部活動 5-5.2
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
水着の試着です。
ではでは~
「あれれー、思ったより大胆かなー。サイズが合うの少ないから仕方ないかー」
試着コーナーから不穏なつぶやきが聞こえてくる。
ただ、棒読みのように聞こえる。
「鉄臣さん、居るー?」
「はい、ここにいます」
「見たい?」
「あのー、見たいかどうかだと見ない方にして欲しいんですけど」
「ちょっと、それってなんか失礼じゃない」
「ボクが見る方が失礼だと思うんですけど」
「だってぇ、感想聞かないとぉ。気にいってもらった方を買いたいしぃ」
「竹腰さん、なんか変なじゃない?」
「何が?」
「なんか、ボクの好みで選ぶみたいなこと言ってるように聞こえたんだけど」
「そ、そんな、じ、自意識過剰よ」
「すみません」
いきなり試着コーナーのカーテンが開いた。
「じゃーん」
両手でカーテンを開いた竹腰さんが立っていた。
脚はモデルのようにポーズを決めている。
「どう?」
鉄臣君、感想を聞かれているが、いきなりで固まっていた。
竹腰さんもスタイルが良かった。
女子の中では少し身長が高めで脚はスラッとしている。
お尻が少し大きいのが本人の悩みだったが、男子からしてみれば悩みの意味が理解できない程度でしかない。
転校前の女子高では、まだファンクラブが存在している。
「これって、大胆よね?」
顔を傾け、頬に人差し指を当てる竹腰さん。
おそらくは、衆目を釘付けにできるほどかわいい仕草だった。
しかし、もっと重要なことが鉄臣君を金縛りにしている。
彼女の着ている水着、鉄臣君が選んだ方は黄色のワンピースタイプで胸元がVカットで女性独特の谷間を魅せる。
それ以上に強烈なのが両サイドが上から下まで編み上げで肌が丸見えになっているデザインだった。
覗いて見えるショーツのゴムの跡が生々しさを倍増させていた。
= = = = =
「どっちを着ようかなぁ」
「・・・」
鉄臣君、並んで歩く竹腰さんの聞こえるようにつぶやく独り言は、聞こえないふりをしていた。
「どっちがいいかなぁ」
「・・・」
竹腰さんは選んだセクシー系の水着を2着買った。
鉄臣君、結局2着とも確認させられた。
健康な高校生には、比類なき破壊力だった。
「もう、どっちがいいか聞いてるのに」
「え?すみません。献立を考えていたんで聞いていませんでした」
「嘘ばっかり。わたしの水着姿、思い出してたでしょ」
「それはないです」
「ぶー、ちょっと恥ずかしかったのにぃ」
「あのー、ボクが悪いんですか?」
「・・・堀田さんを誘惑できるかな?」
「どうかなぁ。堀田さん、まわりが美形ばっかりだし」
「鉄臣さんは?」
「俺は、ドキド・・・って、なんでもないですから」
鉄臣君、少し顔が赤くなるが、何事もないと強調する。
「ふ、ふーん『よしっ』 自販機で何か買おう。特別手当だよ」
竹腰さんは、視界に入った休憩コーナーへ鉄臣君を引っ張っていく。
ウキウキしているように見えなくもなかった。
= = = = =
橘ひよりは悩んでいた。
「うーん、水着。ボク、日焼けすると真っ赤になっちゃうからなぁ」
「先輩、ボクの水着見ても喜ばないだろうし」
「ビキニは恥ずかしいし、無難にトランクスかなぁ。タンクトップのラッシュガードがあれば、日焼けもマシかも」
スマホを見ながら、先輩に見せるための水着を探していた。
= = = = =
丸美音奈は、水着姿で鏡の前に立っていた。
「うっ。お弁当の影響が・・・」
「先輩たちのおかずが美味しいが原因だわ」
「あんなに食べて全然太らないって反則よ」
「胸、大きい方が好きなのかなぁ。・・・べ、別に関係ないじゃない」
「うう、夜、ジョギングしよう」
= = = = =
「正輝君、三石君来れるかな」
「大丈夫だと思うよ。竹腰さんとこのバイトも休みにしてくれたみたいだし」
「へぇー、どうして知っているのかな?」
「痛い痛い。要、やめなさい」
堀田さんは弥刀さんに脇腹を抓られていた。
「竹腰さんからメールで連絡があったんだよ」
「ふーん」
「そんな目をしないでくれよ。曾祖母さんが来たいって。参加していいか確認されただけだから」
「良かった。真綾ちゃんって、かわいいから」
「それなら心配ないよ。転校してきた位だから」
「そうね。しばらく、話しづらかったけど何となくわかっちゃったし」
「夏イベント、三石君びっくりするだろうな。ユートライヒも来るし、みなさん、やる気満々だから」
「でも使える寝室足りないんでしょ?」
「じゃあ、僕らは一緒に寝ることになるかもね」
「正輝君のエッチ」
= = = = =
「今日はありがと」
「お易い御用です」
竹腰さんは満足そうだった。
鉄臣君、竹腰さんの柔らかい表情を見ると申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「竹腰さん」
「うん?何」
竹腰さんがコクンと顔を傾け覗き込んでくる。
仕草がかわいい。
「竹腰さんが幸せになれるように頑張るから」
鉄臣君、自分が彼女にしてしまったことを考えて、誰かとの仲を取り持つ決意を伝えた。
「え、え、え!鉄臣さん、それって」
「はい。約束するから」
「・・・うん。待ってる」
いかがでしたか?
メンバーの準備も進んでいるようです。
次話をお待ちください。




