エピソード8:ギルド訪問
ギルドのホール。
シオンは、周りを見回していた。
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たくさんの冒険者。
それぞれ、個性的だ。
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重装備の戦士。
ローブを着た魔法使い。
軽装の盗賊。
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「色々な人がいるな」
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「ええ。冒険者は、様々です」
ガルスが、説明する。
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「受付に、行きましょう」
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二人は、受付カウンターに向かう。
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受付には、若い女性がいた。
笑顔で、対応している。
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「いらっしゃいませ」
受付嬢が、挨拶する。
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「新規登録、お願いします」
ガルスが、言う。
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「かしこまりました」
受付嬢が、書類を取り出す。
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「お名前は?」
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「シオン」
シオンが、答える。
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「シオン様ですね。年齢は?」
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「六十四歳」
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「……え?」
受付嬢が、固まる。
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「ろ、六十四歳……?」
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「ああ」
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受付嬢が、シオンの顔を見る。
どう見ても、二十代だ。
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「あ、長命種の方ですか?」
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「そうだ」
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「失礼しました」
受付嬢が、頭を下げる。
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「種族は?」
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「わからない」
シオンが、答える。
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受付嬢が、書類に記入する。
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「魔法は、使えますか?」
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「使える」
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「どの属性ですか?」
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「全属性」
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「……全属性?」
受付嬢が、また固まる。
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「ええ、全部です」
ガルスが、補足する。
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「か、確認させてください」
受付嬢が、慌てて言う。
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シオンが、手を上げる。
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手のひらに、小さな炎。
次に、水。
風。
土。
雷。
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全てを、順番に出す。
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「……本当に、全属性」
受付嬢が、驚く。
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「しかも、無詠唱……」
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周りの冒険者たちも、注目し始める。
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「おい、あいつ無詠唱だぞ」
「マジかよ」
「全属性とか、化け物か」
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ざわざわと、ざわめく。
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「すみません、少々お待ちください」
受付嬢が、奥に向かう。
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「どうした?」
シオンが、ガルスに聞く。
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「たぶん、上司を呼びに行ったんだと思います」
ガルスが、答える。
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「全属性使いは、珍しいですから」
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しばらくすると、受付嬢が戻ってきた。
後ろには、中年の男性。
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「ギルドマスターのダリウスです」
男性が、自己紹介する。
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「シオン」
シオンが、頭を下げる。
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「全属性使いとは、珍しい」
ダリウスが、興味深そうに見る。
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「ええ、珍しいです」
ガルスが、答える。
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「しかも、無詠唱です」
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「ほう」
ダリウスが、シオンをじっくり見る。
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「ただ者ではないな」
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「普通の冒険者志望です」
シオンが、答える。
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「謙遜だろう」
ダリウスが、笑う。
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「その力、並大抵ではない」
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シオンが、黙っている。
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「まあ、いい」
ダリウスが、受付嬢に言う。
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「登録を進めてくれ」
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「はい」
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受付嬢が、書類を続ける。
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「登録料は、銀貨十枚です」
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シオンが、袋から銀貨を取り出す。
バルドにもらった、登録料だ。
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「はい」
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「ありがとうございます」
受付嬢が、受け取る。
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「それでは、ランク認定試験を受けていただきます」
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「試験?」
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「ええ。実力を測る試験です」
受付嬢が、説明する。
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「これで、初期ランクが決まります」
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「分かった」
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「試験は、明日の午前中です」
受付嬢が、書類を渡す。
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「こちらが、受験票です」
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「ありがとう」
シオンが、受け取る。
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「それまで、宿で休んでください」
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「宿、か」
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「おすすめの宿、ありますよ」
ガルスが、言う。
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「案内します」
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「頼む」
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二人は、ギルドを出た。
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外に出ると、夕方だった。
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「宿は、近いですか?」
シオンが、聞く。
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「ええ。歩いて五分です」
ガルスが、答える。
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「安くて、清潔な宿です」
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「いいな」
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二人は、宿に向かう。
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「緑竜亭」という看板が見える。
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「ここです」
ガルスが、指す。
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中に入ると、カウンターがある。
店主らしき、太った男性がいる。
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「いらっしゃい」
店主が、笑顔で迎える。
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「一泊、お願いします」
シオンが、言う。
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「銅貨五十枚だよ」
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シオンが、銀貨を出す。
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「銀貨一枚で」
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「おっと、お釣りだ」
店主が、銅貨五十枚を渡す。
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「ありがとう」
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「部屋は二階だ。階段を上がって、右から二番目」
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「分かった」
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シオンとガルスは、二階に上がる。
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部屋は、質素だが清潔だ。
ベッドと、小さなテーブル。
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「いい部屋だ」
シオンが、満足する。
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「でしょう?」
ガルスが、笑う。
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「シオン様、明日の試験、頑張ってください」
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「ああ」
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「では、俺はこれで」
ガルスが、頭を下げる。
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「一週間、ありがとうございました」
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「こちらこそ」
シオンが、握手する。
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「また、会おう」
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「ええ、きっと」
ガルスが、笑顔で部屋を出る。
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シオンは、ベッドに座る。
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「明日、試験か」
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どんな試験なのか。
楽しみだ。
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「新しい生活が、始まるな」
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シオンは、窓の外を見る。
都市の夜景が、広がっている。
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明かりが、たくさん灯っている。
賑やかだ。
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「いいな、これ」
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シオンは、微笑んだ。
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