部活動 5-6.33
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
トランプ大統領の誕生で、トランプの回です(嘘
ではでは~
ユートさんチームにおいて。
桧山先輩、鼻の下が伸びていた。
桧山先輩がカードを持っていて、左右からユートさんと久遠寺さんが覗き込む。
「今、どうしてコレにしなかったんだい?」
ユートさんがカードを指さす。
桧山先輩にもたれかかるような姿勢になる。
「それね、わたしたちがコレを2枚持ってるからよ」
「ふーん」
「次にコレが通れば、最後はコレで上がれるはずだよ」
桧山先輩の解説で、流れがなんとなくわかってきたユートさん。
「タイスケは、詳しいんだね」
感心してみせるユートさん。
桧山先輩の鼻の穴が拡がっていた。
= = = = =
笠木先輩チームにおいて。
桧山後輩は、鉄臣君に話しかける話題を思いついた。
「三石さんは、どうして喪部に入ったんですか?」
「わたしもそれ聞きたーい」
思い切って桧山後輩が問うと笠木先輩が便乗した。
「モブ枠って聞いています」
鉄臣君、知っていることで答える。
「わたしたち部員には、本当のこと言ってほしいな」
上目づかいで、おねだりする笠木先輩。
(笠木先輩、まつ毛が長くて美人だなぁ」
鉄臣君、図らずも喪部のレベルの高さに感心してしまう。
「ちょ、先輩を口説かないの。ちょっと、ドキッとしちゃった」
「え?」
「? 美人って褒めても簡単には靡かないよ」
「え? もしかして・・・」
「もう、思わず褒めてくれたなら、うれしいぞ、後輩くん」
「声に出てたぁー。ヒィーーーー、恥ずかしいーーー」
「三石さん、みんなに声かけてたら、彼女に刺されませんか?」
「刺されるわけないよ。お付き合いしている人いないしぃ」
鉄臣君、だらーっとうなだれる。
「・・・、部員しかいませんし、隠さなくてもいいと思いますけど」
「えーーーーー。きついなぁ。最近、ようやく、女友達ができたと思ってホッとしてるのに」
「じゃあ、その人がガールフレンドなんですね」
「違う違う、彼女、彼氏いるし。俺は、友達でその他大勢だよ」
鉄臣君、力なく笑い、一言付け加える。
「彼女できるかなぁ」
桧山後輩は、目の前の男が何を言っているのか、理解できなかった。
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渋沢君チームにおいて。
「でさぁ、ゴール前でアシスト成功。逆転できたんだ」
武勇伝を語る渋沢君。
「スゴイですー。渋沢先輩って、スポーツ得意なんですね」
「あの時、応援について行ってました」
丸美さん、土肥原さんは、話を合わせる。
好感触に自慢が続く渋沢君。
彼は、クラスでも人気者で、休憩時間だと周りに人が集まってくる。
運動部から助っ人を頼まれると嫌と言えない性格なので、きっちり仕事こなして成果を出していた。
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桃園さんチームにおいて。
「ねえねえ、ひよりちゃん。かなみ君が好きなの?」
「はい。ボク、せんぱい好きです」
「お、男同士じゃない。そ、その、男の人が好きなの?」
「違いますよぉ。せんぱいだから好きなんです」
隠さない橘きゅんの言葉に嘘はない。
「うーーー、ひよりちゃん、かなみ君とお風呂入っちゃダメだからねぇ」
「一緒のお布団で寝るのも禁止だよ」
「えぇー。男同士だから、いいじゃないですかぁ」
「「ダメーーー」」
「じゃあ、先輩たちも一緒に・・・?」
爆弾発言の後に首をコクンとかしげる橘きゅん。
ふたりは俯いて黙ってしまった。
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堀田さんチームにおいて。
「正輝くーん、膝枕ー」
弥刀さんが堀田さんに人目を憚らず甘えていた。
竹腰さんは、うらやましそうにリア充カップルを眺めていた。
「もう、少しは気を使ってくださいよぉ」
「だってぇ、真綾ちゃん、恋敵でしょう?譲れないよぉ」
「う、そ、そうよ。堀田さんの心は、わたしが鷲掴みにするんだから」
堀田さんに頭を預け、クフフと笑う弥刀さん。
「あーん、正輝くーん。わたしを捨てないでぇ」
小芝居をする弥刀さんの目が笑っていた。
= = = = =
それぞれの思惑が交差し、夜は更けていった。
結局<大富豪>そっちのけで盛り上がってしまった。
堀田さんチーム安定の圧勝。
2番手は、ユートさんチーム。
ほかのチームは、チーム内の会話が盛り上がりゲームに集中しなかった。
桃園さんチームに至っては、橘きゅん以外カードを見ていなかった。
「みんな、ありがとう。面白かったよ」
ユートさんが嬉しそうにお礼を言った。
「今日、どうなるかと思ったよ」
堀田さんが思っていたことを口にすると、鉄臣君に苦い感覚が湧いてくる。
「メイドさんが、みんなの部屋まで送りますから、順番を待っていてくださいぃ」
桃園さんがメイドさんたちに合図をする。
桃園さんとユートさん以外に危険はないと思われたが、念のための措置だった。
侍女隊に警護され部屋へと送られていった。
鉄臣君、改めて危機は去っていないと認識した。
ふと、Tシャツに何かがひっかっかる感じがしたので、目を向ける。
今日、何回も見たほっそりとした指が、裾を摘まんでいた。
「えーと、ユートさん。どうかしました?」
「カ、カナミ。もし、良かったら、その、朝まで、こ、この部屋に居てくれないか?」
「え゛?」
窓の外は夜の海、ガラスが鏡のように間抜けた鉄臣君の顔を映していた。
いかがでしたか?
それぞれ、悲喜こもごもです?
次話をお待ちください。




