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無人島で50年も修行したら、強くなりすぎた件  作者: ダイス
無人島修行編

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エピソード4:孤独との対峙

 一年目。


 無人島に来て、一年が経った。


---


 生活は、安定した。


 家がある。


 食料も、毎日確保できる。


 火も、すぐに起こせる。


---


「生き延びることは、できるようになった」


---


 だが、新しい問題が浮上してきた。


---


 孤独だ。


---


 一年間、誰とも話していない。


 誰とも、会っていない。


 声を発するのは、独り言だけ。


---


「……寂しい、のか?」


 自問する。


---


 前世では、人付き合いが面倒だった。


 一人の方が、楽だった。


---


 だが、それは選択肢があったからだ。


 会おうと思えば、会えた。


 話そうと思えば、話せた。


---


 ここは違う。


 選択肢がない。


 誰もいない。


---


「これは、違うな」


---


 一年と三ヶ月。


 孤独が、じわじわと押し寄せてくる。


---


 朝起きても、誰もいない。


 昼も、夜も、一人だ。


---


 話し相手が、欲しくなる。


 誰でもいい。


 人間の声が、聞きたい。


---


「……ダメだ」


 頭を振る。


---


 考えても、仕方ない。


 ここには、誰もいない。


 五十年間、ずっと一人だ。


---


「慣れるしかない」


---


 一年と六ヶ月。


 対策を、考えた。


---


 独り言を、たくさん話す。


 声を出すこと。


 それが、重要だ。


---


 声を出さないと、喉が退化する。


 会話能力も、落ちる。


---


「毎日、声を出そう」


---


 何でもいい。


 今日やったこと。


 考えていること。


 全部、声に出す。


---


「今日は、魚を三匹捕まえた」


「天気が良かった」


「明日は、家を改良しよう」


---


 独り言を、ずっと話す。


 変な感じだが、仕方ない。


---


「これも、生き延びるためだ」


---


 二年目。


 孤独に、少しずつ慣れてきた。


---


 最初は、誰かに会いたいと思っていた。


 話し相手が、欲しかった。


---


 だが、今は違う。


 一人でも、平気だ。


---


「慣れたのか、諦めたのか」


 どちらだろう。


---


 分からない。


 だが、今は平気だ。


---


「それでいいか」


---


 二年と三ヶ月。


 ふと、鏡が欲しくなった。


---


 自分の顔を、見ていない。


 一年以上、見ていない。


---


「どんな顔してるんだろう」


---


 川に行って、水面を覗き込む。


 揺れる水面に、ぼんやりと映る顔。


---


 髪が、肩まで伸びている。


 ボサボサだ。


 髭も、生えている。


---


「……野生児だな」


---


 前世の自分とは、全く違う。


 別人のようだ。


---


「まあ、いいか」


 見た目なんて、どうでもいい。


 誰も見ないし。


---


 だが、髪は切った方がいいかもしれない。


 長すぎると、邪魔だ。


---


「石のナイフで、切るか」


---


 適当に、切る。


 短く、肩くらいまで。


---


「これでいいだろう」


 誰も見ないから、適当でいい。


---


 二年と六ヶ月。


 孤独は、もう気にならなくなった。


---


 毎日、同じルーティン。


 朝起きて、水を飲む。


 狩りをする。


 家を改良する。


 夜、休む。


---


 同じことの繰り返し。


 だが、飽きない。


---


「充実してるな」


---


 やることがある。


 目標がある。


 それだけで、十分だ。


---


「孤独も、悪くない」


---


 一人だからこそ、集中できる。


 邪魔されない。


 自分のペースで、進められる。


---


「これが、俺に合ってるのかもしれない」


---


 三年目。


 無人島に来て、三年が経った。


---


 孤独に、完全に慣れた。


 もう、誰かに会いたいとは思わない。


 このまま、一人でいい。


---


「五十年、一人でも平気だな」


---


 そう確信した。


 孤独は、もう怖くない。


---


 むしろ、心地いい。


---


「これが、俺の人生だ」


---


 一人で、生きる。


 一人で、強くなる。


 それが、俺の選んだ道。


---


「後悔は、ない」


---


 だが、ふと気づいた。


---


 体の中に、何か温かいものを感じる。


 微かだが、確かに。


---


「……これは、何だ?」


---


 集中して、感じ取ろうとする。


 体の中心。


 丹田のあたり。


---


 温かい塊がある。


---


「もしかして……魔力?」


---


 女神が言っていた。


 魔法は、使える。


 だが、初期魔力は最低ランクだ、と。


---


「感じられるようになったのか」


---


 三年かかった。


 長かった。


---


 だが、ついに感じ取れた。


---


「これが、魔力か」


---


 新しい発見だ。


 新しい目標が、見えてきた。


---


「魔力を、使えるようになろう」


---


 孤独との戦いは、終わった。


 次は、魔力との戦いだ。 



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