部活動 5-7.1
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
ブクマが減ってしまいました。
つまらないですよね。わかっています。
でも、グダグダのままです。
ではでは~
「カナミ、起きろ」
「?」
「おはよう」
「え?」
鉄臣君、寝ぼけて状況が判っていなかった。
目の前に流暢に日本語を話す外国人女性がいる。
その優しい笑顔が自分に向けられている。
髪の毛を下し、ゆったりとした生成りの服装のユートさんだった。
「あ、ユートさん、お、お、お、おはようございます」
「おはよう。よく眠れたかい?」
「あ、はい。ぐっすりと」
「そうだよね。僕をほったらかしにして、先に眠ったくらいだし」
ぷくっと頬を膨らませるユートさん。
「すみませんでした。取り込み中だったので、決着がつくまで待っているつもりだったんですが」
「いいさ。疲れちゃったんだね」
鉄臣君、ユートさんに許してもらって安堵した。
それもつかの間。
「で、宿題のあだ名は?」
「え!ほんとに宿題だったんですか?」
「当り前じゃないか。先に眠った罰だから、今決めるんだよ」
「えーーーー。うーん、じゃあ、ヒエン」
「後ろの方だけ呼ばれるのは、嫌だな」
本当に嫌そうなユートさん。
「いえ、そういうのじゃなくって、飛燕って、飛ぶ燕って意味なんですが、日本の昔の戦闘機なんです」
「どうして、戦闘機の名前なんだい」
「その、ボクの好きな戦闘機で恐縮なんですが、呼びやすいなぁと思って、つい。ダメですよね」
「ヒエン、いいよ。カナミだけボクのことをヒエンって呼んで欲しい」
鉄臣君、掛け値なしに喜んでいるように見えるユートさんを見られてよかったと思った。
「コホン、じゃあ、ちょっとお願いしようかな」
「ヒエンさん」
「・・・」
ユートさんの顔から表情が消えた。
「ヒエンさん。やっぱり、気に入りませんか」
「さん、要らない」
「はい?」
「ヒエンだけでいい」
「え!それは、さすがに馴れ馴れしいので、失礼だと思うのですが」
鉄臣君、ユートさんの言葉に戸惑ってしまった。
優秀な喪部部員を呼び捨てにできるような立場ではないとわきまえている。
異性の留学生を呼び捨てにするというのは、ハードルが潜れるほど高かった。
「じゃあ、カナミは、僕と仲良くしようとは思わないんだ」
「実をいうと近寄りがたい方だと思っています」
「カナミ!」
「すみません。お気を悪くなさったのなら、謝ります」
鉄臣君、明らかに怒りの表情のユートさんに驚いた。
(えぇー。本気で怒ってるよー。なんで?大体、ユートさんが俺なんかを気にするのがおかしいよ)
鉄臣君、言いたいことが喉まで出かかったが、思いとどまった。
鉄臣君、ユートさんに目をじっと見られていた。
(機嫌が悪いんだろうけど綺麗な瞳だなぁ。俺の充血した目を見てたら、穢れますよぉ)
「カナミ。君は、女の子なら誰でも褒めるんじゃないかい?」
「はぁ、まあ。成り行きで褒めることになれば、そうしますけど」
(嘘をつくのは、苦手だし。部員の人たちは、美形だから正直に言うだけでいいしね)
「ユートさん」
「ヒエン!」
「あ、ヒエンさん」
「ヒエン!」
「えーっと、ヒ、ヒエン」
「何?」
鉄臣君、根負けして折れた。
「ボクなんかが、呼んだりして、本当にいいんですか?」
「君もしつこいなぁ。じゃあ、こうだ」
鉄臣君、何が起きたのか判らなかった。
目の前にユートさんの顔が近づいてきて、唇に柔らかいものが触れた。
「え?え?」
「どうしたんだい?」
「今、キスしました?」
「キス?あー、クスだね。ああ、したよ」
「にゃ、にゃんで、ですか?」
「友情の証だよ。判ってくれたかな?」
「え、は、はい」
鉄臣君、いろいろ頭の中で整理していた。
(落ち着け。挨拶でキスしただけだから。そう、外国人なんだから、挨拶だよ。意識しすぎたらダメだ)
「カナミ?嫌だった?」
「いえいえ、ちょっと驚いただけです」
「そう、よかった。カナミが僕との友情を確かめたくなったら、いつでもするからさ」
「う、もう疑いません」
「もう、そういうことをいう。あ、そうだ。このことは、みんなに内緒だよ」
いたずらっぽくほっそりとした人差し指を唇に当てるユートさん。
= = = = =
「あの後、みんな部屋で眠ったんですか」
「ああ、みんなでね」
鉄臣君、ユートさんに昨夜の話を聞いていた。
「起こしてくれたら、出て行ったのに」
「なぜ?」
「だって、俺、男ですよ」
「それが?」
「臭かったりしたら嫌でしょ」
「大丈夫だよ。みんなで臭くないか嗅いでたから」
「ヒィーーーーーー」
鉄臣君、部屋を出て屋台村に移動中に人生のうちで上位にくる恥ずかしい想いをした。
「ユートさん、おはよぉー」
鉄臣君の悲鳴が聞こえた桃園さんが手を振っていた。
= = = = =
「アヤお姉ちゃん」
「なんだい、真綾」
「なんでいるの?」
「酷い言われようね」
「だってぇ」
「真綾ちゃん、嫌なの?」
「かほお姉ちゃんまで」
「真綾に悪い虫がつかないように心配してるのよ」
「そうよ、わたしたちが悪い虫を引き付けてあげるから、真綾ちゃんは心配しなくていいのよ」
「うーーーーー」
従姉に向かって唸る竹腰さんだった。
いかがでしたか?
竹腰家、マーリンベルク家には、秘密があります。
徐々にわかると思います。
次話をお待ちください。




