エピソード12:昇格試験(後編)
# 第3章:冒険者始動編
## エピソード12:昇格試験(後編)
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翌日の夜。
祝賀会が、開かれた。
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場所は、ギルドの大ホール。
たくさんの冒険者が、集まっている。
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そして、貴族もいる。
豪華な服を着た、男女。
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「賑やかだな」
シオンが、思う。
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ダリウスが、シオンを紹介する。
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「皆、静粛に」
ダリウスが、声を上げる。
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「今日は、シオンのAランク昇格を祝う会だ」
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拍手が、起こる。
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「シオン、前に」
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シオンが、前に出る。
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「おめでとう」
ダリウスが、手を差し出す。
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「ありがとうございます」
シオンが、握手する。
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「シオンは、史上最速でAランクに昇格した」
ダリウスが、説明する。
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「登録から、わずか一ヶ月だ」
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冒険者たちが、ざわつく。
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「一ヶ月!?」
「信じられない」
「化け物だ」
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「これからも、頑張ってくれ」
ダリウスが、励ます。
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「はい」
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祝賀会が、始まる。
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食事。
酒。
歓談。
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シオンは、色々な人に話しかけられる。
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冒険者たち。
商人たち。
そして――。
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貴族が、近づいてきた。
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若い男性。
豪華な服。
傲慢な雰囲気。
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「お前が、シオンか」
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「そうだ」
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「俺は、ヴァレンタイン子爵だ」
男性が、名乗る。
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「貴族だ」
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「初めまして」
シオンが、礼をする。
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「お前、強いらしいな」
ヴァレンタインが、言う。
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「そうでもない」
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「謙遜するな」
ヴァレンタインが、笑う。
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「俺の護衛に、ならないか」
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「護衛、ですか」
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「ああ。給料は、良いぞ」
ヴァレンタインが、提案する。
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「月に、金貨五十枚だ」
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「……」
シオンが、黙る。
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金貨五十枚。
高額だ。
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だが、シオンは断る。
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「申し訳ありませんが、お断りします」
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「なぜだ」
ヴァレンタインが、不快そうに聞く。
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「俺は、自由にやりたい」
シオンが、答える。
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「護衛として雇われるのは、性に合わない」
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「……そうか」
ヴァレンタインが、不機嫌になる。
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「残念だ」
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ヴァレンタインは、去っていった。
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ダリウスが、近づいてくる。
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「断ったのか」
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「ああ」
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「良かった」
ダリウスが、安堵する。
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「あの男は、評判が悪い」
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「そうなのか」
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「ああ。護衛を、道具のように扱う」
ダリウスが、説明する。
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「お前が断って、正解だ」
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「そうか」
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だが、ヴァレンタインの目が、冷たかった。
シオンは、それを感じていた。
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「あれは、恨まれたな」
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「気をつけろ」
ダリウスが、警告する。
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「貴族の恨みは、厄介だ」
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「分かっています」
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祝賀会が、終わる。
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シオンは、宿に戻る。
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部屋で、考える。
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「貴族か……」
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厄介な存在だ。
権力がある。
金もある。
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「だが、屈するつもりはない」
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シオンは、自分の道を歩む。
誰にも、支配されない。
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「自由に、やる」
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それが、シオンの信念だ。
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翌日。
シオンは、ギルドに向かった。
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Aランクの依頼を、探すためだ。
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受付嬢が、依頼書を出す。
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「Aランクの依頼です」
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シオンが、見る。
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色々ある。
高難度の魔物討伐。
危険地帯の探索。
VIPの護衛。
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そして、一つの依頼が目に留まる。
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「百人盗賊団、討伐」
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「これは?」
シオンが、聞く。
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「大規模な盗賊団です」
受付嬢が、説明する。
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「百人以上います」
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「一人で、行けるのか」
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「推奨は、十人です」
受付嬢が、答える。
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「だが、Aランクなら、可能かもしれません」
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「報酬は?」
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「金貨百枚です」
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「……百枚」
シオンが、驚く。
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「高額ですね」
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「ええ。それだけ、危険です」
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シオンが、考える。
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「これにする」
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「本当に、大丈夫ですか?」
受付嬢が、心配する。
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「大丈夫だ」
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「分かりました」
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シオンは、百人盗賊団討伐の依頼を受けた。
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Aランク、初めての依頼。
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そして、この依頼が――。
シオンの運命を、変えることになる。
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