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部活動 5-6.12

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


一難去りました。


ではでは~


「今の音、クラッカーじゃないよね」

「うーん、たぶん警備員さんたちのお仕事ですぅ」

楠木さんの疑問に答える桃園さん。


「大丈夫なのかしら?」

「クリスさんたち、強いですからぁ」

「鉄臣くんのほうよ。彼、まだ事情を知らないのよ」

久遠寺さんは鉄臣くんが心配だった。


「まずったなぁ、いきなり仕掛けてくるとは思わなかったよ」

「堀田さんは悪くないですぅ。【桃園】が引き受けましたから」

堀田さんは、予測の甘さを後悔していたが、桃園さんが自信満々に答えた。


 = = = = =


≪コンコン≫

≪丸美さん、もう出てきて大丈夫だよ≫

(三石先輩?)

≪丸美さん、いる?≫

「あ、はい。います」

≪クリスさんたちが、もう大丈夫だって≫

丸美さんの部屋の扉が少し開くと不安そうな瞳をした丸美さんが顔を覗かせる。

「あ、あの、先輩は大丈夫なんですか?」

「俺に何があっても、別にどうってことないよ」

「・・・先輩は、わたしたちの気持ちって考えないんですね!」

「え?俺何か悪いこと言った?」

「いーえ、何でもないです」

「なんかゴメン」

丸美音奈は、少し不機嫌だった。


「せんぱーい」

「橘さん、ゴメン。同時に声をかけられなかったから」

ひょこっと廊下に顔を出す橘ひよりは、少し興奮気味だった。

「いーんです。先輩は漢らしいですから」

「そ、そう?」

鉄臣君、何を根拠に橘ひよりが発言しているのかわからなかった。


「三石さん、お嬢様がお呼びですので、お越しいただきたいのですが」

鉄臣君、いつの間にか後ろに立っていたクリスさんに少し驚いた。


「桃園さんが俺に。なんでしょ?」

「存じあげません」

「わかりました。俺、着替えてないし、先に行っててくれるかな」

「「はーい」」

パーカーを羽織っているふたりは、ウキウキを隠せずに最上階のプールに上がっていった。


「ユートさんも先に行ってもらえますか?」

「キミはボクのエスコート役じゃなかったかい?」

「今だけ、ちょっとだけ許してください。お願いします」

鉄臣君、手を合わせてユート君を拝む。


「マーリンベルグ様、1名つけますのでご安心ください」

クリスさんの言葉と同時に傍にいるメイドがお辞儀をする。


「わかったよ。お願いするね」

「ハッ」

ユート君の言葉に軍人のように短い返事で答えるメイドだった。


 = = = = =


「お嬢様、三石さんをお連れしました」

≪入ってもらって≫

「はい。三石さん、わたしは、ドアの外に控えています。くれぐれもお嬢様に変な気を起こさないでください」

「ええー、そんなことしませんよ。心配なら、一緒にいれば、いいじゃないですか」

鉄臣君、友達として信用されていないことで、なんとなく嫌な感じがした。


「どうぞ」

クリスさんは、鉄臣君の抗議を聞かずに応対する。

(そりゃ、俺はパンピーだよ。だから上流の紳士じゃないけど、ホイホイ変なことするような節操無しでもないよ)


部屋に入ると自分の部屋のようにガランとしていた。

違うところもあった。

折り畳みベッドが設置され、ベンチ代わりに桃園さんが座っていた。

「かなみ君、座らない?」

「あ、ああ。ありがとう」

桃園さんが少し寄ってスペースを作ってくれた。

鉄臣君、そのスペースに腰を下ろす。

下ろした腰が落ち着かないので、少しだけ桃園さんから離れると落ち着いた。


「・・・」

「・・・」

桃園さんが何かを思案していて一言も話さない。

鉄臣君、何を言っていいのか思いつかない。

用があるのは桃園さんのほうだから、待つことにする。


「かなみ君、立って」

「はい」


鉄臣君、言われるままに立ち上がる。

桃園さんは着替えを済ませているらしく、パーカーを羽織っていた。

改めて目の前に立つ桃園さん、いや目線の先に立ちなおしている。


「かなみ君、見て」

桃園さんは、パーカーを脱ぐとそれをベッドに置いた。

淡いピンクのビキニ、生徒会の合宿で着ていた水着だった。

鉄臣君、見覚えのある水着に何かあるのかと注意してみているとブラに手がかかり、桃園さんが左胸をまくり上げた。


「え、ちょ、な、えー」

鉄臣君、超ラッキーな状況が信じられない。

社会的に抹殺されるのかと思っても桃園さんの胸から目が離れない。

健全な男子高校生だった。

そして気が付いた。

水着に隠れているポッチリの真下ぐらいに丸い(きず)がある。


「銃創?」

「かなみ君は、よく知ってるね」

「そうなんだ」

「うん」

桃園さんは、少し悲しそうに返事をするとブラを元に戻す。

形の良い二つのふくらみが、水着の中で行儀よく並んで盛り上がっていた。


「わたしね、ちっちゃいころに撃たれたんだ」

「・・・」

「ちっちゃい弾だったんだけど、死んじゃいそうになって、助かったの」

「・・・」

鉄臣君、桃園さんが必死で絞り出すように口にする言葉を聞き漏らさないように受け止めていた。


「でね、こんな醜い胸になったんだ」

瞳に大粒の雫を溜めて微笑む桃園さん。


「・・・」

「・・・、ゴメンね、変なもの見せて」

「桃園さん、桃園さんの胸は、醜くないよ、変でもない、ちょっと変わった(あと)があるだけだよ」

「でも、こんな痕は、みんなには無いよ」

「それだったら、桃園さんにその痕があっても一般人とは違って、その・・・全部見てないけど、きれいな・・・お、お、おっぱいだと思う。変わった痕があるだけ」

鉄臣君、思わず口にした言葉に後悔する。


「あ、あの変な意味じゃなくて「ぷっ、かなみ君のエッチ。もう、忘れてよねぇ」・・・桃園さん」

笑顔のおかげで、目に溜まった雫が零れ落ちる。


鉄臣君、何か吹っ切れた桃園さんの傍に寄る。

「かなみ君?え、え」

桃園さんは、鉄臣君に抱きしめられていた。

鉄臣君、桃園さんの耳元でささやいた。

「桃園さん、彼氏さんに何を言われたのか知らないけど、ボクは、桃園さんは、きれいだと思うよ」


ぼこっ


鉄臣君、思わず桃園さんを抱きしめた後、クリスさんに起こされるまでの記憶がなかった。

いかがでしたか?


桃園さんちの仕事は、そのうち明かして行きます。


次話をお待ちください。

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