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救国の女神は本の続きを書く。  作者: さんまぐ


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第5話 救国の女神は姉の言葉を思い出す。

ナマラナの人生を書くべきだと思ったメーライトは、ナマラナは消失したが実は助かっていたという設定から、その先の事をどれだけ思案してもイメージは固まらない。

ナマラナの姿すら思い浮かばない。

戦闘音に合わせて悲鳴も聞こえてきて焦るメーライトの手を取って微笑むのはアーセワで、「神様?どうされました?」と声をかける。


「思いつかないの!ナマラナの人生が思いつかないよ!」


真っ青な顔で慌てるメーライトに、アーセワは「なぜその者に?いえ、まず神様は何故私を?」と聞いてみる。


「それはお姉ちゃんが、私はワルセナじゃなくて、アーセワが私に似てるって言って、だから私はアーセワを助けたかったの」

「ふふ。素敵なお姉様ですね」


あの意地悪な姉を素敵と言うアーセワにメーライトは目を丸くする。


「その方のお陰で、私は神様に救っていただきました。では神様、そのお方、お姉様ならその物語の誰が、神様に似ていると言うでしょうか?」


メーライトはアーセワの言葉を聞きながら、姉の顔と声を思い浮かべる。


「アンタが聖剣に触れようとするなんて図々しいのよ!何にもできずに滑落した、アルーナがお似合いよ!暗い谷底で、空でも仰いで死んでいくのよ!もしかしたら魔物のご飯かもね!」


姉の気持ちになると言葉がするすると出てくる。


メーライトはアーセワを見て、「アルーナ。お姉ちゃんなら私とアルーナが似てるって言う」と答えると、ではそのアルーナはどうなるのですか?」と聞く。


メーライトはもうアルーナに自分を重ねていた。


暗い谷底に落ちてはいたが、戦装束が即死を防いでくれる。

痛みによって動けない中、このままここにいれば、魔物が自身を食い殺しにくる事は容易に想像がついた。


はるか上に見える青空。

今、死に瀕した自分が見る空の下、残り2人の戦乙女達は、聖剣デイブレイドに辿り着けただろうか?

無事に聖剣に選ばれて人々を救ってほしい。


初めはそんな殊勝な事を考えた。


だがすぐに未練を持った。

自分なら、2人よりも聖剣を使いこなし、たくさんの人達を笑顔にできたのではないか?

その思いと考えが、一度は受け入れた死を受け入れられなくしていた。


生きてやる。生き残ってやる。

一度でも聖剣の一太刀を放って、1人でも多くの人達を救いたい。


そう思って這ったとき、眼前の暗闇が月夜のように明るく輝いた。


その光を浴びると、身体の痛みは嘘のように消えた。


アルーナは立てるようになり、ゆっくりと歩き出すと、目の前には満月のような金色の剣があった。


「これ…、まさか聖剣か?」と呟くアルーナの足元には石碑があった。


石碑には、対なる聖剣ナイブレイド。陽の光によって輝く月の聖剣。

月の力、月が与える光の力で世界を救って欲しいと書かれていた。


アルーナは聖剣を手にして帰還したが、表舞台には出ない。

先に帰ったワノーレの報告で開かれた葬儀すら否定せずに、そのまま死んだ事にして裏舞台で生きていく。

誰からの賞賛もないまま、ただ人々の為に戦い続ける。


それは一度、滑落死を覚悟して、邪念の類が全て無くなっていたからこそできた事だった。


最終決戦、ワノーレが死地へと赴く時、戦乙女見習い達も、ワノーレの後を追い死地へと赴く。

だがそれこそが魔王達の狙いで、魔王達は戦乙女達を回避して人間の土地に攻撃を加えていた。


読み勝ちしていたのはアルーナで、ナイブレイドの力を借りて、空を飛ぶことはかなわなかったが、一騎当千の働きをしたアルーナは、ワノーレが戻る土地を守り切ると、ナイブレイドを陽光山に戻し、陽光山の防人となった。



「書けました!アーセワさん!」

「では、私と同じように紙とペンを構えて、そのアルーナをお喚びください」


アーセワの声に従い、メーライトは紙と救済のペンを構えた。

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