エピソード2:最初の一週間
# 第1章:無人島修行編
## エピソード2:最初の一週間(生存確立)
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二日目の朝。
目が覚めると、全身が痛かった。
岩の間で寝たせいだ。
地面は硬く、石が体に食い込んでいた。
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「……最悪だ」
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だが、文句を言っても仕方ない。
生きているだけ、マシだ。
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立ち上がって、体を伸ばす。
関節が、ギシギシと音を立てる。
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「川に、行くか」
喉が渇いている。
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森を抜けて、川に向かう。
昨日と同じ道。
迷わず、辿り着けた。
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水を飲んで、顔を洗う。
少し、スッキリした。
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「今日も、魚に挑戦するか」
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槍を握って、水面を見る。
魚が、泳いでいる。
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昨日は、一匹も捕まえられなかった。
だが、今日こそ。
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じっと、観察する。
魚の動きを、見る。
パターンは、あるのか。
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見ていると、少し分かってきた。
同じ場所を、行ったり来たりしている。
予測できる。
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「次に、ここを通る」
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予測して、待ち構える。
槍を構える。
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魚が、近づいてくる。
もう少し。
もう少し。
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今だ――。
突く!
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当たった。
魚が、槍に刺さった。
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「やった……!」
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初めて、魚を捕まえた。
小さいが、確かに魚だ。
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「これで、食える」
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拠点に戻って、火を起こす。
石と石を、ぶつける。
火花を散らす。
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何度も試して、ようやく草に火がついた。
枯れ枝を足して、火を育てる。
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「できた……」
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魚を、火で焼く。
じゅうじゅうと、音を立てる。
いい匂いがする。
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焼けた魚を、一口食べる。
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「……美味い」
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涙が、出そうになった。
ちゃんとした食事だ。
生きている、と実感できる。
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三日目。
また魚を捕まえた。
コツを、掴んできた。
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四日目。
二匹、捕まえた。
確実に、上手くなっている。
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五日目。
寝床を、改良した。
枯れ葉を敷き詰めて、少し柔らかくした。
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六日目。
雨が降った。
初めての雨。
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岩の間では、濡れてしまう。
屋根が、必要だ。
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木の枝と葉っぱで、簡易的な屋根を作った。
完璧ではないが、少しは雨を防げる。
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七日目。
一週間が、経った。
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その夜、火のそばで考えた。
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「一週間、生き延びた」
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最初は、一日も無理だと思っていた。
だが、今は違う。
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水がある。
食料も、確保できる。
火も使える。
寝床も、一応ある。
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「生き延びられる」
そう確信できるようになった。
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まだ不安定だ。
魚を捕まえるのは、難しい。
寝床も、快適ではない。
夜は、まだ怖い。
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だが、確実に前進している。
一日目とは、全然違う。
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「このまま、続けていこう」
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空を見上げる。
星が、輝いている。
無数の星。
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「綺麗だな」
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前世では、こんなに星を見たことがなかった。
都会は、明るすぎた。
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ここは違う。
真っ暗だ。
だからこそ、星がよく見える。
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「孤独だけど……」
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誰もいない。
話し相手もいない。
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だが、それでも。
「生きている」
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一週間前、俺は死んだ。
だが、転生した。
新しい命を、もらった。
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「無駄にはしない」
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この命を、大切にする。
強くなる。
五十年、必ず生き延びる。
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「絶対に」
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そう、心に誓った。
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火が、パチパチと音を立てる。
温かい。
心も、少し温かくなった気がする。
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「明日も、頑張ろう」
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やることは、まだまだある。
ちゃんとした家を作る。
もっと道具を揃える。
食料を、安定させる。
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「一歩ずつ、やっていこう」
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岩の間に戻る。
横になる。
硬い地面。
だが、少しずつ慣れてきた。
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目を閉じる。
眠りに落ちる。
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一週間が、終わった。
二週目が、始まる。
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