部活動 5-6.7
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
平穏な時間が流れます。
ではでは~
「何にいたしましょうか?」
天ぷら職人が、注文を確認する。
「かき揚げは、できますか?」
「はい。ご希望はございますか?」
「お任せします」
「かしこまりました」
鉄臣君、かき揚げを注文した。
いろんな食材が味わえて得した気になるからだった。
「お待たせしました」
カウンターに紙皿に載ったかき揚げが出される。
「おおきに」
鉄臣君、嬉しくてお国言葉になっていた。
天つゆは使わず、アツアツをいただく。
サクサクとした食感で食欲が増す。
「みついし君、かき揚げを頼んだのぉ。美味しい?」
「うん、できたては、最高だよ。素材の味が引き出されてる感じ」
「じゃあ、わたしも頼もうっと」
桃園さんも天ぷらの屋台に注文しにいった。
鉄臣君、次に何を食べようかと思っていたら、楠木さんが、カップに入った温かいお蕎麦を二つ持っていた。
「三石クン、お蕎麦、ま、間違えてたのじゃったの。一つ食べてくれると嬉しい」
「お蕎麦、好きなんで、喜んで」
「あ、ありがとう。隣で食べていい?」
「あ、どうぞどうぞ。桃園さんも戻ってくるし」
鉄臣君、蕎麦を食べようとした時、桃園さんが戻ってきた。
「お蕎麦、美味しそうね。みついし君、かき揚げもう一つ食べてくれない?」
「え、いいの?」
「うん、ふたつ食べようと思ったんだけど、ふたつ目は冷めちゃうから」
「ちょうどお蕎麦だから、ここに乗せて」
お蕎麦のカップにかき揚げを乗せてもらう。
(あれ?蕎麦とかき揚げ、ちょっと少ないような小さいような)
≪サクッ、ズズッ≫
鉄臣君、気にせず二口三口で平らげる。
桃園さんと楠木さんが嬉しそうに鉄臣君を眺めていた。
「いいかしら?」
「「紫苑さん」」
「会長」
久遠寺さんが少し多めのサイコロステーキを持っていた。
「みんなで食べない?紙皿が熱くって長く持ってられないの」
「じゃあ、俺が持ちます。みんなでつつきましょう」
「ありがと。じゃあ、お願いね」
「はい。あ、これは熱いですね。テーブルがないと火傷しそう」
鉄臣君、紙皿の端に持ち替えた。
「じゃ、じゃあ。食べさせてあげるわ」
「「し、紫苑さん」」
「な、何かしら?三石くんは持つだけなんてかわいそうじゃない」
当然のことよ目線で言い切る久遠寺さんだった。
「「で、でも」」
決め手に欠けるふたり。
「はい、あーん」
「か、会長。あーんは・・・」
「あーん」
「あのー」
「あーん」
「はい、いただきます。パクッ」
鉄臣君、笑顔で一歩も引かない久遠寺さんに負けてしまった。
「美味しい?」
「はい」
聖母マリアのように微笑む久遠寺さん。
「「し、紫苑さん。そのお箸、紫苑さんが使ってますよね」」
「あら、そうだったわ。ごめんなさいね、三石くん」
「いえ、あの、俺が口を付けたんで新しいのに替えてくださいね」
「いいわよ、別に。エコじゃないから」
そういうと久遠寺さんは、一切れ摘まんで食べたしまった。
「三石クン、あーん」
「こっちも、はい、あーん」
「え、え、どうしたの?ふたつ食べればいいの?」
「「ええ、そうして」」
鉄臣君、目の前の二切れにパクついた。
「美味しそう。わたしも食べようっと」
楠木さんが、ステーキを口に運ぶ。
「あ、その箸」
鉄臣君、あうあうと言葉が出ない。
「ほんと、美味しいぃ」
頬を押さえて桃園さんがくむくむ食べていた。
「あのー、ふたりともそのお箸は」
「何?」
「お肉美味しいねぇ」
「・・・(それって、普通なの?)」
鉄臣君、疑問が気になり、気持ちが悪い。
「あのー、聞いてもいいかな?」
「「「何?」」」
「俺、箸使っていないんだけど」
「しょ、しょれはぁ」
「べ、別に」
「直箸と一緒よ。と、友達なんだから、気にしないの」
「「そ、そうよ」」
「あらら、紫苑さん、三石君と間接キスね。そうそう、ほのかちゃんとあおいちゃんもそうなるのかしらね」
弥刀さんは、聞こえるように言うと竹腰さんをちらりと見る。
「堀田さん、堀田さん、これ美味しいですよ。はい、あーん」
「竹腰さん、ありがとう。でも、自分で食べられるから」
「えー、せっかくですから。どうぞ。はい、あーん」
「うーん」
竹腰さんは堀田さんにサービスしていた。
堀田さんさすがに困って、アヤメさんと薫子さんの方を見る。
「まさ坊、ほらほら、真綾が一生懸命さね」
「あの、大奥様、お言葉ですが、どうも他意を感じるんですが」
アヤメさんは堀田さんにけしかけているも視線の先は別に向けられる。
「ホホホ。真綾ちゃん、正輝君に何をしておるのかしら?」
「あら、要さん、見ての通り【あーん】ですことよ」
「まあ、そうなの」
「そうですわ」
弥刀さんの牽制をいなす竹腰さん。
「「ホホホ」」
ふたりの笑いの脇に固まった堀田さんがいた。
= = = = =
丸美音奈と橘ひよりは、クレープを食べていた。
「ボク、先輩にあーんして欲しいな」
「ほ、ほら、あーん」
丸美さんは自分のを橘ひよりに差し出す。
「わーい、パクッ ≪モクモク≫ おいしー」
「そ、そう。よかったわね」
ごく自然にそのクレープを食べる橘ひより。
「じゃあ、はい。丸美もどうぞ」
「え、わ、わたしはいいわよ!」
「おいしいよ」
「あ、ありがと」
丸美音奈は、至福の時に突入するのだった。
いかがでしたか?
鉄臣君のお蕎麦のカップは楠木さんが、かき揚げの紙皿は桃園さんが受け取って自分のに重ねています。
次話をお待ちください。




