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2章 困惑 ー1(まさかの告白)
一瞬 何のこと誰のことと 僕は思って
しまった。
まさか 僕のことじゃないだろうと
思ったり そんなことありえないこととか
思ったり 色々な思いが 重なって
その思いがスパークして 頭の中が
真っ白に なってしまっていた。
だって今まで誰とも 付き合ったことが
ないんだー。
降られ続けてきた 人生なんだー。
と それだけが こだましていた。
そして 高遠真紀の方が答えを 待ちきれず
「わたし 本気よ。本気で言ってるのよ。
わたしじゃ ダメなのかしら」
と 言ってきたのだった。
僕はかろうじて こう言うのが精一杯だった。
「なぜ僕なんだ。他にもあなたと釣り合う人は
たくさんいるはずなのに。
どうして 僕なんだ」
その言葉だけが なんとか言い出せた
言葉だった。