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無人島で50年も修行したら、強くなりすぎた件  作者: ダイス
冒険者始動編

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エピソード2:オーガ討伐(後編)

 シオンが、手を上げる。


---


 重力が、発動する。


---


 オーガの体が、地面に押さえつけられた。


---


「ぐあっ!」


 オーガが、うめく。


---


 動けない。


 まるで、巨大な岩で押さえつけられているように。


---


「何だ、これは……!」


---


「重力だ」


 シオンが、説明する。


---


「お前を、地面に固定している」


---


「く、くそ……!」


 オーガが、必死に抵抗する。


---


 だが、動けない。


 重力が、強すぎる。


---


「力を、抜け」


 シオンが、言う。


---


「抵抗しても、無駄だ」


---


「くそ……」


 オーガが、諦める。


---


 シオンが、近づく。


---


「なぜ、村を襲った」


---


「……腹が減ったからだ」


 オーガが、答える。


---


「森の獲物が、減った」


「仕方なく、人間を襲った」


---


「そうか」


 シオンが、頷く。


---


「だが、それは許されない」


---


「分かっている……」


 オーガが、目を閉じる。


---


「殺せ」


---


 シオンが、少し考える。


---


「いや」


---


「……は?」


 オーガが、目を開ける。


---


「殺さない」


 シオンが、言う。


---


「なぜだ」


---


「お前は、生きるために襲った」


 シオンが、説明する。


---


「悪意ではない」


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「それでも、人を殺した」


 オーガが、反論する。


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「俺は、死ぬべきだ」


---


「確かに、そうかもしれない」


 シオンが、認める。


---


「だが、もう一度チャンスをやる」


---


「チャンス……?」


---


「二度と、人を襲うな」


 シオンが、真剣な顔で言う。


---


「もし襲ったら、次は容赦しない」


---


「……分かった」


 オーガが、頷く。


---


「約束する」


---


 シオンが、重力を解除する。


---


 オーガが、立ち上がる。


---


「行け」


 シオンが、言う。


---


「森の奥に、行け」


「そこなら、獲物もいるだろう」


---


「……ありがとう」


 オーガが、頭を下げる。


---


「命の恩人だ」


---


「気にするな」


---


 オーガは、森の奥に消えた。


---


 シオンは、一人残された。


---


「さて、どうする」


---


 依頼は、オーガの討伐だ。


 だが、殺していない。


---


「証拠が、必要だな」


---


 シオンが、考える。


---


 オーガの棍棒の破片を、拾う。


 これが、証拠になるだろう。


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「これで、いいか」


---


 シオンは、都市に戻った。


---


 ギルドに、報告する。


---


「オーガ討伐、完了しました」


 シオンが、受付嬢に言う。


---


「本当ですか?」


 受付嬢が、驚く。


---


「証拠は?」


---


 シオンが、棍棒の破片を出す。


---


「これです」


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「オーガの棍棒……」


 受付嬢が、確認する。


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「確かに、本物です」


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「では、報酬を」


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「少々お待ちください」


 受付嬢が、奥に向かう。


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 しばらくすると、ダリウスが出てきた。


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「シオン、本当にオーガを倒したのか」


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「はい」


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「一人で?」


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「ええ」


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「……信じられん」


 ダリウスが、呆れる。


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「Bランクでも、パーティ推奨なのに」


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「問題ありませんでした」


 シオンが、答える。


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「そうか」


 ダリウスが、頷く。


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「では、報酬だ」


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 金貨五枚を、受け取る。


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「ありがとうございます」


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「シオン」


 ダリウスが、呼び止める。


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「お前、本当に強いな」


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「そうでしょうか」


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「ああ。Aランクでも、ここまで早くは倒せない」


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「そうですか」


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「気をつけろ」


 ダリウスが、警告する。


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「噂が、広まるぞ」


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「分かっています」


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 シオンは、ギルドを出た。


---


 すでに、周りの冒険者たちが噂している。


---


「あいつ、オーガを一人で倒したらしいぞ」


「マジかよ」


「Bランクになったばかりなのに」


---


 シオンは、気にせず宿に戻る。


---


 部屋で、金貨を数える。


---


「金貨五枚か」


---


 初めての、報酬だ。


 自分で稼いだ、お金。


---


「悪くないな」


---


 シオンは、窓の外を見る。


---


「次の依頼も、頑張ろう」


---


 冒険者としての、日々が始まった。


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