表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島で50年も修行したら、強くなりすぎた件  作者: ダイス
冒険者始動編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/43

エピソード14:トラブル解決

 ヴァレンタイン子爵の屋敷。


 執務室。


---


 ヴァレンタインは、机に向かっていた。


---


 だが、手が震えている。


---


「化け物……」


 呟く。


---


 昨夜、雇った暗殺者たちが戻ってきた。


 ボロボロの姿で。


---


「シオンという男は、化け物です……」


 暗殺者のリーダーが、震える声で言った。


---


「五人がかりでも、一瞬でやられました」


「複数の魔法を、同時に使いこなす」


「あんな冒険者、見たことがありません」


---


「もう、あいつには関わりたくない……」


「どんな金を積まれても、無理です……」


---


 そう言い残して、暗殺者たちは去った。


---


 あの暗殺者たちが、ここまで怯えるとは。


---


「まずい……」


 ヴァレンタインが、額に汗を滲ませる。


---


「俺は、とんでもない相手に喧嘩を売ってしまった」


---


 後悔する。


 なぜ、あの時に引き下がらなかったのか。


---


「もう、手を引こう」


 ヴァレンタインが、決める。


---


「圧力も、全て取り消そう」


「そうすれば、許してくれるはずだ」


---


 その時――。


---


 ドン、という音がした。


---


 遠くから。


 屋敷の入口だ。


---


「何だ……?」


---


 執事が、慌てて入ってくる。


---


「子爵様!」


---


「どうした」


---


「侵入者です!」


 執事が、叫ぶ。


---


「誰か、門を突破しました!」


---


「侵入者?」


 ヴァレンタインが、立ち上がる。


---


「護衛を呼べ!」


---


「それが……」


 執事が、青ざめる。


---


「護衛が、次々と倒されています!」


---


「何……!」


---


 また、ドン、という音。


 近づいている。


---


「誰だ!」


 ヴァレンタインが、叫ぶ。


---


「侵入者は……シオン、と名乗っています」


---


「……」


---


 ヴァレンタインが、固まる。


---


 シオン。


 あの化け物が、来た。


---


「まさか、直接……!」


---


 足が、震える。


 恐怖で。


---


「子爵様、お逃げください!」


 執事が、叫ぶ。


---


「裏口から!」


---


「ああ、そうだ!」


 ヴァレンタインが、裏口に向かう。


---


 だが――。


---


 扉が、開いた。


---


 そこには――。


---


 シオンが立っていた。


---


「……」


---


 冷たい目。


 感情のない顔。


---


「ヴァレンタイン子爵、だな」


 シオンが、言う。


---


「ひ……」


 ヴァレンタインが、後ずさる。


---


「待て……!」


---


「昨夜、暗殺者を送ったな」


 シオンが、一歩前に出る。


---


「そ、それは……」


---


「圧力もかけた」


 シオンが、続ける。


---


「俺を、締め出した」


---


「す、すまない……!」


 ヴァレンタインが、叫ぶ。


---


「もう、しない!」


「圧力も、全て取り消す!」


「だから、許してくれ!」


---


 シオンが、無言で近づく。


---


 ヴァレンタインが、壁に追い詰められる。


---


「頼む……!」


 必死に懇願する。


---


「命だけは……!」


---


 シオンが、手を上げる。


---


 ヴァレンタインが、目を閉じる。


---


 だが――。


---


 何も起きない。


---


 恐る恐る、目を開ける。


---


 シオンの手が、壁に触れている。


 ヴァレンタインの顔の、すぐ横。


---


「聞け」


 シオンが、冷たく言う。


---


「今回は、許す」


---


「ほ、本当か……!」


---


「だが、次はない」


 シオンが、警告する。


---


「もし、また俺に関わったら」


「次は、容赦しない」


---


「わ、分かった……!」


 ヴァレンタインが、必死に頷く。


---


「二度と、関わらない!」


「誓う!」


---


「いいだろう」


 シオンが、手を下ろす。


---


「圧力を、今日中に全て取り消せ」


---


「す、すぐにやる!」


---


「では、な」


---


 シオンが、部屋を出る。


---


 ヴァレンタインが、その場に崩れ落ちる。


---


「助かった……」


 震える声で、呟く。


---


「もう、二度と関わらない……」


「絶対に……」


---


 執事が、駆け寄る。


---


「子爵様、大丈夫ですか!」


---


「ああ……」


 ヴァレンタインが、頷く。


---


「もう、終わりだ」


---


「終わり、ですか?」


---


「ああ。シオンへの嫌がらせは、全て終わりだ」


 ヴァレンタインが、言う。


---


「あんな化け物に、逆らえるわけがない」


---


 その日のうちに、全ての指示が取り消された。


---


 宿も、商店も、シオンを受け入れる。


---


 ギルドでも、噂になった。


---


「シオンが、ヴァレンタイン子爵の屋敷に乗り込んだらしい」


「護衛を全員、倒したって」


「子爵が、完全に屈服したらしい」


---


 シオンの評判は、さらに高まった。


---


 そして、ヴァレンタインは――。


 二度と、シオンに関わることはなかった。


---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ