エピソード5:第三の依頼開始
# 第3章:冒険者始動編
## エピソード5:第二の依頼開始
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翌朝。
シオンは、ギルドに向かった。
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三つ目のBランク依頼を、探すためだ。
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受付嬢が、いくつか提案する。
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「こちらは、ワイバーン討伐です」
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「ワイバーン?」
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「ええ。小型の飛竜です」
受付嬢が、説明する。
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「山に巣を作って、村を襲っています」
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「強いのか?」
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「かなり強いです」
受付嬢が、真剣な顔で言う。
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「Bランクでも、五人推奨です」
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「そうか」
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シオンが、考える。
ワイバーン、か。
飛ぶ敵は、面白そうだ。
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「これにする」
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「本当に、大丈夫ですか?」
受付嬢が、心配する。
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「ワイバーンは、空を飛びます」
「地上からでは、攻撃しにくいです」
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「問題ない」
シオンが、答える。
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「俺も、飛べる」
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「……え?」
受付嬢が、固まる。
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「飛べる、んですか?」
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「ああ。重力操作で」
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「……」
受付嬢が、言葉を失う。
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「分かりました」
受付嬢が、依頼を受理する。
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「場所は、北の山です」
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「分かった」
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シオンは、北の山に向かった。
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都市から、徒歩で半日。
険しい山道を、登る。
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「高いな」
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標高、千メートルはある。
空気が、薄い。
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だが、シオンには問題ない。
魔力で、体を強化している。
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「もう少しだ」
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山頂近く。
大きな洞窟が、見える。
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「あれが、巣か」
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シオンは、慎重に近づく。
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洞窟の入口。
地面に、爪痕がある。
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「大きな爪だ」
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魔力感知を、使う。
洞窟の奥を、探る。
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「……いるな」
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強い魔力の反応。
ワイバーンだ。
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「一匹、か」
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シオンは、洞窟に入る。
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暗い。
魔力で、光を作る。
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手のひらに、光の球。
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「明るくなった」
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奥に進む。
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広い空間に、出た。
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そこには――。
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巨大な飛竜がいた。
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体長、七メートル。
鋭い爪。
強靭な翼。
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「これが、ワイバーンか」
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ワイバーンが、シオンに気づく。
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ギャアアア!
甲高い鳴き声。
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威嚇している。
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「来るか」
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ワイバーンが、飛び立つ。
洞窟の中を、旋回する。
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そして、急降下。
シオンに向かって、突進してくる。
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鋭い爪を、振りかざす。
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だが――。
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シオンが、手を上げる。
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重力が、発動する。
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ワイバーンが、地面に叩きつけられた。
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ドン、という轟音。
地面が、大きくへこむ。
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「ギャアッ!」
ワイバーンが、苦しむ。
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「動けないな」
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ワイバーンが、必死に抵抗する。
翼を、ばたつかせる。
爪で、地面を引っ掻く。
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だが、重力が強すぎる。
動けない。
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「すまないが、これも仕事だ」
シオンが、言う。
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「村を襲った以上、仕方ない」
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シオンが、圧縮した火球を作る。
小さいが、密度が高い。
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「終わりだ」
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火球を、放つ。
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ワイバーンに、命中する。
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爆発。
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ドン、という音。
煙が、立ち上る。
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煙が晴れると――。
ワイバーンは、動かなくなっていた。
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「……終わったか」
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シオンが、近づく。
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ワイバーンは、完全に絶命している。
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「証拠が、必要だな」
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シオンが、ワイバーンの爪を一本、回収する。
大きな爪。
これが、討伐の証拠になる。
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「これでいいか」
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だが、その時――。
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ワイバーンの腹部が、微かに光っているのに気づいた。
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「……何だ?」
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シオンが、近づいて確認する。
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腹の中に、何かがある。
魔力の反応。
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「まさか……」
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シオンが、慎重に腹を開く。
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そこには――。
卵があった。
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「卵……」
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体長、五十センチほど。
白い卵。
微かに、温かい。
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「妊娠していたのか」
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シオンが、複雑な表情になる。
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「母親を、殺してしまった」
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卵を見つめる。
中から、微かな魔力を感じる。
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「生きている」
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シオンが、考える。
この卵を、どうするか。
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「親は討伐した。だが、子供に罪はない」
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シオンは、決めた。
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「この子は、連れて帰ろう」
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シオンは、卵を慎重に抱える。
温かい。
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「孵化するまで、育てよう」
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シオンは、卵とワイバーンの爪を持って下山した。




