部活動 5-6.4
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
夏イベントに向かって出発です。
ではでは~
「告白ー!?」
最初に反応したのは、なぜか竹腰さんだった。
「か、勝手に決めないでよ。まだ・・・」
「まだ?紫苑さん、何が【まだ】なんですか?」
楠木さんが詰め寄る。
「ハイハーイ。バスに乗りましょう。正輝君、点呼できてるよね」
「ああ、学園出発組は全員揃ってる」
「じゃあ、行きましょうか。【友達】の紫苑ちゃん」
「うーーー」
弥刀さんに茶化される久遠寺さんは、ばつが悪そうに唸るだけだった。
= = = = =
喪部部員を乗せたバスは、一路、目的地を目指す。
「堀田さん、目的地はどこですか?」
「どこだと思う?」
鉄臣君、前席に座る堀田さんに尋ねる。
「三石さん、聞いていないの?」
鉄臣君が目的地を知らないことが不思議だった竹腰さんは、思わず聞いた。
「うん。俺、集合場所と持ってくるものだけしか知らない」
「正輝君、いじわるしたんじゃ?」
「ひどいなぁ、違うよぉ。メーリングリストのサーバーが変わったら、三石君の携帯が対応してないっぽいんで、データをコピペで送ったんだけど、三石君の口ぶりから見るとテキストデータの一部しか届かなかったみたい」
「じゃあ、添付の資料は?」
「たぶん三石君は知らない。悪いことをしたね三石君、確認しておけばよかった」
「え、え、え。じゃあ、ボクはどうすればいいんですか?」
鉄臣君、堀田さんと弥刀さんの会話で大事な情報を知らなかったことを知り、不安になる。
「その心配はないさ。船に乗るのと会費は5000円。会費は立て替えておくから、いつ返してくれてもいい。なんなら、山荘の時みたいにバイトしてくれてもいいよ」
「バイト! やります。でも、会費分だけでいいですか? ちょっとのんびりしたいんで」
「ああ、いいよ。バイトはある人をエスコートするだけだから」
「エスコートって、対人スキルが高くないとできないじゃないですか?ボクで務まりますか?」
「ハハハ、三石君は、時々面白いな」
「えー、引っかかること言わないでくださいよ。直に言われるとへこむんですよ」
「じゃあ、頼まれてくれるかな?」
「うーん、のんびりできますか?」
「それは、気の持ちようだよ」
「はあ」
「じゃ、決まりだ。頼むね」
「え、ちょ、・・・わかりました」
鉄臣君、内容を詳しく確かめず引き受けた。
= = = = =
鉄臣君、隣に座る桃園さんにメールの内容を見せてもらっていると、竹腰さんの視線に気がつく。
「三石さんは、友達がいるとデレデレするのね」
視線が合うと同時に誤解を招く言葉が飛んできた。
「え?ボ、ボクはデレデレしてませんよ」
鉄臣君、顔が緩んでいたかもと思いつつ取り繕う。
「「「ふーん」」」
会長と副会長と竹腰さんが冷たく返事をする。
「みついし君は、デレデレするような人じゃいないですぅ」
「「「ほぉーーーーーー」」」
桃園さんの反論にも疑念を隠さない3人。
「丸美ぃ、今日の先輩たちは、こわすぎるよーーーー」
「た、橘、あんたがビビッてたらダメでしょ」
鉄臣君の後部座席で縮こまる後輩ふたり。
「で、でもー、こわいよ」
「しようのない子だわ」
「ごめん。でも、丸美が気にしなくていいよ」
「どうしてよ?」
「だって、いつかイケメンの彼氏と結婚するんでしょ?」
「な、なんで小学生のときの話をするのよ」
「ボクは、丸美だったら、いいお嫁さんになるだろなって、思ってるよ」
「ちょ、そんなこと今まで一回も言ってくれなかったじゃない」
「だって、聞かれたことないもん」
「しょ、しょんなこと、今は・・・」
= = = = =
鉄臣君、視線を感じて仕方がなかった。
「ねえねえ、ま、正輝さ・ん。水着を新しく買ったんだけど・・」
(お、竹腰さん、堀田さんにアプローチしてる。がんばれ、堀田さんくらいイケメンはいないもんな)
鉄臣君、会話が聞こえてきたので、見届けようと竹腰さんを見るとなぜか目が合った。
(あれ?・・・あ、俺が選んだ水着だからか)
鉄臣君、竹腰さんの邪魔にならないように視線を逸らすと通路を挟んで楠木さんがこっちを見ているような気がした。
「三石クン、竹腰さんが気になるの?」
「え?」
気のせいではなく楠木さんに見られていた。
「そ、そう見えた?」
「じっと見てたよ」
「責任取らないとダメだと思ってる。いっ」
鉄臣君、脇腹に不意に痛みを感じた。
痛いところ見ると横に座った桃園さんが指で突っついていた。
それも結構強く、爪がめり込むくらいだった。
「あら、三石くんは、楠木さんと話していても、【友達】の桃園さんが気になるのね」
通路を挟んで斜め後ろの久遠寺さんから揶揄される。
今、右の窓際は桃園さん座ってもらっている。
通路を挟んで堀田さんと並ぶように竹腰さん、自分の横に楠木さん、後ろに久遠寺さんが揃って通路側に座っている。
(日焼けしないように通路側?)
思案している間、みんなから見えないように桃園さんが脇腹を突っついている。
痛くはないが、くすぐったい。
ふと、意識しだしたらエッチな感じがした。
(噂に聞くイチャイチャって、こんな感じかな?)
それは甘美で巧妙な罠だった。
ムクムクとムクがムクしてしまった。
くたびれてるとはいえ、かろうじて健康な高校生男子は元気になるのは避けられなかった。
桃園さんの手が止まる。
鉄臣君、不思議に思って桃園さんを見ると一点を見つめて動かなくなっていた。
たまたまシャツの裾が捲れてムクムクが見えてしまったみたい。
桃園さんが見る見るうちに真っ赤になっていく。
(ヒィーーーーーー、気づかれてるー?、桃園さん見逃してー)
鉄臣君、シャツの裾を整えて、気づかないふりをした。
桃園さんが脇腹をつつくのは止めた。
代わりに時々くすぐるように触れて、鉄臣君が身をよじるのを楽しんでいるようになった。
「三石クン、熱あるんじゃない?顔赤いよ」
鉄臣君、楠木さんに観察されていることを知ると身を強張らせてしまう。
それは、桃園くすぐりがエスカレートするきっかけになってしまった。
いかがでしたか?
何がムクなのかは、内緒です。
次話をお待ちください。




