部活動 5-6.14
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
橘ひよりの驚愕の事実判明です。
ではでは~
「えーーーーーーーーー」
鉄臣君、叫び声をあげる。
「先輩、ひどいですぅ、あんまりですぅ」
「え、だって、家でドレス着てたよね」
「あれは、母の仕事の手伝いでしたから」
鉄臣君、衝撃の事実から立ち直り切っていなかった。
「橘さんみたいにかわいい子が男なんて思わないよ」
「まぁーたぁーーー。ボクはいつでも男でしたぁー」
鉄臣君の言葉に不満の橘きゅん。
「そ、その、言われてみれば、いつも男子の制服着た変わった女の子だなぁとは、思ってたけど」
「そんな風に見てたんですかぁ。そりゃ、筋肉とかないですけど、ボクのどこが女の子なんですか!」
「【おとこの娘】に見える」
「あー、今のは、女の子みたいな言い方でしょう!ボクは、女装はしてませんからね」
頬を膨らませる橘きゅんは、そのかわいさが様になっていて、別の性別に見えてしまう。
「橘さん、すね毛とかなくて、女の子みたいだし」
「すね毛だったら、先輩もほとんど無いですよーだ」
拗ねる橘きゅん。
(この子が喪部なのは、これが理由なのかな)
「あー! 先輩。また、なんか考えましたねぇ」
「い、いや。そ、そんなことはないよ」
「もう、いいです。先輩がそんな目で見るんだったら、ボクにも考えがあります」
「え!ごめん。そんなに怒らなくても」
「えい、ごにょごにょ』
橘きゅんは、自分より少し高い鉄臣君に跳んで抱きつき耳元で何かを伝えた。
「ちょ、えーーーーー!」
鉄臣君、その内容はにわかに信じられず、思わず叫んでしまった。
「クフフ、せーんぱいっ。ボク、先輩だけには本気ですからね」
「ちょ、冗談だよね?それって、どうなるのさー」
「だーめーでーすー。先輩が悪いんですぅ」
「いやいやいや、もっと別の考え方があるでしょ」
タンクトップにトランクス姿の橘きゅんは、何かを企んで妖しく微笑んだ。
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鉄臣君、ユートさんと橘きゅんが楽しそうに話しかけてくるのを笑顔を顔に張り付けて聞いていた。
傍目には、仲がいいように見える。
丸美さんは、橘きゅんのラッシュガードの裾を摘まんで、つまらなさそうに立っていた。
日焼け止めを塗り終えた久遠寺さんたちがデッキに上がってきた。
「三石くん、ずいぶんとユートさんと親しくなったのね」
「うーーー、えろいし君、わたしにきれいって言ったのに」
「「ほ、ほのかちゃん!?」」
「あぅ」
桃園さんは慌てて手で口を塞いで、プールの水面を走るように飛び込んだ。
「お嬢様、準備運動をなさらないとダメですよ」
クリスさんが落ち着いた態度で告げる。
「三石クン、説明してくれるよね」
濁りと微笑む楠木さん。
凛とした雰囲気が影もなく、ドス黒い威圧感だけだった。
= = = = =
鉄臣君、プールサイドで正座をさせられていた。
橘きゅんは、危険を察知し、丸美さんとユートさんを連れて、プールで遊んでいた。
「ヒヨリ。カナミはどうして座っているんだい?」
「よくわかりませーん。今は危険なので、避難していまーす」
「ふーん、まあ、確かにシオンとアオイの様子だと、ただことじゃ無さそうだ」
「きっと、ほのかちゃんに何かしたのよ」
竹腰さんも避難してきていた。
「マヤ、君は行かなくていいのかい?」
「わ、わたしは、堀田さんに惚れさせるから、関係ないよぉ」
竹腰さんは、なぜかその場から泳いで離れて行った。
(むー、みんな、強敵だなぁ)
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「正直なことはいいことだと思うわ」
「鉄臣クン、ほのかちゃんにきれいって言った理由を教えてくれるよね?」
ゴゴゴゴゴと後ろから聞こえてきそうなふたりの美少女。
「正直に言いました。他意はありません。ホントです」
鉄臣君、ほかに言いようもないので素直に答えた。
「じゃあ、正直に言う状況になったのは、なぜかな?」
楠木さんの言葉は優しいが、威圧感が増していた。
「えーと、なぜだったかな?」
鉄臣君、目が泳ぐ。
「鉄臣くん、怒らないから、正直に言ってごらんなさい」
もう逃げられないほどの迫力で自白を迫る久遠寺さん。
「・・・変なことはしてません」
「「じゃあ、答えてくれるよね」」
鉄臣君、終わった。よく頑張ったな、骨は拾ってやるぞ。
「その、見ました」
「「何を」」
「あとを」
「「何の」」
「・・・」
「「答えて」」
「桃園さんの胸の傷あとを見ました。桃園さんが見せてくれました。だから、その、・・・きれいだよって・・・言ったんです」
「「か、か、か、鉄臣!もしかして裸を見たんじゃ!」」
一変、狼狽える美少女たち。
「ちゃう、ちゃう。その、違います。傷のところだけ」
「きれいって言って、どうするつもり?」
「答え次第では、許さないよ」
鉄臣君、女の敵扱いになりそうだった。
「た、たぶん彼氏さんに何か言われて、落ち込んだんだと思う。男目線でどうなのか、友達のボク見せたんだと思う。・・・だから、正直に答えたんです。ボクが言っても意味ないんだけど、励ますのに、ほかに思いつかなくて」
鉄臣君、桃園さんの胸を思い出すとちょっと頬が緩んでしまった。
「もう、そんなこと言われたら、怒れないじゃない・・・いやらしい顔、禁止よ」
「ほのかちゃん、気にしてたしね・・・エッチな顔、禁止だよ」
「ヒィーーーーー」
鉄臣君、頬が緩んだのは見逃してもらえなかった。
= = = = =
「おや?ユート君、三石君はどこに?」
堀田さんと弥刀さんがプールでひとりバタ足をするユートさんに声をかけた。
「ああ、あっちで何か尋問されてるみたいだ」
「あらあら、どうしたの?」
プールに浸かるユートさんにプールサイドに腰掛ける弥刀さんは興味津々に尋ねる。
「僕がカナミに胸を掴まれたからじゃないかな?」
「まあ、三石君が? また大胆なことをしたのね」
ユートさん、まさかの爆弾発言。
「外交問題になりそうだね。ははは」
堀田さん、何か楽しそうだった。
「アハハ、それはカナミ次第だよ」
ユートさんは、楽しそうに笑った。
いかがでしたか?
実は、意図的に後輩ふたりはフルネームで書いていました。
伝わってるとよかったのですが。
次話をお待ちください。




