部活動 5-6.16
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
合宿の午前の活動です。
ではでは~
合宿に参加できた喪部部員のうち、平部員が5人いる。
水平学園3年生、桧山泰輔、笠木鈴蘭。
水平学園2年生、渋沢慶次。
水平学園1年生、土肥原美紅。
柊館高校1年生、桧山十七一(桧山泰輔のいとこ)。
鉄臣君、彼らが苦手だった。
顔立ちが整っているのだ。
(やっぱり俺は場違いだよなぁ。桃園さんや楠木さんの彼氏だったりするかな。かっこいいし、可能性高いよ、絶対」
「何が可能性高いの?」
「うぉ、竹腰さん。また聞こえた?」
「誰がかっこいいの?」
「みんなだよ。先輩から後輩まで」
「ホントにぃ?」
「う、なんですか、疑った言い方。そんなの嘘言っても仕方ないですよ」
「ほーん。自分がかっこいいから、誰かと交際できる可能性が高いとか思ったんでしょ」
「ちょ、・・・ぷっアハハハハハ。竹腰さん、面白い発想するんだ。女子高だったから?男を見慣れてないから?すっごくズレてるよ」
鉄臣君、プールサイドで、腹を抱えて膝を叩いて大笑いする。
「な、なによ!」
顔を真っ赤にする竹腰さん。
「ひー、ひー。あー、おもろ」
「それ以上、笑ったら怒る」
「スミマセン、ゆるしてください」
鉄臣君、涙目で膨れてる竹腰さんに許しを請う。
「もう、何よ。わたしは、外見とかに惹かれてるんじゃないんだから』
「? 竹腰さん、その、ちょっと聞いていいかな?」
「何?」
「水着、普通のにしたんだね。それも似合ってて、かわいいと思います」
竹腰さんは、水色のスポーティなビキニを着ていた。
今年の夏用に買っていた水着だった。
鉄臣君と水着を買いに行ったとき、言い当てられて、少しびっくりしたのだった。
「そ、そう、か、かわいい?」
「はい、堀田さんもそう思うと思います」
「むー」
鉄臣君の言葉を素直に喜ばない竹腰さん。
「でも、わざわざ水着買ったの?」
「ううん。今年は先にこれを買ってたんだよ」
「じゃあ、どうして追加でふたつも買ったの?」
鉄臣君、生活が苦しいので納得いかない。
「最初は、着ようかなって思ってたんだよ。でもOGOB会だと、ちょっと恥ずかしいから」
「それ、俺が見てるんだけど」
「そ、・・・いいの。減るもんじゃないからぁ」
「はあ」
「ねぇねぇ、見たかった?じっくり見たかった?舐めまわすように見たかったぁ?」
「揶揄わないでくださいよ。そんなことしたら罰が当たって、目が潰れるよ」
「あーあ、目が潰れれば、よかったのにぃー」
「ひどいなぁ。ボクが選ぶ必要無かったのにぃ」
鉄臣君、会話を楽しんでいるように見える竹腰さんを見てホッとする。
ころころと笑う竹腰さんの魅力的なその笑顔で、沈殿している罪悪感を混ぜ起こされる。
「・・・素敵な恋人ができるといいですね」
鉄臣君、思った言葉が口から出ていた。
= = = = =
鉄臣君は泳いでいた。
竹腰さんが、突然、婚約が白紙に戻ったことについてフォローが足りないと不機嫌になって、謝る鉄臣君を泳がせていた。
「ほらぁ、反省してたら、もっと泳げるでしょ」
竹腰さんが、なぜかすぐ横を泳ぎながら、詰ってくる。
結局、のんびりするはずの予定は、泳ぐだけで終わってしまった。
「ゼヒィ、ゼヒ、ヒィーーーーー」
「いちおう、反省はしてるみたいね」
鉄臣君、プールサイドにあおむけに寝転ぶ。
しゃがんで顔をのぞき込む竹腰さん。
「は、はん、せい、して、ますーーー。ハァーハァー」
「やっぱり、男の子ってすごいね。泳いじゃうんだもん」
「た、竹腰さんも泳いでいたじゃないです、かー。ハァー」
「わたし、中学は水泳部にも入ってたし、ほぼ毎日ジムで泳いでるし」
「あー、だから、竹腰さんもスタイルいいんだね」
「もう、エッチ」
= = = = =
「俺、しぶさわ けいじ。慶次でいいよ」
渋沢君は、意を決したようにユートさんに話しかける。
その態度は、自分への自信が現れていた。
「・・・改めて、僕はユートライヒ・マーリンベルクだ。マーリンベルクと呼んでくれ」
「あ、ああ。わかった」
渋沢君、ユートさんの事務的挨拶で肩透かしを食らったように感じた。
それを見ていた堀田さんは思った。
(ユート君、なにか癇に障ったかな?どうでもいい相手には家名で呼ばせる癖があるからなぁ)
『正輝君、ユートさん、何が気にいらなかったと思う?』
『難しいな。彼女にも何か基準があるんだろうな』
「マーリンベルクさん 前にお会いした時は中学生でした。どいはら みくれ です」
「ミクレ、僕も水平に通うことになったんだよ。日本風のオシャレとかいろいろ教えてくれると嬉しいな」
「そ、そんな。マーリンベルクさんに「ユートでいいよ」 ユート・・先輩」
「うーーーん、ボクが先輩! かわいい後輩かぁ。グルック!」
ユートさんは、嬉しそうに土肥原さんを抱きしめた。
「俺、ひやま としかず です。たい兄ぃのいとこです」
「そうか、ヒヤマが二人だね。どう呼べばいいかな?」
「名前が数字で【じゅうなな】と【いち】なのですが」
「素直にトシカズって呼ぶけどいいかな? 僕のことは、マーリンと呼んでくれ」
「あ、はい。マーリン先輩」
「よろしく、トシカズ」
= = = = =
「真綾ちゃんが堀田さんよりかなみ君に構ってるように見えるぅ」
「いけない状況ね。鉄臣くんが勘違いして、真綾さんにちょっかいを出さないように引き離してあげないと」
「真綾ちゃん、もしかしたら」
「「「・・・!!!」」」
「あおいさん、ほのかさん。鉄臣くんを見張りに行きましょうか?」
「はい!そ、そうですよね。真綾ちゃんが危ないかもしれないしぃ」
「そうだよ。鉄臣クン、ユートさんのエスコートのバイトがあるしね」
3人は、プールサイドで竹腰さんと談笑する鉄臣君の許に張り付きにいった。
この後、鉄臣君は、ユートさんのところに参じることになった。
いかがでしたか?
鉄臣君、竹腰さんには逆らえません。
次話をお待ちください。




