

偽の身分証明を業者に作らせ、派遣スタッフとして潜入できた。


普通なら、滞りなく仕事は終わるはずだった。

しくじった。

千載一遇の好機で手りゅう弾が不発。

【モモゾノ】を仕留めそこなった。

(クソッ、魔女の婆さんの鍋に放り込まれて死ね)


次の機会を伺うしかない。

スタッフの休憩室で一服する。

船に潜入してからは旅行気分だった。

スタッフにも食事がふるまわれ、それがことのほか美味かった。

国の日本料理店とは段違い、スシ、テンプラは、これほど美味いものだったとは思いもよらなかった。


しかし、仕事の方は最悪だった。

休憩所に【モモゾノの魔女】が集結してしまった。

≪チーフ、5時間後に顔認証システムが到着します≫

≪判った。到着次第、乗船者全員の確認を行う≫

≪≪≪≪イエッス、マム!≫≫≫≫


メイドたちが人目を憚らず各々得物を確認して部屋から出ていくのを眺めていた。

連中を手持ちの武器で相手するのは、【戦争】なら不可能だろう。


娘を殺すのは【戦争】とは違う。


内臓(はらわた)をぶちまける美少女を想像すると勃起した。

いかがでしたか?


犯人の使用した拳銃は、B&T社 VP9というピストルです。

分解すると銃には見えないパーツに分けられますので使用したのでしょう。

という設定です。


次話をお待ちください。

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