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部活動 5-6.32

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


さて、ユートさんの機嫌は直るのでしょうか?


ではでは~


「カナミは、失礼だね」

「すみません」

「カナミは、薄情だね」

「はぁ、すみません」

「カナミは、カナミは、カナミは」

「あのー、気に障るようでしたら「誰もそんなことは言ってない!」 えっと、すいません」

鉄臣君、拗ねるユートさんが手に負えなかった。

何が気に障ったのか、見当がつかない。

ただ、こういう時は、わざとらしくても何か褒めておいて角をとっておいた方がいいと考える。


「そうそう、ユートさんって綺麗ですね。まるで、ファンタジーに出てくる妖精みたいです」

「にゃ、なんだよ、急に。おだてても乗らないからね」

鉄臣君、口元が変な形になっていくユートさんの表情を見逃さなかった。

(いける!)


「金髪も綺麗ですけど、何より宝石みたいな瞳は、日本人の僕にとっては憧れですよ」

「しょ、しょんにゃ。キャナミは、僕をからかってるね」

「そう聞こえますか?俺の外見を見たら、本心だと思えてくるでしょ?」

「うーーーーー」

鉄臣君、真顔で答えているとユートさんがじっと目を見つめてくる。


(うわー、見れば見るほど外人さんだぁ。ホント綺麗だなぁ)

「はわ、わ、わ、カ、カ、カ、カナミ!」

「はい?」

鉄臣君、突然動揺し始めたユートさんの呼びかけに答えた。


「もういい!」

「はい」

「君には、一つ命令するからね。断ったら、怒るよ」

「えーーー、死ねとか、船内の床全部を舐めて来いとか言わないでくださいよ」

「バ、バッカ。僕が君にそんなこと言うわけないだろ」

鉄臣君、ひとりで焦っているようなユートさんが不思議だった。


「あ、あのさ」

「はい」

「あ、あの、き、君が、君だけが使う、僕のあだ名を決めてくれ」

「はい?」

「だから、僕のあだ名だよ」

「はぁ。どういうのでしょうか?」

「そ、そんなのは僕がいうことじゃないだろ」

「まあ、そうですね。・・・あだ名ですか」

鉄臣君、ユートさんがいきなり言い出したことが、飲み込めなかった。

あだ名をつけろとは、日本語的に何かと勘違いしているのではないだろうか?


「な、何か決まった?」

上目づかいで少し弱気に聞いてくるユートさん。


「え! まだです」

鉄臣君、予想外に期待されていたことに驚いた。

「うーんと、えーーーー。そう、ラプンツェルは?」

「却下」

「やっぱり急には思いつきませんよ」

「じゃあ、宿題。絶対だから」

ユートさんは、ふんすふんすと鼻息が荒かった。


鉄臣君、肩を強く掴まれているような気がする。

「ところで、橘さんはどうして女物の浴衣なの?」

「えーっと、母が入れ間違ったと思います」

(絶対、わざとだな。でも、着るんだね。それはさておき、肩痛いって。あと、蹴らないで)


鉄臣君、机の下で両脚を蹴られていた。

左前に楠木さんが座っている。

左脚が柔らかい温かい脚でホールドされていた。

右前に座っていた久遠寺さんが席を立って桧山先輩と話していたおかげで右脚は普通に自由だった。

しかし、あまり意味はなかった。

正面に竹腰さんが座って、睨んでくる。

鉄臣君、両脚の主にスネの部分を蹴られ続けていた。

(竹腰さんには恨まれて仕方ないんだけど、なんだろ、拗ねてるような、・・・気のせい?)


『あ、ごめん』

『ううん、大丈夫』

竹腰さんが、楠木さんに小声で謝っていた。

(あー、やっぱりイジメだよー。蹴られてるの知ってるしー)


「カナミ、あだ名は?」

「すみません。まだ思いつきません」

鉄臣君、気が散って、それどころではなかった。


気が付くと左に座っている桃園さんがもたれ掛かって眠っていた。

鉄臣君、起こすと悪いと思うと自分で逃げ場をなくしてしまった。


正面には、頬を膨らませた美少女が、うっすらと涙まで浮かべて、両脚を蹴り続けていた。


 = = = = =


「丸美さん、三石先輩って見かけによらずチャラ男なの?」

土肥原さんの容赦ない質問だった。


「そういうキャラじゃないと思う」

「先輩たちを見てると見境いなく声かけたとしか思えないんだけど」

後輩女子ふたりは、フラッペを食べながら、鉄臣君の不可逆的修羅場を眺めていた。


 = = = = =


夕食を済ませるとユートさんの希望でトランプをすることになった。

ユートさんは、<大富豪>をしたかったらしい。

ネットで見かけたが、ひとりで遊びようもなく、悶々としていたそうだ。


「人数が多すぎだな。チームに分かれようか」

「はいはいはいはい。わたしはぁ、正輝君と一緒」

上機嫌の弥刀さん。

リア充カップルの邪魔をしようとは誰も思わなかった。


喪部部員全員でユートさんのスイートルームに移動した。


バルコニーにはネットが張られ、何かが投げ込まれることを防ぐようになっていた。

ちなみに桃園さんの部屋も窓に防犯フィルムが張られ、強化されていた。


 = = = = =


くじ引きでチーム分けが決まった。

ユートさんチーム、久遠寺さん、桧山先輩

笠木先輩チーム、桧山後輩、鉄臣君

渋沢君チーム、丸美さん、土肥原さん

桃園さんチーム、楠木さん、橘きゅん

堀田さんチーム、弥刀さん、竹腰さん


妥当なチーム分けになったような、なっていないような。


これから、それぞれの思惑が絡み合う短いようで長い遊戯時間が始まった。

いかがでしたか?


鉄臣君、散々な目にあっているようですが、精神的に辛くないと案外平気のようですね。


次話をお待ちください。

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