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部活動 5-6.22

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


スイカ割りで人間模様をお楽しみください。


ではでは~


「お! 面白そうじゃん」

ギャラリーに先輩が1人加わった。

食べ過ぎたのかお腹がポコッと出ている。


「おう、藤原。お前も来たか。さっきまで、見ごたえのある剣さばきが見られたぞ」

「そうなのか? 堀田、どうして呼びに来なかったんだぁ?」

藤原と呼ばれた先輩は、堀田さんに文句をいう。


鉄臣君、藤原と呼ばれた先輩にほかの先輩と違った印象を持った。

先輩後輩はこんなものだろうか?

堀田さんみたいなタイプではないにしてももう少し言い方がある様に思える。


豪胆とかではなく、横柄というのでは?


「堀田は、現役なんだぞ。いちいちお前を探しに行けるわけないだろ」

短髪の先輩が、藤原先輩を諫める。


「それくらい気を利かせるのが、後輩だろ。なあ、堀田」

藤原先輩は、わざと堀田さんに振ったように見えた。


「お前、3年から部員なんだろ。後輩の経験ないよな」

「お、俺は卒業生の後輩だから、気は回すんだよ」

「平部員のお前が、現役の時に先輩に気を利かせることってあったっけ?俺と岡倉は引き受けたけどな」

「思い出した。学園祭の時、模擬店見に行ったきり生徒会室に一度も顔出さなかったよな」

短髪先輩は岡倉さんと名前らしい。


「な、平部員の俺たちが生徒会室に行くことなかったろ」

「メールで回しただろ、模擬店のシフト表を生徒会室に見に来いって。俺と甲斐が先輩方の案内で抜けるからって」

「もう過ぎたことだろ。今、その話は関係ないよな」

藤原先輩は、都合が悪いのか話を逸らしているようだった。


「岡倉さん、甲斐さん。藤原さんのおっしゃる通りです。アナウンスを怠った僕の配慮が足りませんでした」


鉄臣君、自分の表情が変わるのが判った。

堀田さんは自分に非があるとすることで、収めようとしている。

しかし、【そのやり方は良くない】と思うと顔に出てしまう。


「ほらぁ、堀田も認めたんだし。まあ、次は気を付けてくれよな」

藤原先輩が図に乗った。


調子に乗った藤原先輩は、女子に声を掛けに行く。


「俺も参加していいかな。童心に戻ったつもりで盛り上げるからさ」

藤原先輩は、女子の目を意識して、爽やかに言ったつもりだったが、下心が剥きだして目が濁っていた。


「そうですねー。かっこいいところ見せてくださいねぇ」

弥刀さんが明るく誘う。

その言葉は、いつも一緒にいる生徒会メンバーに何か含んでいるのが伝わった。


「おう、見ててくれ。さぁて、誰か俺の相手をしてくれよ」

藤原先輩の言葉と乖離して、視線で鉄臣君を指名していた。


先輩は関係者の面前で土下座した鉄臣君を見下していた。

外見も凡庸で堀田と会話していないときは、誰と話すでなく、この場にいるだけのヤツ。

堀田のお情けで喪部に入れたと思っていた。

(お情けで入部したようなヤツと俺は違う)


弥刀さんが桃園さんとニコニコと何か話をしている。

桃園さんは、サフラさんを呼び寄せ、クリスさんに合図をする。


「三石君、藤原先輩と対戦してくれるかな?」

「要」

「いいじゃない。ゲームだし、気にしない、気にしない」

弥刀さんは、藤原先輩から見えないようにウインクして見せた。

ヤレヤレという表情をする堀田さんだった。


鉄臣君、断ることもないので、言われた通りスイカ割りに参加する。

スタート地点へペタペタと歩いていくと後ろからサフラさんがついてくる。


「三石さん、準備をお手伝いするようにとお嬢さまのお言いつけですので」

「ひゃ、ひゃい」

(言いつけですので【、嫌だけど仕方なくしてやるぞ】ってことなんだろうか?)

鉄臣君、メイドさんの視線が怖くて仕方なかった。


鉄臣君、耳に異物を入れられ、その上から目隠しされた。

「え、な、な」

「三石さん、ご安心を。イヤホンです。わたくしので申し訳ございません。ご辛抱ください」


≪三石さん、聞こえますか?聞こえたら、肩を回してください≫

鉄臣君、イヤホンから心地良い声で聞こえてくるその言葉に従い、肩を回す。

≪確認。ではスイカまで誘導します。三石さんの正面を12時の方向とします。お判りですか?問題なければ、肩に棒を乗せてください≫

鉄臣君、叩き棒を肩に乗せた。

≪確認。わたくし以外の誘導は無視してください。作戦開始します≫


「堀田、いつでもいいぞ」

「俺も準備できてます」

「じゃあ、一回廻って、3歩」

堀田さんの合図でスイカ割りが始まった。


割り手二人が3歩歩く。

序盤、無難にスイカの方に向いている。


「せんぱーい、少し左」

「左でーす。あ、行き過ぎ行き過ぎ」

「今度はもう少し右です」

「ちょっと左に修正です」

「そのまま、ちょっと左に戻してえ」

藤原先輩だけに黄色い声が飛ぶ。

指示が細かくタイミングがバラバラなので、なかなか前に進まない。

しかし、先輩は声援を思えば悪い気がしなかった。


一方、鉄臣君は、クリスさんの的確な誘導でスタスタとスイカの向かって歩く。

≪あと3歩歩いたら、微調整しましょう。3、2、1、止まって。細かいですが12時30分へ2歩でスイカです≫


 = = = = =


「堀田、あの三石君って、透視とかできるのか?」

「正確過ぎるっていうか、なんかのセンサーで歩いてるよな」

大モテ先輩ズは、揃って鉄臣君の動きに注目していた。

「彼も方向を教えてもらっていますよ」

堀田さん、特に隠すこともなく答える。


「誰から?」

「みんな藤原にだけ声かけてるみたいだが」

「彼には特別に桃園のバックアップがありますから」

「「桃園って、あっち(・・・)の方か!」」

先輩たちは息を止めて、大きく漏らす。

「僕も詳しくはわかりませんよ。念のため」

堀田さんは爽やかにごまかしてみせた。


 = = = = =


ほどなくスイカにたどり着いた鉄臣君。

クリスさんに指示された位置を叩き棒で勢いよく弾くように叩いて振り上げた。

スイカにちょうどいい衝撃が加わり、きれいに二つに割れた。


二人のメイドは、鉄臣君の身のこなしを見て、目立たぬように小さく拍手していた。

いかがでしたか?


年の近い先輩に先輩風を吹かせる人って居そうなので出してみました。


次話をお待ちください。



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