表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無人島で50年も修行したら、強くなりすぎた件  作者: ダイス
文化圏への帰還

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/43

エピソード1:襲撃

 森の中を、馬車が進んでいた。


 三台の馬車。


 商人の、キャラバンだ。


---


 だが、その周りを囲むように――。


 盗賊がいた。


---


 二十人ほど。


 全員、武装している。


---


「くそ……!」


 護衛の冒険者が、歯ぎしりする。


---


 五人の冒険者。


 全員、Cランク。


 ベテランには、あと一歩。


---


 だが、敵が多すぎる。


 しかも――。


---


「元Bランク、か……」


 盗賊の頭を見る。


---


 大柄な男。


 傷だらけの顔。


 鋭い目つき。


---


 元冒険者だ。


 それも、Bランク。


---


「厄介だな」


---


 Bランクとは、格が違う。


 Cランクが束になっても、勝てない。


---


「せめて、商人だけは守る!」


 護衛のリーダーが、叫ぶ。


---


 五人が、馬車を囲む。


 商人を、守る陣形。


---


「諦めろ」


 盗賊の頭が、笑う。


---


「お前ら程度じゃ、無理だ」


---


 そして、合図を出す。


---


 盗賊たちが、一斉に襲いかかる。


---


「くっ!」


---


 護衛たちが、応戦する。


 剣と剣が、ぶつかる。


---


 だが、数が違う。


 四対一。


 不利だ。


---


「うわっ!」


 一人が、吹き飛ばされる。


---


 腕から、血が流れる。


 深い傷だ。


---


「しっかりしろ!」


 リーダーが、叫ぶ。


---


 だが、状況は悪くなる一方だ。


 全員、傷だらけ。


 疲労も、溜まっている。


---


「もう、限界か……」


 リーダーが、歯を食いしばる。


---


 だが、諦めない。


 商人を、守らなければ。


---


「まだだ……!」


---


 立ち上がる。


 剣を、構える。


---


 だが――。


---


 盗賊の頭が、動いた。


 速い。


 Bランクの速さ。


---


「終わりだ」


 頭の剣が、振り下ろされる。


---


 リーダーは、避けられない。


 防げない。


---


「くそ……!」


---


 死を、覚悟した。


---


 だが――。


---


 金属音が、響いた。


---


「……え?」


---


 剣が、止まっている。


 目の前で、止まっている。


---


 いや、止められている。


---


「誰だ……!」


 盗賊の頭が、驚く。


---


 そこには――。


 若い男が立っていた。


---


 長い髪。


 端正な顔立ち。


 動物の皮で作った、服。


---


 そして、素手だ。


---


 素手で、剣を受け止めている。


---


「な、何……?」


 リーダーが、呆然とする。


---


 男が、剣を掴んだまま言った。


---


「邪魔をするな」


---


 淡々とした、声。


 感情が、ない。


---


 そして――。


---


 剣が、砕けた。


---


「ぐわっ!」


 盗賊の頭が、後ろに跳ぶ。


---


 手には、柄だけ。


 刀身が、粉々になっている。


---


「馬鹿な……!」


---


 男が、一歩前に出る。


---


 ただ、それだけで――。


 全ての盗賊が、凍りついた。


---


「逃げろ……!」


 盗賊の頭が、叫ぶ。


---


 盗賊たちが、一斉に逃げ出す。


 だが――。


---


 男が、手を上げた。


---


 すると――。


---


 全ての盗賊が、地面に倒れた。


 動けない。


 まるで、見えない力で押さえつけられているように。


---


「うぐ……!」


 盗賊の頭も、動けない。


---


 男が、冷たい目で見下ろす。


---


「もう、来るな」


---


 それだけ言って、手を下ろす。


---


 すると、盗賊たちが解放された。


 全員、這うようにして逃げていく。


---


 あっという間に、誰もいなくなった。


---


「……助かった、のか?」


 リーダーが、呆然と呟く。


---


 男が、振り返る。


---


「怪我は?」


---


「あ、ああ……大丈夫だ」


---


 男が、頷く。


---


 そして、馬車の方を見る。


---


 商人が、馬車から降りてきた。


---


 太った、中年の男。


 豪華な服を着ている。


---


「あ、ありがとうございます!」


 商人が、深々と頭を下げる。


---


「命の恩人です!」


---


 男が、無表情で答える。


---


「別に」


---


 そして、歩き出そうとする。


---


「待ってください!」


 商人が、慌てて止める。


---


「お礼をさせてください!」


---


 男が、立ち止まる。


---


 そして、商人を見る。


---


「お礼は、いらない」


---


「では、せめて……」


---


 男が、少し考えて言った。


---


「情報が、欲しい」


---


「情報、ですか?」


---


「この世界のことを、教えてほしい」


---


 商人が、首を傾げる。


 奇妙な依頼だ。


---


 だが、命の恩人の頼みだ。


 断るわけにはいかない。


---


「分かりました。何でも教えます」


---


 男が、頷いた。


---


 こうして、出会いが始まった。


---



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ