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1章 -- 3 (放課後 その2)
空野陽は 教室から玄関までの廊下を
歩いているところだった。
そんな 空野陽は まだ困惑している
最中だった。
なぜあの高遠真紀を 助けてしまったのだろう?
確かにとてつもなく美人で 誰にも
人当たりが良く 頭も良くて 常に
学年の上位に 位置するほど
成績が良い人である。
そして とてつもなく その顔に似合う
長くて黒髪の女子だった。
当然 そんな彼女は 北高校のみんなの
アイドルに 自然になってしまうのは
当然といえば 当然であろう。
しかし 空野陽にとっては 自分とは
かけ離れていた存在であった。
そう 雲の上の人だと 常に思っていたから
恋愛の対象としては とても思えなかった
のである。
そういう思いがある 空野陽であったから
本当に 高遠真紀じゃなくでも あの場面では
他の女子でも 助けていたかも知れないと
思ったのだった。
そして そろそろ玄関に着くところまで
来たのだった。