表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島で50年も修行したら、強くなりすぎた件  作者: ダイス
文化圏への帰還

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/43

エピソード3:商人との交渉

 夜。


 焚き火の周りで、皆が休んでいる。


---


 シオンは、バルドと二人で話していた。


---


「シオン様は、どちらから?」


 バルドが、遠慮がちに聞く。


---


「遠くの島だ」


 シオンが、簡潔に答える。


---


「島、ですか」


 バルドが、興味深そうに聞く。


---


「どんな島でしたか?」


---


「無人島だ」


---


「む、無人島……?」


 バルドが、驚く。


---


「そこで、ずっと一人で?」


---


「ああ。五十年ほど」


---


「ご、五十年!?」


---


 バルドが、目を見開く。


 周りで聞いていたガルスたちも、驚いている。


---


「で、でも、シオン様は二十代に見えますが……」


---


「長命種だからな」


 シオンが、淡々と答える。


---


「なるほど……」


 バルドが、納得する。


---


 長命種。


 エルフやドワーフのような、長寿の種族。


 老化が遅い。


---


「それで、無人島で何を?」


---


「修行だ」


---


「修行……」


---


 五十年も一人で修行。


 想像を絶する。


---


「それで、あの強さになったんですね」


 ガルスが、感心する。


---


「まだまだだ」


 シオンが、首を振る。


---


「え……」


---


 まだまだ?


 あの強さで?


---


 全員が、絶句する。


---


「謙遜ですよね……?」


 ガルスが、恐る恐る聞く。


---


「いや、本当だ」


 シオンが、真面目な顔で答える。


---


「まだ、完璧ではない」


---


「……」


---


 完璧じゃない、と言う。


 では、完璧になったら、どれほどの強さになるのか。


---


 誰も、想像できなかった。


---


「ところで」


 シオンが、話題を変える。


---


「この世界について、もっと教えてほしい」


---


「もちろんです!」


 バルドが、乗り出す。


---


「何から知りたいですか?」


---


「国、について」


---


「国ですか」


 バルドが、頷く。


---


「ここは、アルベリア王国です」


---


「大きな国、か?」


---


「大陸で三番目に大きい国です」


 バルドが、誇らしげに言う。


---


「他にも国はあるのか?」


---


「ええ。大陸には、十五の国があります」


---


 シオンが、黙って聞いている。


---


「今、平和なのか?」


---


「比較的、平和です」


 バルドが、答える。


---


「戦争は、ありません。ただ……」


---


「ただ?」


---


「魔物が、問題です」


---


「魔物、か」


---


「ええ。森や山に、魔物が棲んでいます」


 バルドが、説明する。


---


「冒険者は、主に魔物を討伐する仕事をしています」


---


「なるほど」


---


「他にも、護衛や採集、探索など、色々な依頼があります」


---


 シオンが、頷く。


---


「冒険者になるには、どうすればいい?」


---


「ギルドで登録します」


 バルドが、答える。


---


「登録料は、銀貨十枚です」


---


「銀貨、か」


---


 シオンは、お金を持っていない。


 無人島では、必要なかったからだ。


---


「お金は……」


 シオンが、言いかける。


---


「お金のことは、心配いりません」


 バルドが、笑顔で言う。


---


「命の恩人ですから、登録料は私が払います」


---


「いや、それは……」


---


「遠慮しないでください」


 バルドが、手を振る。


---


「シオン様がいてくださるおかげで、安心して旅ができます」


---


 ガルスたちも、頷く。


---


「本当に、助かっています」


---


 シオンが、少し考えて言った。


---


「分かった。借りにする」


---


「はい、それでいいです」


 バルドが、嬉しそうに笑う。


---


「それと、都市の入場料も私が払います」


---


「入場料?」


---


「ええ。大都市に入るには、銅貨百枚必要です」


---


 シオンが、驚く。


---


「入るだけで、お金がかかるのか」


---


「ええ。大都市は、そういうものです」


 バルドが、説明する。


---


「治安維持や、防衛のための費用です」


---


「なるほど」


---


「ご安心ください。それも私が払います」


---


「すまない」


 シオンが、頭を下げる。


---


「いえいえ」


 バルドが、手を振る。


---


 しばらく、色々な話をした。


---


 魔物のこと。


 ダンジョンのこと。


 魔法のこと。


---


 シオンは、全てを真剣に聞いていた。


---


「魔法は、どのくらいの人が使えるんだ?」


 シオンが、聞く。


---


「十人に一人くらいです」


 バルドが、答える。


---


「ただ、強力な魔法が使える人は、もっと少ないです」


---


「どのくらい、強力な魔法が使えれば、強いと言われる?」


---


「そうですね……」


 バルドが、考える。


---


「火球を、家ほどの大きさにできれば、かなり強いです」


---


「家、か」


---


 シオンの火球は、山を消せる。


 桁が、違いすぎる。


---


「……俺は、どのくらいなんだろうな」


 シオンが、小声で呟く。


---


「え?」


---


「いや、何でもない」


 シオンが、首を振る。


---


 バルドは、聞こえなかったようだ。


---


 夜も更けて、皆が眠りにつく。


---


 シオンは、見張りを買って出た。


---


「俺は、あまり眠らなくても大丈夫だ」


---


「本当ですか?」


 ガルスが、驚く。


---


「ああ。任せてくれ」


---


「ありがとうございます」


---


 ガルスたちは、安心して眠った。


---


 シオンは、焚き火のそばに座る。


 星を、見上げる。


---


「五十年ぶりの、人との会話だ」


---


 懐かしい。


 楽しい。


---


「悪くないな」


---


 シオンは、微笑んだ。


---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ